クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

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2012-10-08 09:54:06 | 試乗レポート

タラップが外れていったん後ろに下がり、キーンとエンジンが聞こえて機体が動き始めると、
コンクリートのデコボコがガタピシと伝わってくる。音も振動もなまっていない。
ハイドリロリックサスペンションの特徴であるダイレクトな硬さが、
タイヤが路面を捉えている様子を、わかりやすく伝えてくる。
おお~既に何かキャビンの中の空気が違うぞ~、ドドォ~ンユッサユッサじゃなく、ガタンガタンブルン。
かなり長い道のりのタクシー走行のあと、一旦停止、揺り返しが無い!
いや一旦停止しなかったのかもしれない。
ギクシャクした前後Gを感じないままエンジン音が高まり、速度がまして行く。
ガオォ~の加速かというと、キーンのまま、力んでいない。
で私の特技というほどのものでもないのですが、何百回と乗っているうちに、
加速して、程よい速度からグイと機首を持ち上げるタイミングが表を見ていても、下を向いていても、
プラスマイナス二~三秒の誤差で当てられる(気がしているだけかもしれません)のが、
予想のだいぶ前にフワリときた。
それもいきなりグイではなく実に穏やかに地面からの距離を広げて行く。
機体の角度も少なめ、引力に逆らってフルパワーで上昇している感じがしない。
勢いをつけてから浮き上がるというよりも、浮き上がってから速度を増しつつ上昇するかんじだ。
暫く上昇したあと右旋回。
右の窓際の席から見下ろすと、羽田空港が見える、それもほぼ真下に見える!ではないか。
東京湾に向かって飛び立ち、旋回して先ほど飛び立った滑走路が見える?!
うんっ?これはどういうことだ、あまり経験がないぞ、とか考えているうちにドンドン高度が上がり雲の上に。
それにしてもキャビンの快適なこと、エアコンの音もやたら静か。
いつ水平飛行に入ったのやら。
気流の乱れたところの受け身も、従来の機体なら翼がたわみ切ってから、縦Gがピークになり、
少しその反動のマイナスGが出たところでやっともとの姿勢になるはずが、
縦揺れの振動が早く、どどっ、ぱっ、と収束も早い。
あと○○分で到着予定ですとアナウンスがあってからも、下降している感じがしないのに、
高速道路を走る車がやたら大きく見えたと思ったら、すぐに滑走路脇の誘導ランプが見え、フワリと着地。
大きく重い機体がドシーンのそれとはまるで違う、ホッホ~だ。
途中ビューンとか、ブーンといった振動数高めの従来機では余り耳にしない音が聞こえたのが気になるが、
なんせ快適、頭が重くならないのはありがたい。