クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

オトナのためのメカニズム 基礎知識

2013-05-28 16:26:25 | なんでもレポート
今週号は、車高と重心とロールセンター。(http://as-web.jp/autosport/issue_info.php?no=563)
サーキットを走る車は総じて車高が低い。
レースカーとして始めから作られた車は、サスペンションレイアウトも正常なロールセンターを
意識して作られているから大きな問題はないが、公道走行用の車の車高を下げると、
当初想定されたロールセンター高さも変わる。
一見してレーシングカーの外観にはなるが、サスペンションのしつけも大きく変化し
限界走行だけに、走りにも影響がでる。
そのナゼかのヒントを紹介。
 (車高を下げれば速くなる、と短絡的に信じている人には、下げる方法は書かれていないので、
  まったく参考にならないと思います)

誌面の説明どおり、
車高を下げればロール軸が長くなる、つまりロールしやすくなる(ロール剛性が下がる)。
これは同じSP、同じ減衰値なら、ロールスピードが速くなるのと、
沈み込み量が増える事を意味する。
このトキ、アーム角も一気に角度を増すので、ロール軸を更に伸ばし、
腰のないクタンと倒れ込むだらしないロールになる。
但し、車高が下がって縮み込みのストロークが減っているから、すぐにロールし切って止まる。
多くの車はアンダーオーバーの傾向になり、旋回姿勢が落ち着かなくなるのと、
そのコントロール性もシビアさを増す。

リヤが重いミッドシップカーは、サスペンションが受け持つべきロール剛性が下がって
オーバーステアーな車になり易い(リヤスタビライザーを外したような動き)。
近年のF1カーのフロントサスペンションは、ロールセンター高さと重心高さが同じか、
逆転しているかも知れないほど、高いところにあるように見える。
ターンインでほんの少しの舵で、内輪から白煙が上がることからも、
フロントのロール剛性が極端に高いことがうかがえる。
リヤはロワーアームの取り付け点近辺だろう。
市販車をレースカーに仕立てた場合、ネガ消しがセッティングの全てだったりする。
そのドライビングも決してやさしくない。
といったことが、ロールセンターの話からひも解ける。