Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

宇宙戦艦ヤマト2202 第5章 煉獄編

2018-05-27 | 映画(あ行)

■「宇宙戦艦ヤマト2202 第5章 煉獄編」(2018年・日本)

監督=羽原信義
声の出演=小野大輔 桑島法子 神谷浩史 山寺宏一

第5章「煉獄編」劇場上映に参戦。
お話もいよいよクライマックスが迫るだけに、
これまで謎だった部分がどんどん解き明かされて、物語が収束に向かっていくから目が離せない。

前半に描かれるガミラス側のドラマがとてもヘヴィー。
前作「2199」シリーズでは徹底して悪党として描かれてきたデスラー総統だが、
その裏側で彼が抱えてきたもの。
多少のツッコミどころは感じながらも、
そうだったのか!と納得してしまうオリジナルのヤマト世代。
そういえば劇場には一人を除いて中高年の男性ばっかり(笑)。

そしていよいよガトランティスが太陽系に迫り、土星を舞台にした艦隊戦。
昔の手書きセルではここまでできなかっただろうと驚かされる圧倒的な物量と迫力に感激。
どこまでも続く艦隊の列、それがガトランティス側だけかと思ったら、地球艦隊がまたすごい。
新造艦アンドロメダの雄姿に惚れ惚れ。
オリジナルと違って拡散波動砲でないことに、そうあるべきだ!と思い、ちょっと嬉しいWW

そして彗星帝国の核に迫る。
思い出されるのは、オリジナル「さらば宇宙戦艦ヤマト」で彗星の渦がとれてあの巨大戦艦が出てきたときの絶望感。
今回の造形と設定は、ガトランティスの冷徹さを一見して感じとれる見事なデザインだ。

そして衝撃のラストに言葉を失う。

羽原信義監督は、「蒼穹のファフナー」でも絶望的な状況とそれに立ち向かう人間を描いてきた人。
今回の第5章は、生きること、生命の重さを考えさせられる。第6章以降をどう見せてくれるのか。
11月の劇場公開がもう待ちきれない。



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劇場版ソードアート・オンライン オーディナル・スケール

2018-05-19 | 映画(さ行)

■「劇場版ソードアート・オンライン オーディナル・スケール」(2017年・日本)

監督=伊藤智彦
声の出演=松岡禎丞 戸松遥 神田沙也加

「ソードアート・オンライン」のシリーズが素晴らしいのは、
VRゲームの中で主人公が活躍することだけでなく、きちんとリアルが描けていることだ。
僕らは誰もがみんな、現実世界で大なり小なり何かと戦って日々を生きている。
非現実での活躍を見せるだけの作品なら、ただの逃避でしかない。
某ハリウッド映画みたいに夢のような世界から帰ってしまいたくない、という依存を生み出すだけだ。
川原礫のライトノベル作品は、「SAO」にしても「アクセルワールド」にしても
現実から逃げない強さを僕らに訴えかけてくる。
その絶妙なバランスがあってこそ、作品は深みを増す。
「マトリックス」「レディプレイヤー1」が映画ファンに愛されているのと通ずるものだ。

もちろんアニメの劇場版は単独の映画として観るのは厳しい。
所詮はファンサービスだ。本作はまさにファン向けサービスてんこ盛りの番外編。
これまでシリーズの舞台となった電脳世界にフルダイブするVRではなく、
現実と電脳世界が重なるAR(拡張現実)を使ったゲームが舞台となる。
覚醒状態で使用できるウェアラブルデバイス"オーグマー"の技術を使ったゲームが人気となる。
ところがイベントが行われるたびに隠れた事件が起こっていた。
犠牲になったのはSAOサバイバー。
かつて開発者がVRゲーム「SAO」に仕掛けた、
誰かがクリアしなければユーザー全員がゲームオーバー=現実の死となる、
ログアウト不能の過酷な状況から生還した者たちだ。
新たなARゲームの影に隠された陰謀に気づいた主人公キリトは、その悪に仲間と共に立ち向かう。

ストーリー上当然ながら、テレビシリーズ以上に現実で困難に挑む様が描かれる。
それだけに人間ドラマが面白い。
黒幕が陰謀に託した思い、ゲーム内に出てくるバーチャルアイドル(神田沙也加グッジョブ!)、
突然現れる謎の少女、そして大人の世界の複雑な事情。
シリーズファンにはヒロイン、アスナとの仲がどう進んでいくのかが重要なポイント。
またゲームを通じて協力しあえる個性豊かな仲間の存在もまた、この作品の楽しみでもある。
そう、現実でもバーチャルでも人と人のつながりは大切なもの。
クライマックスのバトルシーンは、テレビ版からのファン感涙のオールスターキャスト。
エンドクレジットで流れるLisaの歌声まで高揚感で満たされる。

あー、お腹いっぱい。

2017年全国ロードショー「劇場版 ソードアートオンライン -オーディナル・スケール-」特報第1弾


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斉藤和義LIVE TOUR 2018 "Toys Blood Music"

2018-05-17 | 音楽


斉藤和義のライブに職場の仲良しと行って来た。
ツアーに先駆けて発表された新作「Toys Blood Music」は、
ドラムマシンやビンテージシンセを使ってセルフレコーディングした作品。
一昨年のライブは、シンプルなバンドサウンドだったが、
今回は同期ものを扱うマニピュレーターもいて、
ステージにはデジタルドラムのセットやアナログシンセが据えられている。

同期ものが多いだけにダンサブルな曲のお遊びもあって、
じっくり聴かせて、楽しませてくれるライブ。
ミラーボールが光り始めて、
踊れるバスドラの四分打ちが流れると身体が条件反射するディスコ世代なのだが(汗)、
まさか斉藤和義のライブで80年代のあの曲を踊ることになるとは!(嬉)

社会派の曲もあるけれど、
全体としてはパーソナルなテーマが歌われた新作を、きっちり再現する一方、
旧作からは「僕の踵はなかなか減らない」や「I Love Me」など
激しくギターをかき鳴らす楽曲が目立つ。
オレもエレアコあんな風に弾きたい!

また「いたいけな秋」「月光」は
25周年を迎える自分自身を振り返る為の選曲のように感じられて、グッときた。
特に、歴史に名を残したアーティストが何歳で亡くなり、何を残したか、
自分はそこに追いついているのか?と歌う「いたいけな秋」。

同世代として共感できる楽曲を、叫ぶような歌声を、生で聴けたことはとても嬉しかった。





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ビューティー・インサイド

2018-05-13 | 映画(は行)

■「ビューティー・インサイド/The Beauty Inside」(2015年・韓国)

監督=ペク
主演=ハン・ヒョジュ 上野樹里 キム・デミョン ユ・ヨンソク

主人公ウジンは目覚める度に姿が変わってしまう。それは性別も年齢も問わず、外国人にさえなる。
理解者は幼馴染の友人だけ。人前に出ることなく、家具職人として仕事をしていた。
そんな彼が家具店で働く美女イスと出会い、たちまち一目惚れ。
しかし毎日姿が変わる自分がどう接していいのか悩み、イケメンの姿になった日に意を決してデートに誘う。
デートはうまくいったものの、真実をどう打ち明けるべきか悩みは尽きない。
そしてある日イスに全てを打ち明けるが、それは彼女を混乱させることになってしまう。
そして二人の愛の行方は・・・。

複雑な人物設定と上野樹里を含む123人の役者が主人公ウジンを演ずると聞いた時、
そんなの映画の絵的にも無理やん!と思い、公開当時敬遠していた。
しかし、いざ観てみると複雑な設定を映画冒頭ですんなりと観る側に受け入れさせてしまう。
そして他の映画では見られない突飛な設定は時に笑いを誘い、時にハラハラさせ、切なくさせる。
巧いよなぁ。

変わることと変わらないこと。
銀幕のこっち側の僕らは、ウジンの見た目が変わっていくことを現実的に捉えて映画を観てしまう。
社会生活をどうするの?
何かあっても彼だとわからないだろう?
そんな僕らの心配は物語の途中、ヒロインを不安に陥れる。
しかし、内面の変わらないウジンを愛し続けようと懸命なるヒロインの一途さに涙を誘われる。
一方でウジン自身も現実を考えて、イスに愛され続けられるべき存在なのかに悩む姿は僕らまで切なくさせる。

木が船や家具やギターに形を変えても、木としての良さを持ち続けると言う台詞が加わることで、
僕らは"変わらないこと"の尊さを気づかされる。
映画も終わりに近づいた頃、
ヒロインが父親と「母さんは死んだ時のままなんだよ」と語り合う場面も
"変わらないこと"に通ずる挿話。
日々変わり続けているのはむしろ僕らの方だし、
人は見た目じゃないとはよく言うけれど、様々なことに捉われてしまうのは僕らの弱さなんだろう。
迎えたラストシーンで二人が選ぶ結論は、愛し続けるという"変わらない"強さを持つことなんだ。
ほんとにいい脚本。

ドラマ「トンイ」で気丈なヒロインを演じて以来、ハン・ヒョジュは僕のお気に入り韓国女優の一人。
劇中何度も流れるアマポーラの美しいメロディにも泣かされる。

映画『ビューティー・インサイド』日本オリジナル予告編


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スターウォーズ エピソード3 シスの復讐

2018-05-10 | 映画(さ行)

■「スターウォーズ エピソード3 シスの復讐/Starwars Episode lll : Revenge Of The Sith」(2005年・アメリカ)

監督=ジョージ・ルーカス
主演=ユアン・マクレガー ナタリー・ポートマン ヘイデン・クリステンセン

 1977年の第1作(エピソード4)公開から28年。あのとき10歳だった少年は、宇宙の闇へと遠ざかっていく文字と共にそのまま銀幕の世界に引き込まれ、こんな文章を書くような輩になっちまった。そしてそこに詰め込まれた数々の映画の醍醐味をもっともっと理解したいと思うようになり、他の様々な映画にも目が向くようになった。そして様々な映画を通じて得た感動や知識が、世界を広げてくれたし、時に僕を勇気づけてくれさえした。「スターウォーズ」がこの世に登場しなかったら、きっと今の僕はないと思うのだ。それは間違いない。ありがとう。劇場の暗闇でエンドクレジットを見つめながら、ひとつの時代が終わったような喪失感にひたっていた。しかし映画ほど素敵なショーはない、そしてこれからもショーは続く。

 いろんなSF映画が銀幕を飾ってきたけど、どうして「スターウォーズ」だけは別格なんだろう。オープニングの戦闘機の宇宙戦の圧倒的な物量や、巨大船のスケール感を見るだけでもそう思ってしまう。今回のエピソード3は、「ファントム・メナス」からの3部作の最終章。エピソード4につながる様々な謎が明らかになるのにはやはり興奮させられる。前2作と比べると格段にスケールアップしており、しかもドラマティック。アナキンが道を踏み外すのは思ったよりも呆気なかったが、そこからのドラマが素晴らしい。前2作はルーカスが技術に溺れて製作したような感じすらあったのだけど、今回はドラマ部分に重きが置かれているだけに見応えは一番。特にラストのアナキンとオビワンの死闘、パルパティーンとヨーダの対決は圧巻だ。ライトセーバーの群衆チャンバラだった「エピソード2」と違い、登場人物それぞれの思いがそこに込められているから、アクションシーンが胸に迫ってくる。アクションシーンで泣ける、そんな映画が他にあるかい?そこが根底から違う。

 今回の3部作はルーカス自身の脚本であり、協力者はいない。エピソード4~6ではローレンス・カスダンが協力しており、ひとつひとつの台詞がよく練られているように思う。エピソード2でも思ったが、どうしても台詞が直球なのね。銀河を揺るがす恋のはずが「愛してる、愛してる」の羅列では深みがない。エピソード3もやはり直球な台詞の応酬だけど、登場人物の思いが極限まで高まっている状況だからそれが妙に感動的に聞こえる。「”選ばれし者”だったのに!弟のように愛していたのに!」と叫ぶオビワンに目頭が熱くなった。ナタリー・ポートマンの台詞「拍手の中で民主主義が崩壊した」が、ブッシュ政権批判?と話題になったがこれだってかなり直球。登場人物が言うべき台詞とも思えなかったけど。ダースベイダーのマスクが着けられる場面。最初の呼吸音が場内に響いた瞬間、背筋がゾクッ!とした。そしてタトウィーンの夕陽を再び見たとき一気に涙腺がゆるみそうになった。ありがとう、「スターウォーズ」。エンドクレジットのジョン・ウィリアムスの音楽が終わるまで席を立つべからず。感慨にふける人々がそこにはたくさんいるのだから。

(2005年筆)



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ベルサイユのばら

2018-05-09 | 映画(は行)

■「ベルサイユのばら/Lady Oscar」(1979年・日本=フランス)

監督=ジャック・ドゥミ
主演=カトリオーナ・マッコール バリー・ストークス クリスティーナ・ボーム

TSUTAYAの発掘良品で実写版「ベルサイユのばら」を観た。
1979年に日本が10億円の製作費で、オール外国人スタッフ、ベルサイユ宮殿ロケを敢行。
しかも「シェルブールの雨傘」のジャック・ドゥミ監督、製作アニエス・ヴァルダ、
音楽はミシェル・ルグランと超一流。
当時中坊だった僕も、なーんとなく世間で話題になっていた映画として記憶していた。

池田理代子の原作はかじった程度の僕なので、素直にひとつの映画として観られたかも。
オスカルが男子として育てられることになる冒頭の語り口は説明くさくなく、実にスマートで好印象。
しかし、ストーリーが進むに連れて、駆け足気味で情感や深みが乏しくなっていく感は否めない。
ドゥミ監督の過去の名作たちを念頭に置くと、ちと残念な印象。

原作と違う!と不評を買ったらしいクライマックス。
革命当日のベルサイユの様子をワンカットで見せ、
バスチーユ襲撃成功の歓喜の中で主人公だけが絶望している対比の切なさ。
それはそれで巧いなぁと思うのだけど、
観る側が映画に求めてるものが何かで印象はガラッと変わってしまうのだな。

オスカルを演じたカトリオーナ・マッコールがとにかくお綺麗。
軍服姿の凛々しさはもちろん、
女性の自分を鏡に映す場面、
フェルゼンに近づくためにドレスを着て舞踏会に行く場面のハッとする美しさ。
脇役に「ラ・ブーム2」のランベール・ウィルソン。
子供の頃のオスカルを演じたのは、後にエイスワンダーのボーカルとして活躍する、子役時代のパッツィ・ケンジット。

ベルサイユのばら PV



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