Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakが、日々気になる音楽・映画・家族の出来事を記す雑記帳

劇場版ソードアート・オンライン オーディナル・スケール

2018-05-19 | 映画(さ行)

■「劇場版ソードアート・オンライン オーディナル・スケール」(2017年・日本)

監督=伊藤智彦
声の出演=松岡禎丞 戸松遥 神田沙也加

「ソードアート・オンライン」のシリーズが素晴らしいのは、
VRゲームの中で主人公が活躍することだけでなく、きちんとリアルが描けていることだ。
僕らは誰もがみんな、現実世界で大なり小なり何かと戦って日々を生きている。
非現実での活躍を見せるだけの作品なら、ただの逃避でしかない。
某ハリウッド映画みたいに夢のような世界から帰ってしまいたくない、という依存を生み出すだけだ。
川原礫のライトノベル作品は、「SAO」にしても「アクセルワールド」にしても
現実から逃げない強さを僕らに訴えかけてくる。
その絶妙なバランスがあってこそ、作品は深みを増す。
「マトリックス」「レディプレイヤー1」が映画ファンに愛されているのと通ずるものだ。

もちろんアニメの劇場版は単独の映画として観るのは厳しい。
所詮はファンサービスだ。本作はまさにファン向けサービスてんこ盛りの番外編。
これまでシリーズの舞台となった電脳世界にフルダイブするVRではなく、
現実と電脳世界が重なるAR(拡張現実)を使ったゲームが舞台となる。
覚醒状態で使用できるウェアラブルデバイス"オーグマー"の技術を使ったゲームが人気となる。
ところがイベントが行われるたびに隠れた事件が起こっていた。
犠牲になったのはSAOサバイバー。
かつて開発者がVRゲーム「SAO」に仕掛けた、
誰かがクリアしなければユーザー全員がゲームオーバー=現実の死となる、
ログアウト不能の過酷な状況から生還した者たちだ。
新たなARゲームの影に隠された陰謀に気づいた主人公キリトは、その悪に仲間と共に立ち向かう。

ストーリー上当然ながら、テレビシリーズ以上に現実で困難に挑む様が描かれる。
それだけに人間ドラマが面白い。
黒幕が陰謀に託した思い、ゲーム内に出てくるバーチャルアイドル(神田沙也加グッジョブ!)、
突然現れる謎の少女、そして大人の世界の複雑な事情。
シリーズファンにはヒロイン、アスナとの仲がどう進んでいくのかが重要なポイント。
またゲームを通じて協力しあえる個性豊かな仲間の存在もまた、この作品の楽しみでもある。
そう、現実でもバーチャルでも人と人のつながりは大切なもの。
クライマックスのバトルシーンは、テレビ版からのファン感涙のオールスターキャスト。
エンドクレジットで流れるLisaの歌声まで高揚感で満たされる。

あー、お腹いっぱい。

2017年全国ロードショー「劇場版 ソードアートオンライン -オーディナル・スケール-」特報第1弾


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斉藤和義LIVE TOUR 2018 "Toys Blood Music"

2018-05-17 | 音楽


斉藤和義のライブに職場の仲良しと行って来た。
ツアーに先駆けて発表された新作「Toys Blood Music」は、
ドラムマシンやビンテージシンセを使ってセルフレコーディングした作品。
一昨年のライブは、シンプルなバンドサウンドだったが、
今回は同期ものを扱うマニピュレーターもいて、
ステージにはデジタルドラムのセットやアナログシンセが据えられている。

同期ものが多いだけにダンサブルな曲のお遊びもあって、
じっくり聴かせて、楽しませてくれるライブ。
ミラーボールが光り始めて、
踊れるバスドラの四分打ちが流れると身体が条件反射するディスコ世代なのだが(汗)、
まさか斉藤和義のライブで80年代のあの曲を踊ることになるとは!(嬉)

社会派の曲もあるけれど、
全体としてはパーソナルなテーマが歌われた新作を、きっちり再現する一方、
旧作からは「僕の踵はなかなか減らない」や「I Love Me」など
激しくギターをかき鳴らす楽曲が目立つ。
オレもエレアコあんな風に弾きたい!

また「いたいけな秋」「月光」は
25周年を迎える自分自身を振り返る為の選曲のように感じられて、グッときた。
特に、歴史に名を残したアーティストが何歳で亡くなり、何を残したか、
自分はそこに追いついているのか?と歌う「いたいけな秋」。

同世代として共感できる楽曲を、叫ぶような歌声を、生で聴けたことはとても嬉しかった。

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ビューティー・インサイド

2018-05-13 | 映画(は行)

■「ビューティー・インサイド/The Beauty Inside」(2015年・韓国)

監督=ペク
主演=ハン・ヒョジュ 上野樹里 キム・デミョン ユ・ヨンソク

主人公ウジンは目覚める度に姿が変わってしまう。それは性別も年齢も問わず、外国人にさえなる。
理解者は幼馴染の友人だけ。人前に出ることなく、家具職人として仕事をしていた。
そんな彼が家具店で働く美女イスと出会い、たちまち一目惚れ。
しかし毎日姿が変わる自分がどう接していいのか悩み、イケメンの姿になった日に意を決してデートに誘う。
デートはうまくいったものの、真実をどう打ち明けるべきか悩みは尽きない。
そしてある日イスに全てを打ち明けるが、それは彼女を混乱させることになってしまう。
そして二人の愛の行方は・・・。

複雑な人物設定と上野樹里を含む123人の役者が主人公ウジンを演ずると聞いた時、
そんなの映画の絵的にも無理やん!と思い、公開当時敬遠していた。
しかし、いざ観てみると複雑な設定を映画冒頭ですんなりと観る側に受け入れさせてしまう。
そして他の映画では見られない突飛な設定は時に笑いを誘い、時にハラハラさせ、切なくさせる。
巧いよなぁ。

変わることと変わらないこと。
銀幕のこっち側の僕らは、ウジンの見た目が変わっていくことを現実的に捉えて映画を観てしまう。
社会生活をどうするの?
何かあっても彼だとわからないだろう?
そんな僕らの心配は物語の途中、ヒロインを不安に陥れる。
しかし、内面の変わらないウジンを愛し続けようと懸命なるヒロインの一途さに涙を誘われる。
一方でウジン自身も現実を考えて、イスに愛され続けられるべき存在なのかに悩む姿は僕らまで切なくさせる。

木が船や家具やギターに形を変えても、木としての良さを持ち続けると言う台詞が加わることで、
僕らは"変わらないこと"の尊さを気づかされる。
映画も終わりに近づいた頃、
ヒロインが父親と「母さんは死んだ時のままなんだよ」と語り合う場面も
"変わらないこと"に通ずる挿話。
日々変わり続けているのはむしろ僕らの方だし、
人は見た目じゃないとはよく言うけれど、様々なことに捉われてしまうのは僕らの弱さなんだろう。
迎えたラストシーンで二人が選ぶ結論は、愛し続けるという"変わらない"強さを持つことなんだ。
ほんとにいい脚本。

ドラマ「トンイ」で気丈なヒロインを演じて以来、ハン・ヒョジュは僕のお気に入り韓国女優の一人。
劇中何度も流れるアマポーラの美しいメロディにも泣かされる。

映画『ビューティー・インサイド』日本オリジナル予告編


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スターウォーズ エピソード3 シスの復讐

2018-05-10 | 映画(さ行)

■「スターウォーズ エピソード3 シスの復讐/Starwars Episode lll : Revenge Of The Sith」(2005年・アメリカ)

監督=ジョージ・ルーカス
主演=ユアン・マクレガー ナタリー・ポートマン ヘイデン・クリステンセン

 1977年の第1作(エピソード4)公開から28年。あのとき10歳だった少年は、宇宙の闇へと遠ざかっていく文字と共にそのまま銀幕の世界に引き込まれ、こんな文章を書くような輩になっちまった。そしてそこに詰め込まれた数々の映画の醍醐味をもっともっと理解したいと思うようになり、他の様々な映画にも目が向くようになった。そして様々な映画を通じて得た感動や知識が、世界を広げてくれたし、時に僕を勇気づけてくれさえした。「スターウォーズ」がこの世に登場しなかったら、きっと今の僕はないと思うのだ。それは間違いない。ありがとう。劇場の暗闇でエンドクレジットを見つめながら、ひとつの時代が終わったような喪失感にひたっていた。しかし映画ほど素敵なショーはない、そしてこれからもショーは続く。

 いろんなSF映画が銀幕を飾ってきたけど、どうして「スターウォーズ」だけは別格なんだろう。オープニングの戦闘機の宇宙戦の圧倒的な物量や、巨大船のスケール感を見るだけでもそう思ってしまう。今回のエピソード3は、「ファントム・メナス」からの3部作の最終章。エピソード4につながる様々な謎が明らかになるのにはやはり興奮させられる。前2作と比べると格段にスケールアップしており、しかもドラマティック。アナキンが道を踏み外すのは思ったよりも呆気なかったが、そこからのドラマが素晴らしい。前2作はルーカスが技術に溺れて製作したような感じすらあったのだけど、今回はドラマ部分に重きが置かれているだけに見応えは一番。特にラストのアナキンとオビワンの死闘、パルパティーンとヨーダの対決は圧巻だ。ライトセーバーの群衆チャンバラだった「エピソード2」と違い、登場人物それぞれの思いがそこに込められているから、アクションシーンが胸に迫ってくる。アクションシーンで泣ける、そんな映画が他にあるかい?そこが根底から違う。

 今回の3部作はルーカス自身の脚本であり、協力者はいない。エピソード4~6ではローレンス・カスダンが協力しており、ひとつひとつの台詞がよく練られているように思う。エピソード2でも思ったが、どうしても台詞が直球なのね。銀河を揺るがす恋のはずが「愛してる、愛してる」の羅列では深みがない。エピソード3もやはり直球な台詞の応酬だけど、登場人物の思いが極限まで高まっている状況だからそれが妙に感動的に聞こえる。「”選ばれし者”だったのに!弟のように愛していたのに!」と叫ぶオビワンに目頭が熱くなった。ナタリー・ポートマンの台詞「拍手の中で民主主義が崩壊した」が、ブッシュ政権批判?と話題になったがこれだってかなり直球。登場人物が言うべき台詞とも思えなかったけど。ダースベイダーのマスクが着けられる場面。最初の呼吸音が場内に響いた瞬間、背筋がゾクッ!とした。そしてタトウィーンの夕陽を再び見たとき一気に涙腺がゆるみそうになった。ありがとう、「スターウォーズ」。エンドクレジットのジョン・ウィリアムスの音楽が終わるまで席を立つべからず。感慨にふける人々がそこにはたくさんいるのだから。

(2005年筆)

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ベルサイユのばら

2018-05-09 | 映画(は行)

■「ベルサイユのばら/Lady Oscar」(1979年・日本=フランス)

監督=ジャック・ドゥミ
主演=カトリオーナ・マッコール バリー・ストークス クリスティーナ・ボーム

TSUTAYAの発掘良品で実写版「ベルサイユのばら」を観た。
1979年に日本が10億円の製作費で、オール外国人スタッフ、ベルサイユ宮殿ロケを敢行。
しかも「シェルブールの雨傘」のジャック・ドゥミ監督、製作アニエス・ヴァルダ、
音楽はミシェル・ルグランと超一流。
当時中坊だった僕も、なーんとなく世間で話題になっていた映画として記憶していた。

池田理代子の原作はかじった程度の僕なので、素直にひとつの映画として観られたかも。
オスカルが男子として育てられることになる冒頭の語り口は説明くさくなく、実にスマートで好印象。
しかし、ストーリーが進むに連れて、駆け足気味で情感や深みが乏しくなっていく感は否めない。
ドゥミ監督の過去の名作たちを念頭に置くと、ちと残念な印象。

原作と違う!と不評を買ったらしいクライマックス。
革命当日のベルサイユの様子をワンカットで見せ、
バスチーユ襲撃成功の歓喜の中で主人公だけが絶望している対比の切なさ。
それはそれで巧いなぁと思うのだけど、
観る側が映画に求めてるものが何かで印象はガラッと変わってしまうのだな。

オスカルを演じたカトリオーナ・マッコールがとにかくお綺麗。
軍服姿の凛々しさはもちろん、
女性の自分を鏡に映す場面、
フェルゼンに近づくためにドレスを着て舞踏会に行く場面のハッとする美しさ。
脇役に「ラ・ブーム2」のランベール・ウィルソン。
子供の頃のオスカルを演じたのは、後にエイスワンダーのボーカルとして活躍する、子役時代のパッツィ・ケンジット。

ベルサイユのばら PV


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危険な関係

2018-04-30 | 映画(か行)

■「危険な関係/Les Liaisons Dangereuses 1960」(1959年・フランス)

監督=ロジェ・バディム
主演=ジェラール・フィリップ ジャンヌ・モロー ジャンヌ・ヴァレリー アネット・バディム ジャン・ルイ・トランティニャン

ずっと観たかったロジェ・バディム監督作「危険な関係」鑑賞。
ジェラール・フィリップ、ジャンヌ・モロー、アート・ブレイキーにセロニアス・モンク。
あまりに淫らなお話なので本国で上映禁止を喰らったという逸話が残るこの映画。
観終わってしばし放心状態。
この世にはまだこんなすげぇ映画があるんだ・・・感動とも衝撃とも違う快感。

外交官夫妻のバルモンとジュリエットは、お互いの情事を報告し合う奇妙な夫婦関係。
ジュリエットは愛人だった男性が18歳のセシルと結婚すると聞き、
バルモンにセシルを誘惑するように提案。
バルモンにとってセシルは従姉妹の娘なので、
抵抗を感じながらも彼女を追ってスキーリゾート地メジェーブへ。
セシルに迫る一方で、彼は美しい人妻マリアンヌと出会い、惹かれていく。

バルモンが仕掛ける恋の駆け引きだけでも十二分にスリリングなのに、
ジュリエットが彼に次々にアドバイスや口添えをし、さらには行動を急き立てるから、
先がどうなるのかハラハラする。
しかもセシルの本命彼氏である学生ダンスニの存在が、登場する男女関係をますます複雑にする。
なかなかおとせない貞淑なマリアンヌに心が傾いていくバルモンに、
ジュリエットが関係の清算を急がせたことから、物語はとんでもない悲劇的な結末へ。

フェチで脚線を舐めるようなカメラワーク、
女性をどう撮ったら美しいのかを知り尽くしたようなバディムの演出。
椅子の背から撮ったラブシーンなど絵になる場面の連続。
全編に流れるジャズ。
ダンディなジェラール・フィリップも素晴らしいが、
それ以上に後半のジャンヌ・モローの怖さが強く印象に残る。
この映画を美しいリマスター版で観る機会に恵まれたことを、映画の神様に感謝。

大傑作。

映画『危険な関係』4Kデジタル・リマスター版 予告編


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君の名前で僕を呼んで

2018-04-29 | 映画(か行)

■「君の名前で僕を呼んで/Call Me By Your Name」(2017年・イタリア=フランス=ブラジル=アメリカ)

●2017年アカデミー賞 脚色賞
●2017年LA批評家協会賞 作品賞・男優賞・監督賞

監督=ルカ・グァダニーノ
主演=ティモシー・シャラメ アーミー・ハマー マイケル・スタールバーグ アミラ・カサール


「モーリス」のジェームズ・アイボリーが脚本、秀作「ミラノ、愛に生きる」のルカ・グァダニーノが監督。
アイボリー翁が史上最年長でオスカー受賞したし、LGBT映画にハズレなし!が持論の友達のお勧めもあり鑑賞。

主人公エリオは17歳。
イタリアの避暑地で過ごす1983年の夏、大学教授の父を手伝う為に大学院生オリバーがやってきた。
最初はオリバーの物言いが気に障っていたエリオだったが、
一緒に過ごすうちに、彼に対する憧れが次第に恋心へと変わっていき、二人はやがて密かな恋に落ちていく。

映像の美しさ、散りばめられた音楽との調和が見事。
男子二人のラブシーンは撮り方が巧みでいやらしさは全く感じない。
いや、むしろ人と人が肌と心を合わせる瞬間のときめきや、心地よさが伝わってくる気がした。
その分、後半の展開が実に切なくて。
そうか、晩年を迎えたジェームズ・アイボリーが撮りたかったのはこういう愛の姿なのだ。
一部のシーンがちょっと生々しいのだが、そこまで表現できたのも、
LGBTへの理解が「モーリス」を撮った80年代とは違う今だからこそ。

そして、映画はさらにグァダニーノ監督が撮ったことで、
家族を描かせたら天下一品のイタリア映画の伝統が織り込まれる。
二人のその後が描かれるクライマックス、
この映画は単なる男子二人の恋愛映画ではなく、家族愛が貫かれた映画だと思い知らされる。
残酷なまでに長回しのラストシーンが残す余韻。こんなエンドクレジットの使い方はなかなかない。
これは、アイボリーらしさと、イタリア映画伝統の家族愛が沁みる見事なコラボレーション。

「フラッシュダンス」で使われていたジョー・エスポジトのLady, Lady, Ladyや、
サイケデリックファーズのLove My Wayなど80年代の楽曲が懐かしい。
坂本龍一のピアノ曲など、音楽の使われ方もナイス。

『君の名前で僕を呼んで』日本語字幕予告編


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レディ・プレイヤー1

2018-04-22 | 映画(ら行)

■「レディ・プレイヤー1/Ready Player 1」(2018年・アメリカ)

監督=スティーブン・スピルバーグ
主演=タイ・シェリダン オリヴィア・クック ベン・メンデルソーン サイモン・ペッグ

スピルバーグ監督が、VRをネタに遊びまくったド派手なエンターテイメント作品
「レディ・プレーヤー1」を試写会で鑑賞。
ゲームやサブカルチャーをてんこ盛りにして若い客層に媚びたのだ・・・という邪推もできるのだけど、
「いやいや、オレにだってこんな映画撮れるんだよ」
というスピルバーグの余裕(ってか自慢?)だと僕には感じられた。
数々のアニメやゲームの引用は確かに楽しい。
メカゴジラ機竜やらRX78-2、「AKIRA」のバイク・・・ニッポン万歳WW

ただね。多くの人が楽しむVRゲームの中で起こった事件が
リアルを巻き込んだ騒動に発展する事情にどうも現実味がない。
似たような設定なら
生活の管理までコンピュータに頼った社会とその危うさを描いていた
「サマーウォーズ」の方がよっぽど説得力がある。
都合の良い展開も確かにあるしツッコミどころも満載。

だけどね、この映画には僕らを日々楽しませてくれるエンターテイメントへの愛と、
そんなエンタメを心の支えに毎日を不器用に生きている僕らへのメッセージがある。
ただのCG満載のお気楽映画にはしないからスピルバーグはやっぱりうまい。
映画ファンに向けてのお楽しみもある。
特にスタンリー・キューブリック監督作「シャイニング」の再現シーンの見事なこと!
デロリアンやマイケル・ジャクソンなど80年代カルチャーも楽しすぎる。
ジョン・ヒューズ監督作の名前が並ぶ粋な台詞、
そしてヴァン・ヘイレンで始まってツイステッド・シスター、
ホール&オーツで終わるサントラがもうたまらん♪

ここに盛り込まれた映画たちのルーツを
若い映画ファンが触れていくことにつながったら嬉しいな。

『レディ・プレイヤー1』日本版予告 (2018年)


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たかが世界の終わり

2018-04-09 | 映画(た行)

■「たかが世界の終わり/Juste La Fin Du Monde」(2016年・フランス=カナダ)

●2016年カンヌ映画祭 グランプリ
●2016年セザール賞 監督賞・主演男優賞・編集賞

監督=グザヴィエ・ドラン
主演=ギャスパー・ウリエル マリオン・コティヤール ヴァンサン・カッセル ナタリー・バイ レア・セドゥ

豪華キャストのフランス映画だけに、期待があったのだけど、ちょっと観ていて辛い映画でした。
死期が迫った若き主人公が、ずっと疎遠だった家族にそれを伝えに行くお話。
死が迫っている理由やそれまでの経緯は場面としてほぼ明確に語られず、
台詞から家族それぞれが主人公へ抱く思いを感じ取ることが求められる。
なかなか本題を切り出せないじれったい時間が淡々とすぎる中、
自分の思いを素直に伝えられない家族が口汚く罵りあうのは、
やはり観ていて辛い。

会話の行間を読むことで、お互いの寂しさは確かに滲んでくる。
歳の離れた妹からは「兄さんは才能もあるしすごい。でもそれは家族の役には立っていない。」と言われ、
家族を支え続けた兄からは嫌味のような悪口雑言。
それは寂しさの裏返しなのだが、
こういう言い方しかできない不器用かがまた寂しくなってくる。
でも、この映画を自分自身に置き換えてみると、
社会人になってこれまで、家族に貢献できたことって何かあっただろうか、と考えさせられもする。
その思いがまた映画を切なくさせる。

突然音楽がドーンと前面に出て映像美を見せつけてくるのは監督のセンスを感じるけど、
全体としては浮いている。
しかもよりによって「恋のマイアヒ」だけに、別な映像が脳裏をよぎっちゃってさ(笑)

『たかが世界の終わり』本予告



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ダンケルク

2018-03-16 | 映画(た行)

■「ダンケルク/Dunkirk」(2017年・イギリス=アメリカ=フランス)

●2017年アカデミー賞 音響賞・編集賞
●2017年LA批評家協会賞 編集賞

監督=クリストファー・ノーラン
主演=フィオン・ホワイトヘッド トム・グリン・カーニー ジャック・ロウデン ハリー・スタイルズ ケネス・ブラナー

クリストファー・ノーラン監督の作品には毎度驚かされる。独創的な発想とちょっと知性的なこだわりがいつも素敵だ。一方、インテリ臭くてわかりにくいから嫌い、という映画ファンもいるだろうが。時系列を逆走する出世作「メメント」や夢の多重構造「インセプション」。ハリウッドヒーローをストイックにしてしまった「バットマン」三部作。どれも既成のハリウッド映画のフォーマットをぶっ壊してきた。そんな彼が戦争映画を撮る・・・どんなだろう?と想像ができなかった。

結論。戦争映画なのに、ノーラン監督はステレオタイプの戦場を描く気が全くない。苦戦を強いられたダンケルクの史実はきちんと追いつつも、映画の視点はどこか客観視している。海岸で戦闘機の攻撃に右往左往する兵士達の脱出劇は、緊迫感はあるのだが、何故だろう「プライベート・ライアン」で感じた身が縮むような映像体験とは違う。映画の冒頭で主人公たちは無人の町を逃げ惑う姿は、迷宮に迷い込んだダークファンタジーみたい。海岸に追い詰められた多くの兵士たちは助けの船が来るまで並ぶだけの群衆に過ぎない。2機の戦闘機にしても群れから外れた存在。敵機とのドッグファイトも短く、いちばんハラハラさせられるのは燃料の残量だったりする。船の中に隠れた主人公たちが危機に陥る場面にしても、大スケールの戦争映画とは思えない小さな空間が舞台。うーん、どうも居心地が悪い。僕らがイメージする、敵と味方が対峙する戦場はほぼ出てこないのだ。でも姿が見えない敵と戦うのはとんでもない恐怖。この映画がIMAXシアター向けに製作されたのは、観客を主人公の近くに置いて体感させる為なのだ。うーん。計算尽くってことか。

そして時系列をぶち壊すが好きなノーラン監督は、ここでもそれをやらかす。戦闘機側のエピソードと、海岸の兵士たちの脱出劇はラストでこそ重なるのだが、決して同時進行しない。戦争映画を観る側は、登場人物がどうなるかだけでなく、作戦がうまくいくのか、戦果はあるのかを主人公の上官並みに気にしているはずだ。しかし、ノーラン監督は戦争映画なのに、わかりやすく戦況を時系列に描く気は全くないのだ。

もしかしたら、ノーラン監督は戦争映画に英雄はいらないと言っているのかな、とも思えた。兵士たちは、敵とではなく恐怖やどうしようもない状況と戦っているのだ。不時着した戦闘機からの脱出シーンは、ヒッチコックの「海外特派員」へのオマージュ。

映画『ダンケルク』日本版予告編 1


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