
◾️「F1/エフワン/F1」(2025年・アメリカ)
監督=ジョセフ・コシンスキー
主演=ブラッド・ピット ダムゾン・イドリス ケリー・コンドン ハビエル・バルデム
本作のブラッド・ピットはまさにイケオジ。注目された頃はロバート・レッドフォードの再来と言われた美少年。「キャンディキャンディ」の実写版製作するならキャスティングされるべきよねー、と勝手に妄想しておりました。そんなブラピもおっさんになった。このところなんちゃらトレインとか風変わりな出演作が続いていたから、この「F1」は昔からのファンも歓喜する作品に仕上がった。
同じジョセフ・コシンスキー監督の「マーヴェリック」と同様に、ベテランが鼻息の荒い若者に経験に基づいた実力を見せつけてる物語。主人公ソニーは、90年代にセナやプロストと競ってきたレーサーという設定。新人レーサーのJPが最新のトレーニング機器で身体を鍛える一方、地道なランニングやトレーニングでレースに備えるソニー。スクリーンのこっち側のおっさん達は、きっと「ロッキー4」のトレーニング場面を思い出す。突然加わったソニーのレース運びと戦略にチームも困惑を隠せない。
レースの進行を妨害するようなギリギリの行為を繰り返すが、これが上位との差を縮めてJPの順位を上げる作戦。ピットからでるタイミングで先行車の邪魔をするなど、新人JPを前に出すためのあの手この手。ダーティなやり口にも見えるが、これが見事に的中してチームの信頼を次第に固めていく様子がいい。テクノロジーと野生の勘みたいな対比が面白いが、それが成功に結びついていく様子が楽しい。そして後半ではJPとの見事なコンビネーションを見せる。
「RUSH/プライドと友情」でも触れたがレース映画はほんっとに難しい。有名スターをキャスティングしても、ヘルメット越しでは表情もうまく観客に伝えられないし、台詞も独りよがり。だが「RUSH」で描かれた70年代とは違って、無線で戦術まで含めて会話できる現代の物語。台詞もしっかりあるし、スタッフとのコミュニケーションも描くことができる。そこは見せ方が大きく違う。
カーレースの映画に似合うのはロック。本作では冒頭からLed ZeppelinのWhole Lotta Love、RattのRound & Round。映画館の暗闇でヘドバンする私😆。レース前に盛り上げてくれるのが、QueenのWe Will Rock You。ジョセフ・コシンスキー監督は「オブリビオン」でもクラシックロックを上手に使っていた。だが、映画後半はハンス・ジマーの劇伴中心に切り替える。カーレース映画だが会話劇でもあるので、過剰に歌ものを使うのはよろしくない。そこを心得た上手い演出。「ドリブン」は歌ものを流しすぎて台詞が入ってこなかったし、「デイズ・オブ・サンダー」はいい曲を使いすぎでもはやMTVだったし。
だが何よりもこの映画が見事なのは、流れ者の主人公がチームの成功をもたらすヒーロー像。通りすがりのスゴ腕ガンマンが、恐怖に怯える町の人々のために活躍する西部劇みたいなものだ。チームの成功を背にサーキットを去るラストと、その後も様々な場面でハンドルを離さないソニー。それは現役にこだわり続けるスポーツ選手のようでもある。若い世代を熱狂されるだけでなく、僕らおっさん世代を元気づけてくれる映画でもある。
同じジョセフ・コシンスキー監督の「マーヴェリック」と同様に、ベテランが鼻息の荒い若者に経験に基づいた実力を見せつけてる物語。主人公ソニーは、90年代にセナやプロストと競ってきたレーサーという設定。新人レーサーのJPが最新のトレーニング機器で身体を鍛える一方、地道なランニングやトレーニングでレースに備えるソニー。スクリーンのこっち側のおっさん達は、きっと「ロッキー4」のトレーニング場面を思い出す。突然加わったソニーのレース運びと戦略にチームも困惑を隠せない。
レースの進行を妨害するようなギリギリの行為を繰り返すが、これが上位との差を縮めてJPの順位を上げる作戦。ピットからでるタイミングで先行車の邪魔をするなど、新人JPを前に出すためのあの手この手。ダーティなやり口にも見えるが、これが見事に的中してチームの信頼を次第に固めていく様子がいい。テクノロジーと野生の勘みたいな対比が面白いが、それが成功に結びついていく様子が楽しい。そして後半ではJPとの見事なコンビネーションを見せる。
「RUSH/プライドと友情」でも触れたがレース映画はほんっとに難しい。有名スターをキャスティングしても、ヘルメット越しでは表情もうまく観客に伝えられないし、台詞も独りよがり。だが「RUSH」で描かれた70年代とは違って、無線で戦術まで含めて会話できる現代の物語。台詞もしっかりあるし、スタッフとのコミュニケーションも描くことができる。そこは見せ方が大きく違う。
カーレースの映画に似合うのはロック。本作では冒頭からLed ZeppelinのWhole Lotta Love、RattのRound & Round。映画館の暗闇でヘドバンする私😆。レース前に盛り上げてくれるのが、QueenのWe Will Rock You。ジョセフ・コシンスキー監督は「オブリビオン」でもクラシックロックを上手に使っていた。だが、映画後半はハンス・ジマーの劇伴中心に切り替える。カーレース映画だが会話劇でもあるので、過剰に歌ものを使うのはよろしくない。そこを心得た上手い演出。「ドリブン」は歌ものを流しすぎて台詞が入ってこなかったし、「デイズ・オブ・サンダー」はいい曲を使いすぎでもはやMTVだったし。
だが何よりもこの映画が見事なのは、流れ者の主人公がチームの成功をもたらすヒーロー像。通りすがりのスゴ腕ガンマンが、恐怖に怯える町の人々のために活躍する西部劇みたいなものだ。チームの成功を背にサーキットを去るラストと、その後も様々な場面でハンドルを離さないソニー。それは現役にこだわり続けるスポーツ選手のようでもある。若い世代を熱狂されるだけでなく、僕らおっさん世代を元気づけてくれる映画でもある。