Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

2023年5月のプレイリスト

2023-05-31 | 今日のBGM

◆2023年5月のプレイリスト
2023年5月に聴いていた愛すべき31曲

1 Jazz a Gogo(France Gall)
クールな演奏にきゃわゆいスキャット、最高。
2 アイワナムチュー(MAISONdes)
リメイク「うる星」楽曲中毒💧
3 Hello Mr. Monkey(Arabesque)
近頃長女が口づさんでいる。何故だ。
4 恋の瞬間(FLYING KIDS)
目と目が合う瞬間を/みんなずっと待ち焦がれてる♪
5 港からやってきた女(甲斐バンド)
凍りついた鴎たちよ歌っておくれ/ふり絞るようにブルースを歌っておくれ♪
6 ハルノオト(miwa)
アニメ「MIX」2期ED曲。思わせぶりな女の子とその掌で転がされる男の子の歌。あだち充の世界観😌
7 slash(yama)
アニメ「水星の魔女」2期OP曲。
8 淋しい熱帯魚(Claris)
Clarisはハーモニーもいいけど、ユニゾンのシンクロ率がハンパない。
9 ホウキ雲(Rhythm)
アニメ「焼きたて‼︎ジャぱん」OP曲。ハーモニーが美しいお気に入りの曲。
10 Sledgehammer(Peter Gabriel)
ある朝、無性に聴きたくなりまして。

11 Surrender To Me(Robin Zander & Ann Wilson)
リチャード・マークス作のラブバラード。
12 きっと青春が聞こえる(μ’s)
アニメED曲の方が不思議に好きになることが多いんだよなぁ。
13 Lido Shuffle(Boz Scaggs)
高校時代。大人の音楽ってカッコいいな、と憧れたボズ。
14 ラムのラブソング(Covered By 上坂すみれ)
リメイク版「うる星」1期最終回で流れたのに感動😭
15 Pure Hyper Mix(小室哲哉)
「二十歳の約束」サントラはお気に入り。
16 YOKOHAMA HONKY TONK BLUES(松田優作)
19歳の年、先輩のバンドのお手伝いで弾いた曲。今ならどんなふうに弾けるだろ。
17 The Long Goodbye(David Sanborn)
チャンドラーの小説と関係あるのかな。
18 世間知らず(忌野清志郎)
孤独を別な言葉にしたらきっとこの曲になるのだろう。
19 L'Homme à tête de chou(くたばれキャベツ野郎)(Serge Gainsbourg)
一つのリフと囁きだけなのにドラマティック。
20 Acceleration(True)
いつかライブを聴きたい歌姫。

21 空噪 Wired(Aimer)
カッコいいピアノのリフと肌感覚で伝わってくる歌詞。
22 After 5 Crash/Tokyo Tower/初恋/I'll Do My Best(角松敏生)
新作アルバム「Inherit The Life 2」の幕開けを飾るセルフカバーメドレー🤩
23 青い春と西の空(結束バンド)
世界は狭いなんて大きな嘘だ♪
24 おもかげ(milet、Aimer&幾田りら)
3人の歌姫コラボ。
25 Spiral Fall(米澤美玖)
待ち焦がれた新作🎷。ライブで聴きたいっ!
26 いとしのうなじ(The Square)
これ吹けたらカッコいいよなあ🎷
27 Siged Sealed Delivered(Phil Collins)
スティービー・ワンダーのカバー曲。
28 マルサの女(本多俊之)
5拍子に艶のあるソプラノサックス。
29 Hard Habit To Break(忘れ得ぬ君に)(Chicago)
この曲をリクエストしてラジオで告白する男子がいた。いいね👍
30 永遠のパスポート2014(TM Network)
本当のことは誰も知りたくはないさ♪

31 閃光(Alexandros)
カッコいいけどカラオケで歌うのハードル高そう💧








コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

未亡人ドナ・フロールの理想的再婚生活

2023-05-30 | 映画(ま行)

◼️「未亡人ドナ・フロールの理想的再婚生活/Dona Flor e Seus Dois Maridos」(1978年・ブラジル)

監督=ブルーノ・バレット
主演=ソニア・ブラガ ホセ・ウィルカー マウロ・メンドーサ

ブラジル製作の艶笑コメディ。ヒロイン、フロールの夫はカーニバルの夜に死んだ。夫はどうしようも無い遊び人だった。その後、フロールはやさしい男性と結婚したのだが、ひとつだけ不満があった。セックスである。悶々とした日々を送る彼女の前に、一周忌を迎える前夫の幽霊が現れた。しかも全裸で。彼女は再び夫と抱き合った。もうこの悦びを離したくない….。

ブードゥー教の呪文で消えかかる夫を呼び戻す場面が面白い。そして、3人並んで群衆の中に消えていくラストシーン(のお尻)は強烈なイメージとして記憶している。

ヒロインを演ずるのは、ブラジルの美人女優ソニア・ブラガ。この作品の後、ハリウッド資本の「蜘蛛女のキス」や「ミラグロ」などに出演。最近「ワンダー 君は太陽」に主人公の姉が悩みを相談するお婆ちゃん役で出演している。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブルース・リーの神話

2023-05-29 | 映画(は行)

◼️「ブルース・リーの神話/Bruce Lee:The Legend」(1984年・香港)

監督=レイモンド・チョウ
出演=ブルース・リー スティーブ・マックイーン ジェームズ・コバーン

ブルース・リーを扱ったドキュメンタリーやソックリさんを使った映画もたくさん製作された。この「ブルース・リーの神話」は、香港帰国後のブルースに深く関わっているレイモンド・チョウの手によるドキュメンタリー。それだけに、他の作品と違って事実だけが示されるし、憶測や噂を映像化してない。何よりも出てくる人々の言葉が率直で好感。

ブルースの生い立ち、子役時代の貴重な映像、人柄や私生活。「グリーン・ホーネット」でカトウ役を演ずる前、アメリカでのスクリーンテスト映像。「ドラゴン危機一発」や「怒りの鉄拳」のメイキング。ゴールデンハーベスト社のレイモンド・チョウだからこそ示せる映画撮影の舞台裏は興味深い。特に「死亡遊戯」製作に至るまでのエピソードが語られる場面、アクションの指導をする真顔のサモハン・キンポーを拝めることはたいへん価値がある。「死亡遊戯」本編で使われなかったカメラテストの格闘シーン。NGで見せる笑顔は、ブルースの人柄も伝わってくるようだ。

昔地上波で観た「ブルース・リー物語」はドラマ仕立て。巷で噂されていた腹上死まで一説とした上で映像化してたし、なんか怪しげなトレーニング機械が出てきてちょっと呆れた。「ブルース・リーの神話」はそんな作品とは違って、偉業を振り返り、ブルースを失った悲しみを確かめるには文句ない作品。そしてブルースが完成させたかった「死亡遊戯」を確かめたかったから、「Bruce Lee in G.O.D. 死亡的遊戯」を観るべし。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

007/黄金銃を持つ男

2023-05-27 | 映画(た行)

◼️「007/黄金銃を持つ男/The Man With The Golden Gun」(1974年・イギリス)

監督=ガイ・ハミルトン
主演=ロジャー・ムーア クリストファー・リー モード・アダムス ブリット・エクランド

ロジャー・ムーアのボンド第2作。原作者イアン・フレミングの従兄弟であるクリストファー・リーが悪役スカラマンガを演じる。

ボンド殺害予告と思われる黄金の銃弾がMI6に届く。一方で太陽光をエネルギーに変える装置ソレックス・アジテーターをめぐる事件にも関係していたボンド。マカオで謎多き富豪と接触するが、そこに殺し屋スカラマンガの陰が。意外と入り組んだストーリーなのだが、飽きさせないのはロジャー・ムーアのボンド映画特有のコミカルなテイストのせい。前作のペッパー保安官再登場やドジっ子スパイのメアリー・グッドナイトがストーリーをひっかき回すことになるし、ボートでの逃走シーンで現地の子供が絡んできたり、手に汗握るはずの場面をユーモラスにしてしまう。これはこれで楽しい。

ロジャー・ムーアのボンドってまず女性ありきの傾向あるけれど、今回は言い寄られることばかり。ドジっ子スパイのグッドナイトはボンドとイチャイチャしたいばっかり。スカラマンガの情婦アンダーソンも、ボンドの部屋を訪れてスカラマンガ殺害を頼む一方でボンドを誘惑するし。スカラマンガとの決闘こそが映画のクライマックスと思いきや、グッドナイト嬢の失敗から本当の危機が。あれがなかったら、あの施設が平和利用されてたかもしれないのに。クリーンエネルギーの利用が叫ばれる今観ると、なんとももったいなく感じてしまう。

この映画、改めて観ると鏡の使い方が凝っている。スカラマンガは、屋敷に現れる殺し屋との対決を楽しむために数々の仕掛けを用意しているのだが、相手がどこにいるのか混乱させるために鏡が多用されている。時代の流行に乗っかるのがこの時期のボンド映画。舞台は香港やマカオだし、この前年に製作された「燃えよドラゴン」の鏡の間を意識したのだろうか。ベッドシーンでも鏡の向こうから危機が迫るし、踊り子の楽屋でも大きな鏡が印象的だ。その鏡に一瞬撮影クルーが映り込んでいる演出ミスがある。探してみてね。







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

BODY/ボディ

2023-05-25 | 映画(は行)

◼️「BODY/ボディ/Body Of Evidence」(1992年・アメリカ)

監督=ウリ・エデル
主演=マドンナ ウィレム・デフォー ジョー・マンテーニャ アン・アーチャー

マドンナが主演したエロチックサスペンス。心臓の持病を抱える大富豪がセックスの最中に死亡。セックスを凶器とした殺人なのかが問われ、真相解明の舞台は法廷へ。スキャンダラスな本筋に、意外と正統派な法廷サスペンスが絡みつく異様な雰囲気の映画。確かにエロエロのドロドロなんだけど、予想以上にちゃんとサスペンスを楽しめた。

身体を張ったマドンナはもちろん見どころの一つ。その話題ばかりが先行していたけれど、テーマがテーマだけに無理もない。これを真顔で理屈こねて観る殿方は明らかに少数派だろ。

弁護士役のウィレム・デフォー、ユルゲン・プロホノフ、脇役にジュリアン・ムーア、と名の知れた顔が並ぶ。70年代にセクシー男優で名を馳せたフランク・ランジェラが同性愛者の老人役とは、なかなか大胆なキャスティング。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ローズ

2023-05-23 | 映画(ら行)

◼️「ローズ/The Rose」(1979年・アメリカ)

監督=マーク・ライデル
主演=ベット・ミドラー アラン・ベイツ フレデリック・フォレスト ハリー・ディーン・スタントン

確か中学生の頃、叔父に連れられてダスティン・ホフマン主演作を映画館で観た時だ。予告編の中で妙に印象に残る音楽映画があった。ベット・ミドラー主演の「ローズ」である。主題歌The Roseがヒットしていて、ラジオからよく流れていたから、特に印象に残ったんだと思う。ピアノと幾重にも重なるボーカルが感動的で、好きな曲だった。

映画の内容は深く知らなかったが、とにかく観てみたくって。うちの親は認めてくれなかった。映画はジャニス・ジョプリンをモデルにした女性歌手の物語で、ドラッグ、セックス、ロックンロールの世界だと聞いた。そりゃ親もいいよとは言わないよな。それ以後ずっと観たい映画の一つだった。

初めて観たのは社会人になってから。映画冒頭のWhose Side Are You On。ビートとかき鳴らすギター、高らかに響くホーンセクションに身体がじっとしていられない。ライブで聴衆に語りかける。
ブルースを聴いたのは生まれた時よ。
愛って素敵よね。
そしてWhen A Man Loves A Womanのイントロに流れ込む。なんてカッコいい。この場面最高😆。いろんなアーティストがこの曲を歌っているけど、この映画のベット・ミドラーが僕にとってはスタンダードだ。

ところが、話が進むにつれてヒロインに腹が立ってくる。いけ好かないヒロインの言動にイライラしながらも、圧倒的なライブシーン、マーク・ライデル監督のドラマティックな演出に引き込まれてしまう。クライマックスのライブ会場の空撮。ビルモス・ジグモンドのカメラに捉えられたステージの輝きに、「未知との遭遇」のマザーシップに匹敵する感激を味わった。

コンサートオープニングに流れて、楽器が増えて8小節ごとに盛り上がっていくインストロメンタルCamilla。この曲は後にレベッカがライブのオープニングで演奏していたっけ。NOKKOはジャニス好きだったから、そのつながりでの選曲なのかな。

疲労と薬物中毒、恋人にも去られて失意の中にあるヒロインが歌う、渾身のロッカバラードStay With Me。いけ好かない女と思っていたはずなのに、聴衆だけに素の自分を見せたような姿に心が震える。このクライマックスには力業でハートを掴まれた。しかし彼女にはもう聴衆にも現実にも向き合える力は残っていなかった。

かすれて呟くような声で歌うラスト。そこに重なる名曲The Rose。僕はこの曲の歌詞に何度か勇気づけられてきた。ジブリの「おもひでぽろぽろ」のエンドクレジットで流れた時、「ローズ」の記憶と重なって涙がにじんだ。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

TAR/ター

2023-05-21 | 映画(た行)

◼️「TAR/ター/Tar」(2022年・アメリカ)

監督=トッド・フィールド
主演=ケイト・ブランシェット ノエミ・メルラン ニーナ・ホス ジュリアン・グローヴァー

ここ数ヶ月公私共に忙しくて映画館にあまり行けなかった。鬱憤を晴らすべく40日ぶりの映画館詣に選んだのは、ケイト・ブランシェット姐御の新作「TAR/ター」。

同じトッド・フィールド監督作「イン・ザ・ベッドルーム」は、受け止めたものを噛み砕いて感想をまとめるのに苦戦した映画の一つ。今回もそうなのだろうか。いきなりエンドクレジット!?から始まる意外な幕開け。仕事帰りに観る映画じゃなかったかも…との不安を感じながら長いクレジットの間にちょっとだけ眼を閉じた。

ベルリンフィルの指揮者として成功しているリディア・ターのインタビューから映画は始まる。彼女の語る音楽への持論が面白くていきなり引き込まれる。ドキュメンタリー番組を見ているみたいだ。ケイト・ブランシェットのカッコいい面をこれでもかも見せつける。映画はそこから彼女の性格や本性に切り込んでいく。

彼女が学生を相手に講義する場面は、長回しのワンカットで切れ目ない圧巻のマシンガントークが展開される。クラシック音楽は作品に向き合うもの。そこに指揮者の解釈が加わって味わいが変わってくる。バッハの私生活が気に入らないから作品に興味がないと言う男性に、容赦なく厳しい言葉を浴びせかける。自分もベートーベンは苦手だが向き合ってきたぞ、とリディアは言う。同時代にその作家と生きてる訳じゃない。作品は作品じゃないか。昨今世間で騒がれる出来事が頭をチラつく。

娘をいじめた相手にドイツ語で警告を与えるシーンの迫力。さらにレズビアンであるリディアは、オーケストラ内の人事やソリストの選抜にかなり私情が混じる。かつて指導していた若い女性指揮者とのトラブルがストーリーに絡んで、彼女の周囲は次第に騒がしくなっていく。

映画後半は精神的に不安定になっていくリディア。ささいな生活音が気になり始める。誰が触れたのか動き出した棚のメトロノーム、通奏低音のような冷蔵庫の音、呼び出し音のチャイム、ランニング途中にどこからか聞こえる悲鳴、暗い建物の陰から聴こえる水と足音、なくなった大事なオーケストラスコア。それらが彼女の不安な心を激しい行動へと駆り立てる。この描写がかなりホラー映画ぽいので、観ているこちらまで精神的に追い詰めてくるのだ。

ケイト・ブランシェットが出てこないシーンはほぼない。全編出ずっぱりで、主人公のあらゆる感情を表現し尽くす。激しくやり切ったから引退をほのめかす発言すらあったと聞く。個人的にはこれはアカデミー賞獲らせてあげたかったと思う。

クラシック音楽界をとりまく状況や知識が豊かだともっと楽しめるのかもしれない。リディアがレナード・バーンスタインが音楽について語るビデオを見ながら涙を流す場面が印象に強く残った。バーンスタインの語る言葉は彼女にとって指揮者としての心構えの原点。劇中、若いチェリストが「ジャクリーヌ・デュプレの演奏を動画配信サイトで見て感激した」と言うのに、冷ややかな反応を示す。でもこの場面で僕らが見るリディアと何が違うと言うのだろう。奏でたい、音楽を作りあげたいと思うきっかけなんて何だっていいじゃないか。

ベルリンフィルとはまったく違う演奏者と楽曲にリディアが向き合うことになるラストシーン。彼女の表情を見ることはできず、受け取り方は人それぞれだろう。僕はこれを前向きな幕切れだと理解したい。バーンスタインの言葉で原点に帰った彼女の第一歩だと。



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メテオ

2023-05-20 | 映画(ま行)

◼️「メテオ/Meteor」(1979年・アメリカ)

監督=ロナルド・ニーム
主演=ショーン・コネリー ナタリー・ウッド カール・マルデン ブライアン・キース

隕石が地球に落ちてくる話はたくさんあるけど、いったいどこがルーツなんだろう。おそらく「地球最後の日」だろか。50年代に映画化もされているが、僕が初めて触れたのは小説だった。小学生の頃に確か祖母から本をプレゼントされたのだ。地球から脱出する宇宙船、衝撃のクライマックスにビビリあがった僕は、それ以来本棚で背表紙見るのも怖くなってw。そんな話はこりごりだ、と思っていたはずなのだが、中坊になって叔父が隕石が地球にぶつかる映画に連れて行ってくれると言うので、喜んでついて行く。それが「メテオ」。

ショーン・コネリー、ナタリー・ウッド、カール・マルデン、米国大統領にヘンリー・フォンダ。まだ中坊だったから映画の知識は乏しかったけれど、少なくとも他の映画でも名前があがり、何かで観たことのある人たちだとは理解していた。007はもちろん、ナタリー・ウッドがヒロインの「ウエストサイド物語」は既に好きだったし、ソビエトの科学者を演ずるブライアン・キースが出演したドラマ「遥かなる西部」を中坊の頃真剣に見てたし。

「地球最後の日」の悲壮感、「妖星ゴラス」の荒唐無稽な展開、「ディープ・インパクト」の人間ドラマ、「アルマゲドン」はまあ置いといて、「ドント・ルック・アップ」の人間の醜さ。隕石が地球に落ちてくるといろんな物語がスクリーンの上で展開されてきた。「メテオ」は何が面白いかって、製作当時は東西冷戦真っ只中。そんな時期に米ソが協力して危機に立ち向かう映画というのが盛り上がる最大の要素だ。

ショーン・コネリー演ずる主人公は宇宙からの危機に備えるために人工衛星にミサイルを積む開発に携わった。しかし、不本意なことに軍事転用されてしまう。そこへ隕石衝突の危機。「メテオ」が他の作品と違うのは、デカいのが一つ落ちてくるだけじゃなくて、規模の小さなものも落ちてくる危機があること。最大の隕石に立ち向かう作戦が進む中で、基地のあるニューヨークに別の隕石が近づいてくるのだ。

ソ連が同様の核ミサイル衛星を持っていることを明かし、奇跡のタッグが実現。巨大隕石に真っ赤なソ連のミサイル、白いアメリカのミサイルが向かう場面が印象的だった。特にソ連のミサイルが登場すると、ロシア民謡みたいなメロディの劇伴が流れるのがいい。音楽担当ローレンス・ローゼンタールのいい仕事。

80年代にテレビ放送後、現在DVD化も配信もリバイバルもないとのこと。今観ると特撮はチープだし、話にも無理があるけど、あの時代にいろんな意味で頑張ってた映画だと思う。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

聖なる酔っぱらいの伝説

2023-05-17 | 映画(さ行)


◼️「聖なる酔っぱらいの伝説/La leggenda del santo bevitore」(1988年・イタリア=フランス)

監督=エルマンノ・オルミ
主演=ルトガー・ハウアー アンソニー・クエイル サンドリーヌ・デュマ ドミニク・ピノン

「木靴の樹」のエルマンノ・オルミ監督による不思議な魅力の作品。主人公アンドレアスは、セーヌ川にかかる橋の下です暮らすホームレス。ある日老人から200フランを渡されるのだが、条件は教会のミサの後で金を返すこと。それから彼の身に幸せな出来事が続く。約束した日曜日に教会に行くと、かつて愛した女性と再会。約束を破ってしまう。

それからも幸運な出来事が続くのだが、その度ごとに酒に費やしてしまったり、旧友と飲み歩いたり。夢に出て来た聖テレーズ像に似た少女に「なぜ返さない」と問われるが、それでもなりゆきの出来事に流されて彼は返済の約束を果たせない。すると、その少女が彼の前に現れ…。

映画自体は淡々と進行していく。ルトガー・ハウアー演ずる主人公が、なすべきことを終わらせない様子にヤキモキするのだが、次々に訪れる出来事の面白さと、美しい映像で、童話を読み聞かせられているような気持ちになった。「ブレードランナー」のイメージがどうしても強いハウアーだが、彼の演技の幅広さがわかる良作。

そしてほろ苦い結末が待っている。それは寓話のようでもあり、おとぎ話のようでもあり。20代の頃観てるので、人生いろんなことに流されてきた今の自分が観たら、この映画も印象が変わるだろうか。改めて観なおしたい映画の一つ。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ストレンジ・デイズ

2023-05-15 | 映画(さ行)


◼️「ストレンジ・デイズ/Strange Days」(1995年・アメリカ)

監督=キャサリン・ビグロー
主演=レイフ・ファインズ アンジェラ・バセット ジュリエット・ルイス トム・サイズモア

製作当時としては近未来の1999年の大晦日、ダンスミュージックと激しいロックをバックに繰り広げられるサスペンス。ジェームズ・キャメロン製作、元妻キャスリン・ビグローが監督した、迫力ある映像エンターテイメント。キャメロンは、新作を撮るたびに新たな撮影技術を工夫してきた人でもある。この作品でも激しい主観移動に対応できる撮影を行ったと聞く。それは、人間の五感を記録するメディアが劇中登場することも一因で、人間の視線で撮影される追体験シーンは、他の映画ではなかなか見られない場面だ。

その記録ディスクに、ある黒人指導者(これがラッパーというのが現代的)殺害の真相が記録されていた。レイフ・ファインズ扮する主人公はその謎をめぐる騒動に巻き込まれ、相棒の黒人女性と共に謎に迫るというお話。この相棒をアンジェラ・バセットが演じているのだが、これがキャメロン作品らしい強い女で実にカッコいい。

映像表現の大部分が主人公の目線、つまり白人側の視点で描かれている。黒人指導者の下で、マイノリティが勢いを持っている時代という描写は納得がいく。指導者殺害によって市民が憤っている状況は描かれるのだが、残念なのはアンジェラ・バセットが白人主人公の協力者にしか見えなかったこと。事件について憤りはのぞかせるけれど、観終わって残るイメージは、昔からのハリウッド映画的な白人の協力者としての黒人。白人目線ならこの映画は文句ないだろうが、黒人目線なら物足りなさ、いやそもそもエンターテイメントとして成立しうるのか?と思えた。

ビジュアル表現が魅力の映画だが、何より素晴らしいのは音楽。ニューエイジ系のフランスの音楽ユニット、ディープ・フォレストとピーター・ガブリエルがコラボした主題歌While The Earth Sleepが絶品。ダンスビートにピーターの叫びが乗る聴覚の快感。また、小悪魔ジュリエット・ルイスがボーカルのロックバンドも登場。どちらも収録されたお得なCD、当時買っておいてよかった。

96年の公開だが、95年末の試写会で幸運にも鑑賞できたラッキー。当時、ジュリエット・ルイス大好きだったので、ムフフな場面を主人公目線で見られたのもラッキー。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする