羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

扉の向こうにまた扉・・・。

2010年03月20日 | Weblog
「美の巨人たち」に「だまし絵 孤高の画家 謎めく部屋」
とサブタイトルがついていたので、慌ててテレビをつけた。
やはりデンマークの画家、ハンマースホイだった。


ハンマースホイはオランダのフェルメールに影響を受けたと言う。
フェルメールのように静謐な室内画が多い。

この画家のことを知ったのは3チャンネルの「日曜美術館」だった。
以前にもどこかで目にして印象に残っていた。
(たぶん2008年に展覧会があった頃だったと思う、今から思うと・・・)
去年、「日曜美術館」の再放送かなにかで、ようやく名前がわかり、
忘れないように手帳に書きとめておいた。「ハンマースホイ、扉のつづく絵」と
走り書きしてある。

不思議な部屋、曖昧に描かれる対象物、
それは観る者の想像力を映し出す心のスクリーンだと、テレビは解説していた。

わたしはこの誰もいない扉ばかりの部屋に惹かれる。
扉にあるノブは小さすぎたり、手が届かないくらい高い位置にあったりする。
よくみるとノブそのものがない扉もある。
もちろん開けてどこかへ行くことのできる扉もある。
どこへ行くのか、どこかへ行けるのか、それはどこで、じぶんの行きたいところなのか。
不安感と親近感を何故か同時に感じる。
もしかしたら、誰もが抱えている宿命としての孤独感が、共鳴するのかもしれない。