こちらもFabrizio BossoやDaniele Scannapiecoなどが参加したイタリアの若きクインテットによる一枚。本国でのリリースは昨年なんだけれど、最近ジャケ違いの国内盤がリリースされてHMVなどで話題になっているから、知っている人もいるかもしれませんね。僕の持っているのも国内盤なのですが、なんだかジャケット載せようとするとバックの色と被って微妙になりそうなので、こちらのオリジナル・ジャケを掲載しておきますね。ダサいですが・・・。さて、まず驚くべきことに彼ら5人のうちピアニストを除く4人がOther Directions参加組です。で、アルバム全体としてもBossoのリーダー作に比べると上品な雰囲気が漂っていて、Other~にかなり近い質感を放っているのが特徴。まぁあの完璧なアルバムには敵わないながらも、そこそこにグルーヴィーで良質なジャズ・アルバムとなっています。単純に好みの問題でしょうけれど、PovoやP.Fedreghini & M.Bianchiよりはこちらの方が好みかな。ちなみに一聴しただけではM-1のConversationが使えるジャズ・ダンサーとなるのでしょうが、実はそれよりも素晴らしいのがM-8のWide Green Eyes。夜感漂うスロウでモーダルなジャズ・ボッサです。7分と若干尺が長いのがたまに傷ですがQuartetto Modernoによるスパルタクスのテーマを思わせる愛すべき佳作です。こちらもCDのみなので、興味のある人は外資系大型店にでも足を運んでみてください。
僕はそれほどのジャズマニアではないので全く知らなかったのですが、最近人気があるらしいイタリアの若手トランペッターによる昨年リリースの2ndアルバムです。クラブジャズ・リスナーの方にとってはあまり馴染みがない名前かもしれませんが、彼はNicola ConteのOther DirectionsやSchema Sextetでも主力として活躍していた人物。おまけにこのアルバムでバックを固めるドラムスのLorenzo TucciとテナーのDaniele ScannapiecoもOther Directionsに参加しています。ここまで書けば想像は付くかもしれませんが、音的にも古き良きイタリアのハードバップを現在に継承したかのようなサウンドでかなり格好いいです。ただ、Other Directionsと違う点は曲がDJユースでは全くないということ。やっぱりあちらはDJであるNicola Conteの作品なので、一応全曲クラブプレイ可能なものばかりですが、このアルバムをクラブでかけるのは正直難しいと思います。テンポが速すぎたり変わったり尺が長すぎたり・・・とまぁプレイには不向きな要素がてんこもり。格好いいことは確かなんですけれどね。ただM-5のJohnny Comes Latelyという曲はかけられそうというかむしろかけてみたい曲。高速4ビートでストレート・アヘッドなバップ・ナンバーです。Basso = Valdambriniを彷彿させる二管のアンサンブルが文句なし。最近の録音のはずなのに最強に格好いいです。尺も4分強と適当なので、今度のミックスCDにでも入れてみようかなと思っています。ちなみにCDオンリーなので、お間違えのないように。追記になりますが、M-11のI'll Remember Aprilも長いながらに素晴らしいです。Nicola ConteのThe In Betweenと繋げてかけるとハマりがばっちりですね。