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判例紹介
借地契約の存続期間が近い将来に満了する事案において、堅固な建物所有を目的とする賃貸借への借地条件変更の申立が棄却されて事例 (東京高裁平成元年11月10日判決、判例タイムズ752号231頁)
(事案)
抗告人(地主)の先代は昭和25年7月1日に借地人の先代に、非堅固建物所有の目的で、期間20年の約定で土地を賃借していた。
借地人先代は昭和25年9月頃建物を建築し、昭和35年にはこれを増築していた。
本件賃貸借は昭和45年7月に更新され、平成2年6月30日に期間が満了する。
昭和62年に借地人は既に相当程度老朽している建物を取壊して、鉄筋コンクリート造5階建の居宅兼共同住宅の建築を計画して、条件変更の申立をしていた。
抗告人(地主)は更新を拒絶する正当事由があるとして争ったが、原審は借地人の請求を認めた。これに対して、抗告審は、原審決定を取消した事案である。
(判旨)
「借地契約の存続期間が近い将来に満了する借地契約につき、借地権者(借地人)から堅固な建物所有を目的とするものへの借地条件変更の申立が成された場合において、土地所有者が右存続期間満了の際には契約の更新を拒絶する意向を予め明らかにしているときに、その借地非訟手続において、更新拒絶に正当事由が認められないと判断した上、右借地条件変更の申立を容認しこれに伴って借地権の存続期間を変更の効力発生時から30年の延長するとの形成的処分を行うときは、土地所有者は、対審公開の民事訴訟手続において借地権の存否(更新の成否)の確定を求める途を与えられないまま、実際上極めて長期間にわたり借地を回復し得ない結果となるから、現時点において、将来の更新の見込みが確実であるといえる場合であるか、更新の成否について本案訴訟による確定を待つことなく、借地条件を堅固な建物所有を目的に変更しなければならない特段の事情の存する場合でない限り、右借地条件変更の申立を容認するのは相当でない、と解される。」
(寸評)
判旨は、従来からの実務の実勢に添ったものであり異論はないと思われる。但し、更新拒絶の正当事由の存否の判断が、微妙な事案についてすべて本案の判決を待たなければならないというべきか、検討を要するところである。
非訟手続の申立によって、更新をくぐり抜けるという方法に問題があることを指摘するために本判例を紹介した。
(1992.02.)
(東借連常任弁護団)
東京借地借家人新聞より
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東京・台東借地借家人組合
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