五木寛之氏の「百寺巡礼」全十巻を読み終えた。
氏は第六巻・関西編の最後に第六十番寺として「四天王寺」にお参りされている。
私は大阪在住の身でありながら四天王寺さんはいつも素通りだったのでこれを機会に初めてお参りさせていただいた。
四天王寺は聖徳太子によって建立された日本初の官寺である。
奈良の法隆寺などよりも古い寺ということになるが、残念ながら当時の建造物は一切なくて再建が近年になるものも多くある。
観光バスが押し寄せ人々でごった返すといった雰囲気がないのは、大阪の中心部に3万3千坪の敷地を有している広さのためだけではなく、そのようなことも原因していると思う。
国宝の建物などないから再建は信者によってなされたと聞く。
大阪城も通天閣も民間だけで再建しているのは大阪人の気骨だと思えてなんだか嬉しい。
私は日本三鳥居の一つ、「石の鳥居」から境内に入った(他の二つは吉野の銅の鳥居、宮島の木の鳥居)。
四天王寺式と呼ばれる仁王門、五重塔、金堂、講堂が一直線に並んでいるのがよくわかる。
再建されたものとはいえ、五重塔に登れば隙間から大阪市内が一望できる。
階段の周りは檀家信者の位牌で埋め尽くされている。
敷地はとてつもなく広いがまぎれもなく庶民の寺である。
境内では護摩木を焚いたり、読経をしたりとおつとめが普通になされている。
金堂では読経が行われ信者が祈祷してもらっていた。
講堂正面には掛け軸が並んでいてまるで、日本宗教のオールスターだと五木氏も評していた。
一遍上人(時宗)、栄西禅師(臨済宗)、親鸞上人(浄土真宗)、弘法大師(真言宗)、伝教大師(天台宗)、法然上人(浄土宗)、道元禅師(曹洞宗)、日蓮上人(日蓮宗)の8幅があり、真中に太子の軸が一段高く掲げられている。
それぞれ日本仏教の創始者である太子信仰を深めた方々だし、四天王寺が和宗としてすべての宗教を受け入れていることによると思われる。
時間もあったのでイタリア料理店で昼食をとり界隈を散策することにした。
近くには清水寺があるのでそちらへ。
境内には市内唯一の滝があり、それは京都の清水寺と同じ作りであり、あちらが「音羽の滝」と呼ぶのに対し、こちらは「玉手の滝」と呼ぶ。
小さいながらも舞台もあり市内が眼下に見え通天閣が望める。
一帯を夕陽丘というだけあって、ここから見る夕日は美しいと思われるがあいにくの天候で今日は望むべくもない。
清水坂を下って、愛染坂を上り愛染さんへ。
お月さんと同じで、四天王寺さん、愛染さんと親しみを込めて呼ぶ。
大阪には珍しい多宝塔があり、大阪の夏祭りはここから始まる。
すぐそばにある大江神社には狛犬ならぬ日本唯一とおもわれる狛虎がいて、タイガースのメガホンが所狭しと並んでいる。
真言坂、口縄坂、天神坂とあるが源聖寺坂がカーブを切っていることもあって一番風情があった。
最後は生國魂(いくたま)さんへお参り。
上町台地が確かに台地であることを実感した一日で、坂を上ったり下ったりの一日であった。
ところで冒頭に書いた「百寺巡礼」を十巻そろえると専用ケースと扇子はもらえると言うので、500円の送料を添えて申し込むと過日に送られてきた。
和紙などを使ったもう少し良いものかと思ったが、昔のマンガ雑誌に付いていた附録のようなケースで、袴を切り取って500円で買ったことになるシロモノとしては少々ガッカリ。
いくらデフレの世の中といっても、タダで多くを望んではいけないということだ。
氏は第六巻・関西編の最後に第六十番寺として「四天王寺」にお参りされている。
私は大阪在住の身でありながら四天王寺さんはいつも素通りだったのでこれを機会に初めてお参りさせていただいた。
四天王寺は聖徳太子によって建立された日本初の官寺である。
奈良の法隆寺などよりも古い寺ということになるが、残念ながら当時の建造物は一切なくて再建が近年になるものも多くある。
観光バスが押し寄せ人々でごった返すといった雰囲気がないのは、大阪の中心部に3万3千坪の敷地を有している広さのためだけではなく、そのようなことも原因していると思う。
国宝の建物などないから再建は信者によってなされたと聞く。
大阪城も通天閣も民間だけで再建しているのは大阪人の気骨だと思えてなんだか嬉しい。
私は日本三鳥居の一つ、「石の鳥居」から境内に入った(他の二つは吉野の銅の鳥居、宮島の木の鳥居)。
四天王寺式と呼ばれる仁王門、五重塔、金堂、講堂が一直線に並んでいるのがよくわかる。
再建されたものとはいえ、五重塔に登れば隙間から大阪市内が一望できる。
階段の周りは檀家信者の位牌で埋め尽くされている。
敷地はとてつもなく広いがまぎれもなく庶民の寺である。
境内では護摩木を焚いたり、読経をしたりとおつとめが普通になされている。
金堂では読経が行われ信者が祈祷してもらっていた。
講堂正面には掛け軸が並んでいてまるで、日本宗教のオールスターだと五木氏も評していた。
一遍上人(時宗)、栄西禅師(臨済宗)、親鸞上人(浄土真宗)、弘法大師(真言宗)、伝教大師(天台宗)、法然上人(浄土宗)、道元禅師(曹洞宗)、日蓮上人(日蓮宗)の8幅があり、真中に太子の軸が一段高く掲げられている。
それぞれ日本仏教の創始者である太子信仰を深めた方々だし、四天王寺が和宗としてすべての宗教を受け入れていることによると思われる。
時間もあったのでイタリア料理店で昼食をとり界隈を散策することにした。
近くには清水寺があるのでそちらへ。
境内には市内唯一の滝があり、それは京都の清水寺と同じ作りであり、あちらが「音羽の滝」と呼ぶのに対し、こちらは「玉手の滝」と呼ぶ。
小さいながらも舞台もあり市内が眼下に見え通天閣が望める。
一帯を夕陽丘というだけあって、ここから見る夕日は美しいと思われるがあいにくの天候で今日は望むべくもない。
清水坂を下って、愛染坂を上り愛染さんへ。
お月さんと同じで、四天王寺さん、愛染さんと親しみを込めて呼ぶ。
大阪には珍しい多宝塔があり、大阪の夏祭りはここから始まる。
すぐそばにある大江神社には狛犬ならぬ日本唯一とおもわれる狛虎がいて、タイガースのメガホンが所狭しと並んでいる。
真言坂、口縄坂、天神坂とあるが源聖寺坂がカーブを切っていることもあって一番風情があった。
最後は生國魂(いくたま)さんへお参り。
上町台地が確かに台地であることを実感した一日で、坂を上ったり下ったりの一日であった。
ところで冒頭に書いた「百寺巡礼」を十巻そろえると専用ケースと扇子はもらえると言うので、500円の送料を添えて申し込むと過日に送られてきた。
和紙などを使ったもう少し良いものかと思ったが、昔のマンガ雑誌に付いていた附録のようなケースで、袴を切り取って500円で買ったことになるシロモノとしては少々ガッカリ。
いくらデフレの世の中といっても、タダで多くを望んではいけないということだ。