At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Let There Be Spice / Spice

2014-04-05 | Free Soul
昨年ディスクユニオンのThinkから再発され、一部マニアの間で話題になったレコード。詳細不明のスウィートソウル系グループ、スパイスによる1976年の作品です。このLPのリリース元であるTSGというレーベルには他にジ・アルティメッツ、ザ・トピックスという有名な作品があり、本作もそれらと肩を並べるマニア垂涎の激レア作品として紹介されることが多いですが、思い切りスウィートソウルな他2作と比べこちらはもう少しモダンソウル寄り。そのため僕のような本格ソウルに抵抗あるリスナーにも比較的聴き易い一枚となっています。特にTropicooool Boogieにも収録されたB-1のThe Last Timeは、暖かくなってきたこれからの季節にぴったりハマる爽やかなミディアムソウルでアタマ一つ抜けた完成度。フリーソウル好きなら一発でやられる気持ちの良いメロディーラインがたまりません。いわゆる甘茶系に特有な黒人っぽさも良い意味で控え目なため、前後の繋がりさえ少し考えてあげれば、AORに混ぜてかけても違和感なく溶け込ませることが可能かと思います。続くB-2のYou've Got Me Girlも同系統のポップソウル。たとえばリロイ・ハトソンがプロデュースしたVoices Of East Harlemの2ndや3rdあたりが好きな人なら、この気持ちよさに虜になること間違いなしでしょう。ちなみにジャケットには女性が写っているため誤解する人もいるかもしれませんが、この人たちはあくまで男性ヴォーカル&コーラス・グループ。全編通じて女性ヴォーカル曲はないため、お間違えの無いようご注意ください。オリジナル盤は非常にレアかつ高額なため高嶺の花ですが、再発盤ならばまだ手軽に入手可能と思われますので気になる方はお早めに購入ください。洗練されたポップソウルが聴きたい人には絶対にお勧め。甘茶と聴いて抵抗のある方にこそ聴いてみてもらいたい一枚です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする