Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

9月のBGM

2010-09-30 | 音楽
2010年9月に通勤中などに聴いていた愛すべき音楽たち。

①Blackout/the brilliant green
3枚のシングルの後でリリースされた久しぶりのフルアルバム。サウンドはいい意味でのハードさが戻ってきて、1曲目からいい感じ!。Tommyのボーカルはやっぱりいいなぁ。シングル曲Blue Daisyがお気に入り。バラードで詞に癒されつつ、ハードな楽曲で気持ちを高めてくれる。今月は通勤中よく聴いた。
BLACKOUT(初回限定盤)  BLACKOUT - the brilliant green

②ごはんはおかず・U&I/放課後ティータイム
ついに・・・ついに最終回を迎えてしまった「けいおん!!」。最後の学園祭ライブで演奏されたこの2曲。「ありがとう」を連発する唯にこっちまで頷いてしまい、ライブ後の部室のシーンではこっちまでうるうるきてしまった(泣)。やばい、オレ40過ぎだぞ。アニメ見て泣いてんじゃねぇぞ。唯ちゃーん!澪ちゃーん!あずにゃーーーーん!
TVアニメ「けいおん! ! 」劇中歌  ごはんはおかず/U&I  ごはんはおかず/U&I - 放課後ティータイム

③Middle Man/Boz Scaggs
このアルバムの本当の良さがわかったら立派な大人だ・・・高校時代にそう思っていた。そうそうたるミュージシャンの演奏。彼らが参加しているだけで品質保証されたようなもの。最近、We're All AloneよりもYou Can Have Me Anytimeの方が好きになっている自分に気づく。そういう年齢になったんだなぁ。Angel Youのバックコーラスは、あの「幻魔大戦」のローズマリー・バトラー。
ミドル・マン

④VOICE・一番綺麗な私を/中島美嘉
アルバム「VOICE」は中古で最近になって入手。シングル曲LIFEが大好きだったので、ずっと聴きたかった。予想していたよりもダンサブルな楽曲が多くてバラードとのバランスがよい。2曲目のSAKURAが好き。長く聴くアルバムになりそうな予感がする。最新シングル「一番綺麗な私を」は何度聴いても涙腺を刺激するね。買い物中に初めて聴いたけど、思わず手が止まったもの。
VOICE 一番綺麗な私を(初回生産限定盤)(DVD付)

⑤Genesis Revisited/Steve Hackett
スティーブ・ハケットがジェネシス初期の名曲をカヴァーした96年のアルバム。全体的にはオリジナルの印象を損なわないアレンジで聴きやすいが、随所にこだわりがみえる。I Know What I Likeのフォーク調のアレンジだったのが、次第にフリージャズみたいになっていくのが個人的には好き。初期ジェネシスでもっとも好きなWatcher Of The Skiesはやっぱりいいね。
Genesis Revisited (Reis)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

下関に行ってきました。

2010-09-23 | その他のつぶやき
9月の連休。配偶者アミダラMは下関でお仕事。長男ルークは修学旅行中。長女レイアはおじいちゃんおばあちゃんとお出かけ。で、アナキンtakは一人下関をぶらぶらすることになった。

これまで仕事では何度も来たことがあるけど、じっくりと歩き回ったことがないもんで、お気楽な観光をして参りました。

何に目がいくか・・・ってやっぱり関門橋なんだよね。

「若松に行ってきました。」の回もそうだったんだけど、やっぱり建築物やら橋の構造体やらに見とれてしまう。橋フェチ・・・かも。でもいざ渡るとなるとビビる人でもあるのです、はい。

今回の下関に来たらまず行きたかったのは、田中絹代ぶんか館。映画ファンですもん。

写真の建物の2階に、下関出身の名女優田中絹代の活躍を知ることができる資料や遺品が展示されている。建物は大正13年に旧逓信省下関電話局電話課庁舎として建てられた歴史的なもの。古い建造物にやたら興味あるだけにちょっと嬉しい。1階は上映会が行われる小さなホールと、下関ゆかりの文学者について学べるふるさと文学館を備えている。入場チケットが栞になっているのも気配りですね。ベルリン映画祭銀熊賞のトロフィー、代表作の動画が見られるデータベース、シナリオや愛用した品々。映画監督をしたことは知っていたけど、6本も撮っていたのは知らなかった。晩年の「サンダカン八番娼館 望郷」は特に忘れられないよなぁ。溝口健二監督作とか古い映画をじっくり観たい、と思った。建物にはガラスで仕切られた吹き抜けがあって、大きな機材を吊って搬入できるように天井にフックが取り付けられていた。

旧秋田商会ビルは大正4年に建てられた3階建て。1階は現在観光情報センターとして使用されている。2,3階は書院造りの和室、屋上には日本庭園。屋上緑化の先駆だったのかも。外から観ても屋上の緑と外壁の茶色のコントラストが美しい。

すぐ近くに旧英国領事館があるのだが、残念ながら改修工事中。そういえば、レトロな風景を求めて愛車フィガロと写真を撮りたくて一度来たことがあるんだよね。

唐戸は金子みすずゆかりの地でもある。20歳くらいの頃から下関に住んでいて、26歳で亡くなるまで多くの詩を綴った地。
街のあちこちに歌碑が建てられている。碑をたどることでみすずの生涯をうかがうことができる。これは素敵な取り組みだなぁ・・・と感心!。住んでいた上山文英堂から死の前日に写真を撮った写真館跡まであちこちを巡ることができる。
近くの商店街ではBGMとして静かな音楽とみすずの詩の朗読が流れる(なんて素敵!)。
写真は唐戸市場前にある「私と小鳥と鈴と」。


下関は坂本龍馬ゆかりの地でもある。市内各地にそうしたポイントが紹介されている。何カ所か行ってみたけど、そのひとつ伊藤助太夫邸跡の写真を。

ここにあった邸宅の一室がお龍と生活した場であったとな。

ちょっと足をのばして、市立長府博物館にも行ってきた。龍馬直筆の手紙や朝鮮使節の様子などが記された文書などを展示。すぐそばにある功山寺では龍馬と交流あった藩士たちの墓がある。高杉晋作の乗馬像を見ることもできる。

城下町長府の街並み。是非徒歩で楽しみたい。

下関市立美術館では、ピーター・ラビットを描いたビアトリクス・ポターの展覧会が開催中。こちらは配偶者と行った。きゃわいいピーターがお出迎え。

そもそも知人の子供に絵入りの手紙を送ったのが、ピーターの物語の最初。そのオリジナルを見ることができるのは貴重な機会だ。茶目っ気と心遣いから始まったことだろうけど、今や多くの人に愛されるピーター。映画で予備知識があったもんだから、編集者ノーマンとのロマンスについてアミダラMに語りたくなっちゃった。

最後は海峡ゆめタワーからの風景を。結局僕の興味は橋か?。

ここは対岸門司港のはね橋ブルーウイングと並んで”恋人の聖地”でもあるのだ。アミダラと恋みくじ・・・?今さら・・・ね(笑)。

ブログランキング・にほんブログ村へ
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

TSUNAMI -ツナミ-

2010-09-20 | 映画(た行)

■「TSUNAMI -ツナミ-/Haeundae」(2009年・韓国)

監督=ユン・ジェギュン
主演=ソル・ギョング ハン・ジウォン パク・チュンフン オム・ジョンファ

災害に立ち向かう映画はこれまでにもたくさん製作されている。ビル火災だったり、台風だったり、竜巻だったり、森林火災だったり、大地震だったり。災害シーンは確かに見どころだろうが、極限状態に置かれた人々の人間ドラマこそが映画の出来を左右する。さて、韓国製ディザスタームービー「TSUNAMI」は、これまで地震が少ないとされてきた日本海で海底地震が頻繁に起こるところから始まる。海底の地殻変動を探知した地質学者は度々政府に警告を発するが、まったく政府は重要だと思ってくれない。日本が警報を出しても「日本は心配性の国」だなどと言う。波の高さがこれまでにない規模のメガ津波が来るという警告を軽んじる。日本海にそういう危険要素って実際はどうなんだろう・・・と思いながらもお話は続く。

主人公はソル・ギョング演ずる元船乗り。かつてスマトラ沖地震の津波に遭遇し、そのときに亡くなった男性から娘を頼むと言い残されている。その勝ち気で男勝りな娘を演じているのがハ・ジウォン。この二人の進みそうで進まない恋物語を中心に、周囲の人々が描かれていく。沿岸警備隊員の弟、彼に救われて以来つきまとう女の子、連れ子、母親、開発の利権で設けようとする地元有力者であるおじ。それぞれのエピソードは確かに面白いのだが、なにせハイピッチで物語が進行して情感に乏しいのが残念なところ。しかしその分だけ飽きさせない。情感という点でよかったのは、自分の気持ちを告げる為に父親の墓参りに誘う場面。涙ながらに気持ちを訴えるハ・ジウォンはよいね。これまで泣き叫ぶような役は少なかったイメージがあるし。多くの登場人物をうまいこと絡めている脚本は練られているなと感じた。

津波の映画だけに沿岸に押し寄せる巨大な波には恐怖を感じる。街が水没してから、登場人物がエレベーターに閉じこめられたり、切れた電線で感電の危険が迫ったり、ここは緊張させられる。主人公がもっと英雄的活躍をするのかと思ったら、そこは裏切られますが。メガ津波を予告した博士が仕事をなげうって、娘の元に走るところは泣かされる。間一髪で娘を救う場面には、こっちまで力がこもる。しかしその巨大な波は、海の場面になると今ひとつ緊迫感が感じられない。それと比べると船が水に浮かぶ枯れ葉のようだったのは、ジョージ・クルーニー主演の「パーフェクトストーム」。あの荒れ狂う波の描写は見事だったと改めて思う。日本版ではエンドクレジットで流れる主題歌は何故かAKB48。これは正直必要ないと思うのだが。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジュリー&ジュリア

2010-09-15 | 映画(さ行)

■「ジュリー&ジュリア/Julie And Julia」(2009年・アメリカ)

●2009年NY批評家協会賞 主演女優賞
●2009年ゴールデングローブ賞 主演女優賞

監督=ノーラ・エフロン
主演=メリル・ストリープ エイミー・アダムス スタンリー・トゥッチ クリス・メッシーナ

 ノーラ・エフロンが関わった映画にハズレは少ない。「ジュリー&ジュリア」を観る気になったのもその信頼があったからだ。これまでの映画でも見られた、2つの舞台の同時進行(「めぐり逢えたら」)、インターネットを介した物語(「ユー・ガット・メール」)という要素がここでも取り入れられている。しかし「ジュリー&ジュリア」は実話であること、そして異なる時代の二人の女性を並行して描くというこれまでにない野心作。

 50年前にフランス料理の本を出して人気者になり、アメリカの家庭料理に大きな影響を与えたジュリア・チャイルド。演ずるのはメリル・ストリープ。一方は現在。その本のレシピを全て作ってブログに載せることに挑戦するジュリー・パウエル。演ずるのはエイミー・アダムス。ジュリアはいろんな紆余曲折を経て料理本を出版し、お茶の間でも人気者になる。ジュリーは500を越えるレシピを1年間で作ることに挑戦して、ブログ読者の支持を得て、やがてマスコミからも注目される存在になっていく。時を隔てた二人が直接触れあうこともないのだが、食を楽しむ、食を通じて人を喜ばせることを貫いていく様子がとても素敵だ。

 好きなことを貫いて、多くの人に受け入れられる。素晴らしいことだ。こんなことを書いている僕自身も映画ファンを公言してウン十年、ファンサイトを立ち上げて10年、その間に自分の好きなことを通じていろんな人に出会えたし、いろんな価値観にも出会えた。小さなことだけどそれも継続したからできたこと。続けていくことの難しさはこの映画でも描かれている。ジュリアもジュリーも挫折しそうになったりもしたし、理解されない苦しさも味わっている。出版社に自分の考え方が受け入れられなかったり、料理に夢中になる自分に夫がイラついたり。そうしたことを乗り越えて彼女たちは成功することになる。一事を貫くことの素晴らしさ。

 でも僕がこの映画を観ていちばん心に残ったのは夫婦のあり方だ。料理の腕で成功する女性が主人公だが、彼女たちの成功は夫の理解と助言、協力があってこそだ。単に好きにやらせていたという放任と違う。一緒に料理を楽しんでいるし、夫が喜ぶ姿が彼女たちの原動力にもなっている。夫婦として一緒に物事を楽しむこと。感動を共有すること。お互いの好きなことを許容して認めること。これらがジュリアにもジュリーにもあったことが幸せなことだ。ジュリアの夫役スタンリー・トゥッチの優しい視線。政治に翻弄される外交官である自分にクサったりもするけれど、妻の笑顔を絶やさないように見守る姿。夫婦喧嘩してジュリーの夫が出て行ったエピソード。妻が落ち込んでいるブログ記事を読んで、夫が自宅に戻る場面。ジュリーにかける一言もじーんときますね。映画館を出た後で、自分は、うちの夫婦はどうだろう・・・と我が身を振り返ってみる。

 ただ、見方によっては二人の考えにギャップを感じることもあるだろう。食べることが大好きだから料理が好きになるジュリアと、その料理を作ることを目的にしてしまったジュリー。同じ料理が好きなことにも隔たりがあるようにも見える。ブログって、経験ある人はわかるだろうけどネタのために行動したりするものね・・・。しかし、二人とも料理を通じて人を喜ばせたい、幸せにしたいと思っていることは変わらないとも思うのだ。奥様の料理に「おいしいよ」って言ってあげてるだろうか?ご主人に出す料理を義務感に感じていないだろうか?この映画を観て、ちょっとそんなことを考えてみるのもいいかもね。

ジュリー&ジュリア [Blu-ray]ジュリー&ジュリア [Blu-ray]

ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 2010-10-27
売り上げランキング : 28505

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

ブログランキング・にほんブログ村へ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

がちょーん・・・

2010-09-14 | その他のつぶやき
谷啓さんが亡くなりました。
事故死だそうでとても残念です。

僕もトロンボーン吹きでした。
谷啓さんがおふざけの後でビシッと演奏をキメる姿にいつもしびれておりました。
クレイジーキャッツの中でもお笑いとかっこよさのバランスが絶妙な方でした。

ガチョーン伝説ガチョーン伝説
谷啓

EMIミュージックジャパン 2010-05-05
売り上げランキング : 626

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


「スウィングガールズ」で音楽教室の先生で登場したのも素敵でした。
亡き市川準監督がクレイジーキャッツ主演で撮った「会社物語」が無性に観たくなりました。

ご冥福をお祈りします。

ブログランキング・にほんブログ村へ
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生誕4×年なのだ。

2010-09-13 | その他のつぶやき
えー、9月11日はわたくしtakの4×回目の誕生日でございました。
「おめでとう」が年々気恥ずかしくなる。

最近思うのは、昔自信をもってできていたことが思うようにできなくなっていること。
先日久しぶりにカラオケに行ったのだが、10年前まで平気で歌っていた曲が歌えない。ハイトーンが異常に出なくなっている。

4月までは、しゃべりまくるのが仕事で日常だったのだが、今は油断すると半日口をきかない日があるお仕事。しゃべっていても時々声が出にくい・・・と感じるのはその反動もあるのかな。

配偶者アミダラMには、「結婚前と体重がどんくらい違うと思ってんのよ!」と言われる。世間の同年代と比べると全然スリムだし(当社比)、参観日に行ってもまだまだイケてる!と自分では思っている。出かける時に帽子かぶると「ハゲ隠し」とか言いやがる。ったく。同じ年頃の自分の父親には絶対に勝ってるんだが。

毎年言ってることだが、僕はリチャード・ギアみたいなオヤジになりたい。
真実の行方 [DVD]
一方でダサくなる自分を飾らない、自分にまっすぐな横山剣みたいなオヤジにも憧れる。
クレイジーケンの夜のエアポケット 増補改訂版

何はともあれ、これからもわたくしtakは
takらしくやってまいります。

現実世界の皆様も、ネット見知りの皆様も、これからもよろしくね!。

ブログランキング・にほんブログ村へ
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

借りぐらしのアリエッティ

2010-09-05 | 映画(か行)

■「借りぐらしのアリエッティ」(2010年・日本)

監督=米林宏昌
声の出演=志田未来 神木隆之介 大竹しのぶ 竹下景子

 宮崎駿監督が企画・脚本のみで、監督としては後進に道を譲ることとなったスタジオジブリの新作。メアリー・ノートンの児童文学「床下の小人たち」を、舞台を日本に変更したもの。公開されてから、初期ジブリ作品が好きな人向け・・・との評があったが、それはそれでわかる気がする。映画の冒頭、植物を拾って来ては部屋に飾るアリエッティの行動や勝気な性格に、ナウシカを重ねてしまう人もきっと多かったことだろう。

 物語は心臓手術を控えた人間の男の子とアリエッティを中心に進んでいく。NHKで放送された製作の舞台裏を追ったドキュメント番組を見てから、僕は映画館に行った。恋物語の要素を加えたのは米林監督(マロさん)のこだわりだった。米林監督はアニメーターとして実績のある人。監督としてはまだまだこれからかもしれないが、番組を見たうえで映画を観ると彼が付け加えた(書き加えた)”芝居”の部分は、確かにうまいなと思う。初めての「借り」に出かける主人公のわくわくした気持ちや、少年に声をかけられたときの反応には、心の動きがうまく表現されている。ジブリアニメは観ているこっち側の心にも響く。それはこうした細かな部分に手を抜かないからなんだろう。

 借りぐらしをする小人たちは人間に見つかってはいけないという掟がある。その一方で、その家に住むおばあちゃんや少年ははまだ見ぬ小人に愛情を感じている。そのすれ違い。結局、小人のためにドールハウスまで作った人間側の思いが成就することはない。そこが世の中の厳しさ、生き方の違いを感じさせて切なくなる。童話ならば、みんな仲良く暮らしましたとさ・・で終わりそうなところなんだが、共存できない厳しさを描いている。「ポニョ」からジブリを観た幼い子供たちは、ポニョみたいに一緒にくらせばいいのにと思うかもしれない。でもそれぞれの民族の生き方やアイデンティティを大切にすることこが、お互いを思うこと。一方的な論理で相手の幸せを考えてはいけない、というメッセージも映画には込められている。「滅びゆく種族」という言葉でアリエッティを怒らせてしまう少年。たとえ小人たち種族に厳しい運命が待っていたとしても、彼らには彼らの生き方がある。ドキュメントで、宮崎監督が「愛玩動物になってはいけない」と演出にコメントする場面があったが、その根底にはそういう思いがあったはずだ。ラストの別れの場面はなかなか切なくっていい。

 家政婦のおばさんの好奇心からトラブルが発生。そこからの小さな冒険がこの映画のみどころの一つだろう。残念なのは、拾ったまちばりが武器?として活躍する場面もないし、小人たちのサイズでの生活をもっと細かいところまで見たかったことかな。ポットから注がれる水が水滴だったり、バッグの中におべんとうに使う醤油入れらしきものが見えたりするのも面白い。映画としてのスケール感がやや乏しいからか、アリエッティの成長物語としての物足りなさがあるけれど、ジブリアニメのスピリットはうまく引き継がれていくのではないかな、と感じた。先日、今後もジブリは2Dで行くとのニュースが流れた。3D映画がブームではあるがアニメはやはり”絵”だもの。そこは貫いて欲しい。

床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)
メアリー ノートン ダイアナ・スタンレー

岩波書店 2000-09
売り上げランキング : 221

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

原作買ったけど、まだ読んでないなぁ。

Arrietty'  s Song(借りぐらしのアリエッティ・主題歌)Arrietty's Song(借りぐらしのアリエッティ・主題歌)
セシル・コルベル

ヤマハミュージックコミュニケーションズ 2010-04-07
売り上げランキング : 1093

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

耳にのこる素敵な主題歌でした。BGMに歌が多かったのがやや気になりましたが。
ブログランキング・にほんブログ村へ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

傘が欲しい。

2010-09-04 | その他のつぶやき
世の中にはいろんなスターウォーズグッズが売っている。僕のデスクにもこんなのがある。

スター・ウォーズ ダース・ベイダーUSBハブ
ダースベイダーのUSBハブ。PCにつなぐと呼吸音がするんよ!「くほーっ、はーっ」って。
いただきもので、しばらく職場のデスクに鎮座していただが、つなぎっぱなしにすると定期的に「くほーっ」といいながら首を振るので、ほとんどマスコットと化しておりました。職場に置くなって?るせー。

巷ではライトセーバーみたいな傘が話題になっている。LEDが内蔵されていて光る傘だ。
Rain-Glo LEDライトアップ傘 ブラック UERGAD-BK
こんなのだ。欲しい。マジで欲しい。これはライトセーバー傘というよりも、映画「ブレードランナー」の中に出ていた光る傘。そんな場面があったかって?自分の目で確かめろ(同じことを考えた人)。高校時代に「ブレードランナー」観て、あの傘はけっこう印象強かったもん。
え?使う勇気あるのかって?もちろんあります!。はい。
これだったら暗い夜道もフォースで立ち向かえる(なんのこっちゃ)。LEDが足元を照らしてくれる商品もあるようなので、実際便利なのかも。

当然スターウォーズでもあるだろ、と思ったらありました。
スター・ウォーズ レインセーバー Aタイプ
レインセーバー。赤い部分はカバーなのだが、柄の部分はライトセーバー型に仕上げられている。
光りません。

折りたたみ式も。
STAR WARS スター・ウォーズ ライトセーバー型折りたたみ傘 ルーク・スカイウォーカー


こんなものまで。
スターウォーズ《だースモール/レッド》ライトセーバーチョップスティック☆STAR WARSお箸通販☆
ライトセーバーの箸。
スター・ウォーズ ライトセーバーチョップスティック ルーク・スカイウォーカー (キャラクター箸)
ダースモール仕様ではきちんと二つがつながるんだとか・・・。パッケージには「フォースでおかわり」とのコピーが。すげ。

こちらは懐中電灯。
スター・ウォーズ クローン・ウォーズ/ライトセーバー型 懐中電灯

ブックエンド。
『スター・ウォーズ』 【ブックエンド】 ジャバの宮殿

見ているだけで楽しいね。ともかく光る傘が欲しいのでした。

ブログランキング・にほんブログ村へ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

縞模様のパジャマの少年

2010-09-01 | 映画(さ行)

■「縞模様のパジャマの少年/The Boy In The Striped Pyajamas」(2008年・イギリス=アメリカ)

監督=マーク・ハーマン
主演=エイサ・バターフィールド ジャック・スキャンロン デヴィッド・シュリース ヴェラ・ファーミガ

 ホロコーストを描いた映画にもいろいろある。ドキュメンタリーの「夜と霧」、「シンドラーのリスト」「戦場のピアニスト」のように正面から見据えたものがどうしても思い出されるが、民間人の目線で描いたものには深く心に刻まれるものが多い。特に子供が主人公のものはなおさらだ。ルイ・マル監督の「さよなら子供たち」はその代表で、戦争がいかに人と人を引き裂くものなのかを少年の眼で映し出していた。「さよなら子供たち」に出てくる少年は、もう世の中の現実をきちんと理解できる年頃。この「縞模様のパジャマの少年」は冒険物語に夢中な8歳の少年が主人公。世の中のことがよくわからない。その無垢な心が引き起こす悲劇が、戦争とユダヤ人迫害がいかに悲惨なものかを強烈に観ている我々に突きつけてくる。

 そもそもこの原作は児童文学として書かれたものだそうだ。アメリカ資本が入って製作されているだけに、監督は原作にある衝撃的な結末を変えないことを約束した上で製作に入ったらしい。若い世代にこそこの映画を観て欲しい。鉄条網を挟んで向かい合うドイツ人の少年とユダヤ人の少年。ポスターにも使われているこの構図が、この映画をまさに象徴しているし、多くの人にテーマを理解されることにつながるだろう。

 原作にはない数々の工夫が施されている。ユダヤ人捕虜収容所が保養施設のように快適なところだと訴えるプロパガンダ映画を観る場面はその一つだ。世間の多くの人々はナチス政権になびき、その方針に反対する人々は粛正されるような時代。12歳の姉は家庭教師の偏った指導や兵士の言葉に簡単になびいていく。主人公の少年が世間を知らないだけに、いや純粋なだけに、彼が思う「何故?」が心に突き刺さるのだ。少年が収容所に入り込むクライマックス。ガス室に送られ大人たちに紛れ込んでしまう。誰もいなくなった部屋に衣服だけが残される物言わぬラストシーン。本当に説得力がある映画は映像で語ることができる。この無言のラストはまさにそれだ。僕は高校時代にアウシュビッツの現実を綴った「夜と霧」を宿題で読んだことがある。あまりにも重い現実にページをめくるのがとても辛かった。そこまででなくともこの映画はホロコーストの悲惨さ、戦争がいかに人間を偏らせてしまうのかを知る上で、きっとよい役割を果たしてくれる。何度も観たい題材の映画ではない。でもこの時代に観ておくべき映画だ。多くの人に観て欲しい。僕がやっていた映画授業という取り組み。似たようなことをやってる人がいれば、是非この映画をセレクトして欲しいな。

 難を言えば、全編英語であるせいか違和感を感ずるところがある。主人公の父親がナチ親衛隊「SS」昇進を祝う自宅のパーティ場面。バンドが軽快なジャズ(?)を演奏しているのがどうもピンとこなかった。 「ラインの護り」とか軍歌でも歌っていそうなイメージ(「カサブランカ」)があるだけに、ドイツらしさを感じられない。せめてそこだけでもステレオタイプの描き方をして欲しかったなぁ。



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする