東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

保証金/敷金トラブル/原状回復/法定更新/立退料/修繕費/適正地代/借地権/譲渡承諾料/建替承諾料/更新料/保証人

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を自ら守るために、
自主的に組織された借地借家人のための組合です。

東京・台東借地借家人組合

借地借家人組合に加入して、
居住と営業する権利を守ろう。

無料電話相談は050-3656-8224(IP電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
土曜日日曜日・祝日は休止 )

 尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。
 

借地の更新についての回答

2022年03月17日 | 民法・借地借家法・裁判・判例

(問)地主が2021年12月、借地の期間満了が2022年1月1日なので借地の更新に当たって、借地の更新料(1坪当たり600万円)504万6000円、「更新手続き後に改定地代5万3824円(地代1坪当たり2200円を3200円に増額請求)をお支払いください」と請求してきた。2022年1月15日までに回答を求めている。どう回答すればいいでしょうか。


(答)取敢えず、借地の更新は3年後であることを回答するすればいいと思います。更新料、地代増額に関しては先延ばしにして、対抗策を考えることにするのが最善の策かと思います。以下が回答例です。

 

借地の更新についての回答> 

(1)借地借家法は平成4年(1992年)8月1日から施行されている。それ以前に設定された借地権については、「建物の滅失後の建物築造 による借地権の延長に関してはな、従前の例による」(借地借家法7条)とされているので、当該借地権は旧「借地」法7条が適用される。

(2)「借地法」7条の趣旨は賃借人が残存期間を超える耐用年数のある建物を再築することに対して賃貸人が遅滞ない異議を述べなかった場合、借地権は建物滅失の日から、堅固建物については30年間、その他の建物については20年間存続する。滅失建物再築による借地期間の延長を規定する。

(3)ここでの「滅失」は「建物滅失の原因が自然的であると人工的であると、借地権者の任意の取り壊しであると否とを問わず、建物の滅失した一切の場合を含む」(最高裁昭和38年5月21日判決)。賃借人が再築するために旧建物を取り壊す 場合も滅失するに該当する。

(4)なお、「借地法」7条の条文上は存続期間の起算点は「建物滅失の日」となっている。しかし、30年も時間が経過すると滅失日 が確定できない場合もある。そのような状況を考慮して、存続期間延長の起算点を「建物保存登記日」とする判例(東京地裁昭和48年7月25日判決)がある。この判例によれば当該建物の滅失・保存登記日は1995年3月17日である。「借地法」7条の規定によれば、当該堅固建物の場合、借地の存続期間は、建物滅失の1995年3月17日から30年間と法定されている。

(5)借地契約書第2条に記載されている「平成4年1月1日から30箇年とする」によると借地期間30年の満了日は2021年12月31日になる。しかし、借地法7条の規定から再築による借地期間の延長によって2025年3月16日までの30年間と法定されている。従って、2022年は更新年ではなく、2025年3月17日が更新日になる、これが今回の解答である。

(6) 契約書の第2条に「更新料の額については甲乙協議により決定する。」と記載されている。しかし、今回の文書では協議することもなく、一方的に合意事項を踏み躙り、更新料(504万6000円)の支払い請求を押し付ける姿勢・態度には納得できない。地代改定(更新後、1か月当たり2万6912円を5万3824円に増額)も協議も無く一方的に行う等、今後も同様の態度で臨むのであれば、当方も、それ相応の態度で応じざるを得ない。

 

東京・台東借地借家人組合

無料電話相談は 050-3656-8224 (IP電話)
受付は月曜日~金曜日 (午前10時~午後4時)
土曜日日曜日・祝日は休止 )
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。