90年代当時からの洋楽ポップス・ファンなら誰でも知っていると思われる、スウィング・アウト・シスターによる1992年リリースの3rdアルバム。90年代のクラブではM-3のAm I The Same Girlがメジャー系UKソウルとして大人気だったので、僕と同世代くらいならばそちらのルートで知った方も多いことでしょう。リリース当時はまだ小学校低学年だったため、当然僕もクラブ経由の後追い世代です。ただ、Am I~はともかくその他のアルバム収録曲を真剣に聴くのは実は今回が初めて。10年くらい前に一度トライしてみたことがあるのですが、その時は90年代特有のサウンドをどうにも耳が受け付けなかったんですよね。モロに80年代後期サウンドな1stや、同時代のピチカートファイブのように往年のポップスを当時の質感で見事に甦らせた2ndはすんなり聴くことが出来たのですが、この3rdはどうも苦手で自分の中で寝かせていました。ただ、最近また自分の中でUKソウル熱が再燃していることもあり、もう一度チャレンジしてみようと引っ張り出してみたらこれが大当たり。長く音楽ファンをやっていると誰でもこういうことあると思いますが、過去に苦手だった音がすんなり受け入れられるようになるときというのは、自分の世界観が広がったような気がして非常に気持ちいいものです。閑話休題。さて気になる(?)アルバムの中身はと言えば、当時全盛期だったクラブ・サウンドの質感を取り入れた見事な90年代ポップス。今の気分的に気持ちいいのは彼らなりのアシッドジャズを聴かせるM-5のWho Let The Love Outや、開放的ながらもどこか切なさのあるメロディーが気持ちいM-11のDon't say the wordあたりでしょうか。トレード・マークのおかっぱ頭を伸ばしたコリーンも昔は苦手だったのですが、今ならすんなりと聴くことが出来ます。例によってブックオフだったら確実に250円のはずなので、聴いたことないという人は是非チャレンジしてみてください。ちなみに本作ではなく2nd収録曲ですが、彼らのWaiting Gameという曲のPVは、僕がこの世でもっとも好きなPVだったりします。
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