原題 Le Scaphandre et Le Papillon
英題 The diving Bell and the Butterfly
製作 フランス、アメリカ 2007年
これ、5,6年前に原作を原語(仏語)で読みました。
映画化されてうれしいです。
監督がアメリカ人で、はじめは英語で作られる予定で
主役候補にはジョニー・デップが挙がってたらしいですが、
最終的にフランス語でフランス人の俳優さんが主役になって
ほんとによかった。
フランスのお話が英語で作られると全く興醒めですから。
有名ファッション誌「ELLE」の編集長だったジャン=ドミニクが
42歳にして脳幹梗塞という重度の脳血管障害を患い、
呈した症状は、全身の筋肉で動くのは左の目だけという
ロックイン・シンドローム。
精神的には正常なんだからかなりキツイ状況・・・
そこの病院の言語療法士が
左目の瞬きでコミュニケーションをとることを指導して、
それで自分の人生を本にすることができたという実話です。
主人公自身はこの本が出版されて10日後に
肺炎を合併してなくなりました。
いろんなドラマや映画でリハビリのシーンが出てくると
「そんな動きあるわけないべ」とか
「製作スタッフ、勉強が足りないな」とか
粗が見えてしょうがないんですが、
この映画はそういうことがあまり気にならなかったし、
主人公の顔つきとか、特殊メイクなんだろうけど
ほんとの患者みたいだったから
よくできてるな~って思いました。
お話はどっちかって言うと悲しいお話なんですけど、
涙ボロボロにならないところがまたイイ。
どこまでも人間らしさ、フランス人らしさが出ていて
見た後に「ようし!一生懸命生きよう!」って思わせてくれる、
そんな映画です。
本読んだときには
フランス語で読んだことでいっぱいいっぱいだったので
あんまりストーリー自体に感動した印象が残ってないのですが
映画でみてほんとによかったです。