
◼️「スペース・キャンプ/Space Camp」(1986年・アメリカ)
監督=ハリー・スチュワート・ウィナー
主演=リー・トンプソン ケイト・キャプショー ホアキン・フェニックス トム・スケリット
スペースキャンプとは、NASAの宇宙飛行士体験プログラム。かつては北九州市のスペースワールド(2017年閉園)でも一部を体験することができた。本作は、まだスペースシャトルが現役だった時代に製作された冒険ジュブナイル。
夏休みにスペースキャンプに参加した子供たち。「宇宙に行きたい」と呟いた少年のひと言を、ロボットが実現しようとする。彼らとNASAスタッフのアンディがエンジンテスト見学のために搭乗したスペースシャトルが誤って打ち上げられてしまう。短距離無線しかなくNASAと通信ができない、酸素タンクの残量はわずか、大気圏突入のタイミングが迫ってくる。アンディと子供たちは無事に生還することができるのか。
「宇宙からの脱出」や「アポロ13」「ゼロ・グラビティ」、アニメ「地球外少年少女」と同様にトラブルから地球に生還するまでをストーリーの軸とする作品の系譜。だが本作が他の作品とちょっと違うのは、スペースシャトルの勇姿を観客に印象づけることに力が注がれていることだ。
宇宙飛行士志望のキャサリンはひたすらリーダーに憧れるが、危機に陥った現場では失敗が続く。チャラいテキトー男のケビン君の方が頼りになるし、生意気なマックス少年の方が度胸がある。われらがリー・トンプソン嬢は表情こそ曇らせるが、彼女の気持ちの変化に映画は寄り添ってくれない。ケイト・キャプショー演じるアンディへの憧れが増したとか、彼女だけでなく子供たちがこの経験で得たものとか、成長物語のまとめになる部分はバッサリと切り落とされている。あー、宇宙怖かったね、宇宙船カッコよかったねで終わる映画なのだ。
いろんな危機を乗り越えるハラハラがあるのにもったいない。このトラブルを引き起こしたロボット、ジンクス君は"トモダチ"マックスと再会できたのか。トム・スケリットは妻の帰還にどんな顔をしたのか。キャサリンはケビン君を男として見直したのか。シャトルの着陸で終わるこの映画はそんな余韻に浸らせてくれない。
主役はあくまでもスペースシャトルなのだろう。確かにカッコいい。スペースワールドにそびえ立っていた姿を思い出す(懐)。
80年代洋楽好きは、エリック・クラプトンのForever Manをガンガン流しながらケビン君が登場する場面にちょっと心踊る。あのイントロは聴くだけでワクワクする。宿舎で流れるダイアー・ストレイツも懐かしい。この年TOTOの3代目ボーカルとなるジョセフ・ウィリアムズの曲も使われている。この映画の音楽担当は父親ジョン・ウィリアムズ御大。こっそり親子共演w。
嬉しかったのは、「スターウォーズ」がいかに当時の少年たちの憧れであったのかがわかる描写の数々。「ぼくはスカイウォーカーだ」と勇んで宇宙船外に出たけれど、パニックになるホアキン・フェニックス少年。そんな彼を「フォースを使え」のひと言が落ち着かせてしまうw。SWは偉大。
夏休みにスペースキャンプに参加した子供たち。「宇宙に行きたい」と呟いた少年のひと言を、ロボットが実現しようとする。彼らとNASAスタッフのアンディがエンジンテスト見学のために搭乗したスペースシャトルが誤って打ち上げられてしまう。短距離無線しかなくNASAと通信ができない、酸素タンクの残量はわずか、大気圏突入のタイミングが迫ってくる。アンディと子供たちは無事に生還することができるのか。
「宇宙からの脱出」や「アポロ13」「ゼロ・グラビティ」、アニメ「地球外少年少女」と同様にトラブルから地球に生還するまでをストーリーの軸とする作品の系譜。だが本作が他の作品とちょっと違うのは、スペースシャトルの勇姿を観客に印象づけることに力が注がれていることだ。
宇宙飛行士志望のキャサリンはひたすらリーダーに憧れるが、危機に陥った現場では失敗が続く。チャラいテキトー男のケビン君の方が頼りになるし、生意気なマックス少年の方が度胸がある。われらがリー・トンプソン嬢は表情こそ曇らせるが、彼女の気持ちの変化に映画は寄り添ってくれない。ケイト・キャプショー演じるアンディへの憧れが増したとか、彼女だけでなく子供たちがこの経験で得たものとか、成長物語のまとめになる部分はバッサリと切り落とされている。あー、宇宙怖かったね、宇宙船カッコよかったねで終わる映画なのだ。
いろんな危機を乗り越えるハラハラがあるのにもったいない。このトラブルを引き起こしたロボット、ジンクス君は"トモダチ"マックスと再会できたのか。トム・スケリットは妻の帰還にどんな顔をしたのか。キャサリンはケビン君を男として見直したのか。シャトルの着陸で終わるこの映画はそんな余韻に浸らせてくれない。
主役はあくまでもスペースシャトルなのだろう。確かにカッコいい。スペースワールドにそびえ立っていた姿を思い出す(懐)。
80年代洋楽好きは、エリック・クラプトンのForever Manをガンガン流しながらケビン君が登場する場面にちょっと心踊る。あのイントロは聴くだけでワクワクする。宿舎で流れるダイアー・ストレイツも懐かしい。この年TOTOの3代目ボーカルとなるジョセフ・ウィリアムズの曲も使われている。この映画の音楽担当は父親ジョン・ウィリアムズ御大。こっそり親子共演w。
嬉しかったのは、「スターウォーズ」がいかに当時の少年たちの憧れであったのかがわかる描写の数々。「ぼくはスカイウォーカーだ」と勇んで宇宙船外に出たけれど、パニックになるホアキン・フェニックス少年。そんな彼を「フォースを使え」のひと言が落ち着かせてしまうw。SWは偉大。