Tubby HayesやRonnie Scottと並び称されることが多いイギリスの名テナー奏者、Don RendellがJazz Six名義でDeccaレーベルからリリースした58年録音のアルバム。後にトランペッターのIan Carrと結成した双頭コンボでは、マイルスやコルトレーンからの影響を受けつつも、それを独自に昇華した演奏を披露してくれることとなるのですが、この時点においてはまだそうしたモーダル~フリーな雰囲気はあまりなく、全編においてかなり快活でストレート・アヘッドなハード・バップを展開しています。58年という微妙な時代柄、アメリカのジャズを単純に模倣している感は否めませんが、それでも楽器自体の演奏能力はそれなりに高いし、オリジナルの曲などもあるので一聴の価値はあるのではないでしょうか。軽やかにスウィングするM-3のMy Friend Tomというオリジナル曲なんかは、上手く使ってあげることが出来ればクラブ・プレイも可能かと思われます。当時のものとしては結構良い音ですしね。ちなみにDeccaからリリースされているオリジナル盤は結構レアで、おまけにこの辺りのUKジャズは皆そうですが高いです。とても僕たちのような民間人の手の届くレコードではないので、迷わず昨年再発されたCDを買いましょう。ちなみに先月号のジャズ批評に載っていた彼の7インチの内、Deccaからの2枚はこのCDに収録されていますよ。わりと普通に手に入るアルバムだと思うので、興味があれば聴いてみてください。
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