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【原油価格高騰に歓喜のリフレ派】高騰石油代が揺るがす円安誘導の妥当性②

2014-06-25 00:01:28 | 日本

(前回からの続き)

 ご存知のとおり安倍政権・黒田日銀の両者は、意図的にインフレを起こして日本経済を活性化させようというリフレ政策を推進しています。具体的な手段として異次元緩和と呼ばれる金融政策(国債の大量買入れ等)で為替レートの円安を誘導し、輸入原材料の円建て価格の上昇を促すことでインフレを引き起こしてきました輸入インフレ:「悪いインフレ」ともいうが・・・)。

 以前こちらの記事に書いた企業物価の上昇等に現れているとおり、それがここまで奏功したうえ、前述の地政学的要因でドルベースでの原油価格まで上がってくれば、わが国の輸入インフレはますます激しくなり、消費税率アップにともなう物価上昇分と合わせると、両者の目標である年率2%をかなり上回るインフレ率すら達成できそうです。「ガソリン価格1リットル170円!? やったー! インフレ激化は間違いなし! ということでアベノミクスはますます順調。これで腰を据えて集団的自衛権容認をめぐる議論ができる!」といったあたりが安倍首相周辺の本音なのではないでしょうか。

 このように、アベノミクスの支持者の皆さん―――「インフレは良いことだ!」と訴える人々にとって、足元の原油価格の高騰はまことに好都合。それは黒田日銀にとっても歓迎すべき状況といえるでしょう。消費税率の引き上げにともなうデフレを回避したい日銀は目下、輸入インフレをさらに煽る策(さらなる円安誘導策)として「追加緩和」の実施を検討しているはず。そんななか、ここのところのエネルギー価格の上昇が日本経済に追加緩和と同じような物価引き上げ効果をもたらしてくれています。これで当面、日銀には追加緩和を発動する必要がなくなりそう。つまり日銀は「追加緩和」カードを温存できるということになります・・・。

 こうしてみると、ガソリン:リッター170円に象徴される原油価格の高騰は国民にとって喜ばしいことといえそうです。なぜなら著名経済学者が「100%正しい」と評価し、安倍総理自らが「これしかない!」と断じた「アベノミクス」のねらいどおりの展開になってきたから。これでインフレがもっと激しくなれば、多くの人々が、それこそ「100%=全国民」が幸せになれる・・・。

 ・・・って、本当にそうでしょうか。ガソリン代、電気代、ガス代といったエネルギー価格がどんどん上がって喜んでいる人って、安倍政権、黒田日銀、経済学会や主要メディア(そして産油国)以外にどこにいるというのでしょうか。「リフレは正しい」って、いったいどのような意味で「正しい」のでしょうか・・・。

(続く)


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