どこか母性を感じさせる暖かなジャケットも印象的なJoyce Coolingの88年にリリースされた1st。前述Rebecca Parrisでも紹介したIt's Youの元がこのアルバムだというのは有名な話ですね。ちなみにSunaga t Experienceによる2000年のカヴァーも未だに人気が衰えません。もちろんこの曲の素晴らしさは言うに及ばないのですが、このアルバムは決してそれだけのものではないと僕は思います。基本的にはブラジリアン・フュージョンながら白人特有のAORっぽさも随所に感じられ、また80年代後半という時代柄クリスタルっぽさも少々・・・。都会的でライトな感覚に全編が覆われたアーバン・リゾートなアルバムに仕上がっているのです。A-2のThe Way OutやB-3のIt's On Youはその好例と言った感じでしょうか?アコーディオンのときめくような音色が美しいA-3のVoo Doo Chickenも最高。暑い夏の日はクーラーのかかった部屋でこんな素敵な曲を聴いて涼みたいですね。ちなみに昨年再びアナログでの再発があったようです。でもCDでは普通に手に入りますが、アナログだと再発でもなかなか見かけないですね。ちなみにオリジナルは・・・未だかつて見たことありません。1000枚のみのリリースのようです。
いつの間にか知らぬ間にCD化されていたようなのでさっそく購入しました。Hatch Boxとしてリリースされている6枚組CDの中の一枚。なんと言ってもM-1のI Must Knowが最高。Young GenerationのThis Is The Lifeと双璧をなすハッピー・スウィング・ソフトロックの金字塔です。バックの力強い演奏に乗せたJackie TrentとTony Hatchの鴛鴦夫婦による楽しげなデュエットがどこまでも気持ちいい至福の一曲。これ聴いてテンションが上がらない人はおそらくいないと思います。まさにクラシックの名にふさわしいと言えるでしょう。その他の曲もどれもなかなかに素晴らしく、どことなく古き良きアメリカ(イギリス人なのですが・・・)を思い出すポップス・カヴァーのソフトロックが満載です。特にアナログだとB面に当たるM-8のLiving It Up Again、M-9のThe Fool On The hill、M-10のThe Jokerという問答無用の3連発が最高に気持ちいいです。既に異常なほどのブームは過ぎてますが、それでもまだまだオリジナルは見つかりにくく値段もそこそこ張っていたので、これは嬉しいCD化です。アナログ派と言えど、たまにはCDもチェックしないとダメですね。