クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

こわ~い話

2012-08-04 14:02:11 | なんでもレポート

JAFMATE(JAF会員誌)に目を通していると、高速道路の渋滞原因となるドライバーは何人いるか、
と題した記事が小さく載っている(手元にある方はP.6です)。
場所は中央道・小仏トンネル手前の上り車線。
なぜかよく渋滞する。
かなり前から取りざたされていて、道の形状が原因ではないかと、最近では3車線をフルに使って
少しでも流れを良くしようと対策が取られているが、渋滞の難所である事に変わりない。
記事の内容は、高速道路をまたいでいる歩道橋の上から“減速”しているドライバーの数を
数えるというもの。ここの上り坂はアクセルを一定にしていると10km/hはスピードが落ちるところ、
と記事をまとめた人が書いている。
観察の結果3台中2台が“減速”をしている・・・。
この、“減速”しているの言葉の使い方も気になる。
この場面では“速度の維持が出来ていないドライバー”ではないだろうか。
記事の最後は、坂道にさしかかったら、アクセルを踏み込んで、速度維持に努めてくださいと、
締めくくられている。こんな事何十年も前から言われている話だ。
イモ堀に行った人が、汗も掻かず手も汚さず野菜直売所から“洗った”イモを買って帰ってきた話を
聞かされたような気分の記事の内容はさておいて・・・。
ここで終われたら渋滞の原因は3分の2のドライバーということになってしまう。
本当にそうだろうか。

現場の上り坂にさしかかった車をイメージして下さい。
先を走っているAさんは速度が落ちた事に気づきアクセルを踏み込みます。
一段階踏み込めば、速度が下がらないよう保つことが出来る。
ここから元の速度に戻すには、上り坂での加速が必要だから平坦路の加速よりも
更に深くアクセルを踏み込まなくてはいけない。平坦路の加速を1段階とするなら
2段階強くしてやっと速度を上げられる。
一度、速度が低下した所からは計3段階踏み込んで速度の回復が適うという事だ。
Aさんの後続のBさんも、同じように上りにさしかかれば速度が落ちるのだが、
車間が少し不足気味だとすると、速度の落ちるタイミングは、ほんの少しの時間差しか
ないものの、Aさんの速度が先に落ちる分、車間が急速につまる印象になる。

Bさんが速度を一定に保つには一段アクセルを踏み込むタイミングなのに
Aさんとの車間の管理を優先しなくてはいけないのでアクセルを緩める、
上り坂でアクセルを緩めたらどうなるか。
一定アクセルのAさんよりもBさんは更に速度が落ちる。
車間が保てたとして、ここからBさんが元のスピードに戻すには4~5段階強く踏み込む必要がある。
AT車で強くアクセルを踏み込むと、キックダウン(勝手にギヤダウン)してエンジンがうなりを上げて
怒ったように加速を始める。
“なにしたの?”と助手席の人に思われると嫌だから、ついアクセルの踏み込みが甘くなり
トロトロとしたまま速度が上がらない。
Bさんの後にCさんがいれば、更に速度が下がり渋滞がエンエンと始まる。
ハイギャードのまま、ギャホールドして、軽くアクセルを踏み込めば速度の維持、再加速が
出来るのでは、と思いたいがスカスカのエンジントルクでは加速してくれません(ホント、国○エンジンは
なさけない)。上り坂と言わず平坦路に近いところを走らせても速度の維持管理がうまくいかない車が
多くある。80km/h目標で走らせても、70km~100km/hの間くらいの振れ巾は当たり前。
根をつめても息を止めてコントロールしても、仕上げの良くないATはうまくいかない。
お気軽イメージのATだが、ドライバーの管理半分、あとは車の都合、出たなりのスピードで
そのときのスピードが決まる。
“扱いづらいのがATのスタンダード”と化してしまっている車列では、渋滞はなくならない。
走らせているドライバーの努力も要るが、言う事を聞かない車では話にならない。
こんなATにいったい誰がした!
渋滞の原因もそうだが、一歩間違えれば事故にもつながる話。

成熟しないドライバーと、ノーコンATの組み合わせはこわーいという話。