羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

恩師の訃報

2013年08月19日 | Weblog
大河内昭爾氏死去、という記事を夕刊に見つけて「あっ」と思った。
すっかりご無沙汰してしまっていた。
年賀状で大きな手術をされたことを知ったので心配ではあったけれど、
つい月日が経ってしまっていた。
先生はわたしたちの女子大では圧倒的な人気でファンクラブもありそうな勢いだった。
ふんわりと長い髪、やさしい笑顔、魅力的な文学の授業。
そしてわたしにとっては新聞部の顧問であり、卒論の指導教授であり、
とうとう就職口までお世話になって、父親とも近しくなり結婚式にも主賓として
出席していただいた。
何より新宿のお住まいからここ武蔵野の地に転居されて、「川沿いに散歩するのが楽しい」と
あの笑顔で仰っていた。
いつだったか帰り道の中央線で偶然お会いしたとき嬉しくて「先生」と
そばにくっついて座ったら「ちょうど今日、きみから頂いたネクタイピンしてる」と
見せてくれた。あれから何年経ったのだろう。

先日、図書館で津村節子さんの「紅梅」を立ち読みした。
同じ作家仲間のご主人だった吉村昭氏と先生は親しい間柄とお聞きしていたが
「紅梅」(吉村氏の闘病記)にも先生らしき人物が頻繁に登場する。
ほかに借りる本があったのでこれは次回、と棚に戻してきた。
思えばその頃、先生は遠くへ旅立とうとされていたのだ。

お通夜は明日。
文学関係者の方々きっとたくさんみえるのだろう。
ちょっと気後れするけどさいごのおわかれにいこうと思う。
ありがとうございました、とこころをこめて伝えてこよう。

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2 コメント

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ここまで近しかったとは! (芝と苑の管理人)
2013-08-20 00:52:11
sumirekoさん、こんばんは。

私も新聞の訃報欄で大河内先生のご逝去を知りびっくりしました。
でもsumirekoさんのブログのほうがもっとびっくり。
そうなんです、私もMG卒なんです。
昭和58年3月日文卒です。
吉祥寺ガールでした(笑)。
いやもうびっくりですねー。
目に見えない力が働いて巡り合ったとしか思えません。

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運命のひと!? (すみれこ)
2013-08-20 23:50:00
えー!?ほ、ほんとですか!?
こりゃまたビックリ!!
「ヤフオク」という広ーい場所で「本」というたった一つの
キイワードでふと巡り合ったわたしたち。
次々と出現する共通点ですっかり嬉しくなっていましたが
まさか、同じキャンパスの中を歩いていたとは・・・。
こんな偶然ってあるんですね。

shibatosonoさん、今度は是非、
「元吉祥寺ガール・二人会」をしましょうよ。
たのしみにしています
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