シネマと虎とグルメたち

犬童一心監督作品に「ジョゼと虎と魚たち」があった。オイラは「観た映画が面白くて、美味いもの食って阪神が快勝」を望んでる。

今年も見送り

2022年07月25日 | グルメ・他
もうすぐ一番下の孫の誕生日で、日曜日の昨夜に娘宅では一足早い誕生日パーティをやってた。
家族全員元気そうで一安心である。
久しぶりに今年の夏はやってくる予定だったが、コロナの第7波が感染拡大しているので、残念ながら今年の夏も見送りになってしまった。
彼らがやって来られるようになるまで老体にムチ打ち頑張らねばならない。
ということで、先日の土用の丑の日は鰻を買って来てうな重を食した。

中国産は抵抗があり鹿児島産。
久しぶりのうな重で満足。
気のせいか少し元気が出たよう。

元気になったのは阪神タイガース。
前半戦終了となる昨夜も勝って、ついに勝率5割に到達、2位に浮上した。
この投手陣を擁していればクライマックスは分からんで!
俄然やる気が出てきた。
コロナの陽性者を出さなければ優勝だって狙える勢いや!
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ベイビー・ブローカー

2022年07月13日 | 映画
遅ればせながら過日に見てきました。

「ベイビー・ブローカー」


監督 是枝裕和
出演 ソン・ガンホ カン・ドンウォン
   ペ・ドゥナ イ・ジウン イ・ジュヨン

ストーリー
古びたクリーニング店を営むサンヒョン。
借金に追われる彼は、“赤ちゃんポスト”を運営する施設で働く若い男ドンスと手を組み、赤ん坊をこっそり連れ出しては、新しい親を見つけて謝礼を受け取る違法な商売をしていた。
ある時、赤ん坊を連れ出した2人の前に、思い直して戻ってきた若い母親ソヨンが現れる。
ちゃんとした養父母を見つけるためと言い訳した2人に、自分も同行すると言い出すソヨン。
こうして思いがけず赤ん坊の母親と一緒に養父母探しに旅に出るハメになったサンヒョンとドンス。
そして、そんな彼らの行動を、現行犯で逮捕しようと目論む2人の刑事が執拗に監視していたのだったが…。

寸評
最近の是枝は血のつながりのない家族を描き続けている。
赤ちゃんを捨てるソヨン。
その赤ちゃんを売り飛ばそうとするサンヒョンとドンス。
出会った彼らの里親探しのロードムービーである。
重いテーマながらエンタメ性を持たせてまとめ上げているが、脚本的に緻密さが足りないような気がする。
そもそもの発端であるソヨンが子供を捨てねばならない事情が希薄である。
彼女は赤ちゃんポストに入れずに、その前に置いていく理由がよく分からない。
登場人物が抱えている背景も説明不足感がある。
ドンスも母親に捨てられた過去を持っているが、40人に1人しかいないという母親の迎えを信じていたことも生かし切れていない。
旅を続けるうちに彼らの中に親しみが生まれてくる。
特にヘジンという10歳くらいの男の子が加わってからは顕著で、彼らは疑似家族化していく。
スジンはサンヒョンとドンスの現行犯逮捕を目論んでいるが、その為には赤ちゃんを誰かに売り飛ばさなければならない。
コンビを組むイ刑事から「何だか我々がベイビー・ブローカーみたいですね」と言われるシーンが面白い。
疑似家族化していく中にサスペンス要素も加わっているいるのだが、どちらも中途半端でもう少し脚本を練り上げれば、より完成度の高い作品になっていたと思う。
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PLAN75

2022年07月01日 | 映画
内容はともかくとして、この映画を見る前にまず驚かされたのは高齢者の観客の多さであった。
座席はほぼ満席状態で、私も70歳を超えた高齢者であるが、見るからに私よりも年上の人も多く見受けられ、75歳以上の方は半数はおられたのではないかと思う。
恐らくは「PLAN75」を自分事ととらえ、自分の最後を考えておられる方がそれほど多いと言うことなのだろう。

「PLAN75」

監督 早川千絵
出演 倍賞千恵子 磯村勇斗 たかお鷹 河合優実
   ステファニー・アリアン 大方斐紗子 串田和美

ストーリー
75歳以上が自ら生死を選択できる制度が国会で可決された近未来の日本。
夫と死別し、一人で暮らす78歳の角谷ミチ(倍賞千恵子)はホテルの客室清掃の仕事をしていたが、突然年齢を理由に解雇されてしまう。
再就職を模索するがなかなか勤め口は見つからない。
やっと得た夜間のガードマンの仕事は体力的に厳しかった。
住む場所も失いそうになった彼女は“プラン75”への申請を検討し始める。
その一方、市役所のプラン75の申請窓口で働くヒロム(磯村勇斗)や、死を選んだお年寄りをサポートするコールセンタースタッフの瑶子(河合優実)は、制度の存在に疑問を抱いていく。
PLAN75を選択すると国から10万円が支給され、チャットサービスも提供される。
ミチはチャットサービスの担当者の瑶子と話すうちに直接会えないかと申し出る。
直接の面会は禁止されているが瑤子は受け入れ、ミチはお茶をしたり、ボーリングをしたりと楽しく過ごしたが、やがてPLAN75のその日がやってくる。
方、母国で難病を抱える子供の手術を得るために介護士として日本で働いていたマリア(ステファニー・アリアン)は、より高収入が得られる「PLAN 75」関連施設で死亡した人の後始末の仕事に就く。


寸評
「PLAN75」は架空の物語であるがテーマは重い。
その為にあえてドラマ性を排除してリアルな物語として描いているように思う。
テーマは重いが、映画の出来栄えとして僕は不満を感じた。
ミチの同僚が仕事中にホテル内で倒れるが、倒れる音だけで映像はない。
観客は想像するだけである。
PLAN75の関連施設で働くことになったマリアは遺品整理中に大金を発見するが、その大金をどうしたのかも描かれていない。
それも観客の想像に任せている。
ヒロムの叔父さんはどうやら火葬時間に間に合わなかったようだが、ではその後どうしたのかも不明のままである。
物語は架空だが、描かれているのはそんなこともあるだろうなというリアルな出来事である。
しかしそこにドラマはない。

安楽死を認めている国はあるようだが、日本では認められていない。
映画は安楽死を否定も肯定もしていない。
むしろ現行制度である介護保険制度への疑問を感じさせる。
自分で自分のことが出来れば自立していることになるのか。
制度が自立を補助し、自立を目指しているものであるなら、ではそうできない人は一体どうしたらいいのか。
冒頭で青年が、老人が増えすぎたので若者にしわ寄せがきていると述べ、老人を殺して自分も自殺している。
冒頭のショッキングなシーンなのでその主張は耳に残るし、実際に日本ではそのような傾向が顕著になりつつある。
コールセンタースタッフの新人に“PLAN75に応募した人が考えを変えることがあるが、そうならないように励まさないといけない”とさりげなく語られている。
死を覚悟した人はさっさと亡くなってくれという国家のホンネが見え隠れする。
生きるか、逝くか、僕にも決断を迫られる時が来るかもしれない。
しかし僕はミチさんの選択はとらないと思う。
「おらおらでひとりいぐも」の桃子さんのように一人になっても、“今が一番充実している”といいう晩年を目指している。
多分その違いが、僕のこの映画に対する評価につながっていたのだと思う。

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