At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Lost And Found / Calico

2014-04-12 | AOR~BES
知っている人は知っているカナダはオンタリオ州ミシサガ産のマイナー盤。「カリコ」なる男女ツインヴォーカルによるAOR~BES隠れ名作です。Andy Parisien(アンディ・パリジャン)、Donna Lee(ドナ・リー)という主役二人の素性はよく分かりませんが、プロデュース&アレンジを務めるキーボーディストのJames E. Dale(ジェームス・エドウィン・デール)を筆頭に、サイドを固めるのはカナダでは良く知られるというビッグバンドRob Mcconnell & Boss Brass(ロブ・マコンネル&ボス・ブラス)のメンバーが中心。元々ジャズ畑のプレーヤーが演奏しているだけにそのレベルは高く、マイナー盤ながら味わいのある一枚になっています。LPにはデュオ曲、各ソロ曲の双方が収録されていますが、個人的には透明感がありながらよく伸びる女性ヴォーカル中心のナンバーがお気に入り。軽やかなフルートに導かれるA-2のWhat Am I Gonna Doや、静かなイントロから突如転調し中盤からライトファンク・ナンバーとなるB-3のSo Glad、さらに国産シティポップに通じるライトメロウなB-5のSay Goodbyeなど、いずれも極上のフュージョン系ヴォーカル・ナンバーに仕上がっています。フリーソウルで人気だったマリリン・スコットや、同じカナダ出身のパッツィー・ギャランあたりが好きな人は、一発で虜になること間違いなしでしょう。また、男性ヴォーカル曲で素晴らしいのは若干ブラジルがかったライトメロウなB-6のSunday Afternoon。軽やかな演奏に乗るジェントルな歌声が心地よく、タイトル通り休日の午後に聴くのに最適なナンバーとなっています。インディー盤であるため、それほど入手が容易な類の作品ではないと思いますが、そのレアリティーも含め個人的には和モノAORの隠れ名作として知られる東北新幹線のカナダ版といった印象。いずれにしろこの手のマイナー盤好きにはグッとくる作品だと思いますので、気になるひとは是非聴いてみてください。
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