Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

イベントとして根付かせておいての規制は無理

2023-10-30 20:43:51 | 時事
渋谷区が変態仮装行列のイベント会場ではない、とイベント目当てに集まらないように呼び掛けていますが、まあやらないよりはマシとはいえ、これまで変態仮装行列を肯定してきて都合が悪くなったから手のひらクルーは通りませんよ。説得力がありません。警察もいろいろやっているようですが、DJポリスとか生ぬるい対応で馬鹿を付け上がらせてきたなれの果ての事態ということが分かっていませんね。警備コストの原資は税金です。警察官の時間外勤務の手当だって馬鹿になりません。

そもそも仮装行列やよその家に押しかけて「お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうぞ」と強請るという不良っぽい行事を、カボチャのディスプレイで誤魔化してイベントとして商機にしようとした浅はかさが破綻しただけであり、その意味では自業自得です。
渋谷区はまだそれでも「悔い改めて」いるからマシで、他の大多数の都市ではイベントをして盛り上げようという姿勢をとっているわけで、顔にペイントして仮装行列というイベントを子供相手にしていて、それが当たり前と刷り込んでいて、迷惑だから仮装で来るな、といわれてもキョトンとするだけですよ。今回の渋谷区の対応に対しても、仮装することが当然という前提で規制に当惑する声が堂々と流される有様ですから、三つ子の魂百までじゃないですが、イベントを業績も含めて後押ししていては、いつかはこうなるのです。そうそう、変態仮装行列という意味では、サッカーの国際試合で渋谷のスクランブル交差点がバカ騒ぎ状態になるというのも同根です。フェイスペインティングとか妙な風習を根付かせてしまった点でも。

だったら最初からこういう行事は導入しないだけです。我が国の伝統にこんな無様な行事などありません、というか今世紀に入ってから過熱したバカ騒ぎに過ぎません。
路上飲酒もそうですし、仮装にしても罰則を伴う規制をすべきでしょう。一種の「仮装」で電車の中で放火等の犯罪に及んだ犯人もいましたよね。有無を言わさずその場で過料を徴収する、というくらい厳しくしないと元には戻りませんよ。「ワタシニホンゴワカリマセーン」的なインバウンドも含めて厳罰にすべきです。まさに「割れ窓」が発生したのが現状ですから。



自分の定義に当てはまらないから失敗という理論

2023-10-30 20:42:03 | 交通
新潟のBRTが「BRT」の看板を下ろすそうで、早くも「失敗」と断じる向きが出ています。
「税金で電車ごっこ」の勢力が、専用道でない、運賃授受が、とBRTの定義を極力狭く主張してBRTを否定して回っているのに阿った格好ですが、新潟のBRTを使えばわかるように、かなりの高度化はされており、都市軸としても分かりやすくなっており、専用道でないという主張も、じゃあチンチン電車に毛が生えたレベルで「LRT」とこちらは極力広く解釈するご都合主義との矛盾が目立ちます。専用道でないと、という形式にこだわるその口で、連接バスがあればBRTというのはおかしい、と形式にこだわることを否定していますし。もちろんLRTに関しては「新型電車」、すなわちLRVに過ぎないのにシステムとしてのLRTだと言い張ってますし。

新潟のBRTは青山乗り換えが嫌われた面がありますが、足元の全国的なバス運転手不足の流れを見れば、必要な輸送力を上手に確保できているわけです。旧鉄道線の「裏道」を上手に使い、そして専用道でないと、というような過剰設備を要求しなくても成立できる、という実績を示しているわけです。

そもそもBRTは鉄道廃止後の軌道敷活用という流れこそおかしいわけです。
BRTとは名乗っていませんが、国際的にはBRTとして紹介されることが多い名古屋の基幹バスを見ればわかる通り、道路に設定することの方が国際標準です。専用道に固執する向きもそうですよね。国際標準と称してどこぞの海外発の「定義」を振りかざして専用道ガー、といっているBRT「否定派」がいますが、基幹バスレベルでBRTを名乗るケースはいくらでもありますから。

あるいはBRTというのが差し障りがあるのなら、「基幹バス」にすればいいんですよ。変な横文字で誤魔化さずに。基幹バスであれば中央レーン方式でも路側レーン方式でもOKですし。逆に専用道さえあれば、というのであれば、JRバス関東の白棚線や、廃止されましたが西日本JRバス(→奈良交通)の五新線(阪本線)や富山地鉄バスの旧射水線専用同区間などがBRTになりますが、そうは言わないですよね。

BRTとしての使い勝手、分かりやすさという意味では、新潟のような「ゆるーい」方式の方がいいですね。主要な交通軸として区分され、一定の高度化も図られている。JR東日本のBRTも鉄道廃止代替だけでなく、特に停留所の高度化があるから一般路線バスとの違いが際立っており、逆にそれがないと頻繁運転する一般路線バスの域を脱することが出来ません。その意味では大阪の大正通の大阪シティバスは高度化という点で足りないわけで、逆に「いまざとライナー」はフリークェンシーという意味では大正通に遠く及びませんが、高度化という点ではBRTといえます。

もう一つ、意外と良さを感じるのが「かしてつバス」で、これは廃止代替ですが、専用道を非常に「ゆるーく」作ったわけです。
鉄道由来ということもあり厳しいカーブもなく、視界が効く状況で、路盤が1車線ギリギリではなく、まあ悪く言えば「雑に」舗装しているため、あちこちで離合可能な状況です。交換駅での交換が必要な鉄道時代と違い、1.5車線道路を通る田舎のバス的な面が強いので特に交換待ちを意識しないでも走れるという強みは、JR東日本の廃止代替BRTでも導入できていれば、というものです。

名古屋の基幹バス、ガイドウェイバスに、JRの廃止代替BRTと、鉄道と分け隔てなく案内されているかもまたカギになります。
名古屋でもそこまでは出来ていませんが、地下鉄などの駅で高度化されたバス路線を「XX線乗り換え」というように案内できるかです。使い物にならない軌道系を案内するのであれば、当然使い勝手のいいバスを案内すべきです。その意味ではバスにも「XX線」という名称を付けるべきです。ちなみに今でも地方に行くと残っているケースがありますが、地方鉄道の廃止代替バスを鉄道時代の名称を受けて「XX線乗り換え」というように案内しているケースがあり、バス路線の乗り換え案内として見ても、やれば出来るはずですが。



「絶対善」を否定して得られる評価

2023-10-30 20:36:16 | 時事
イスラエルとパレスチナ(ハマス)の即時停戦を求めた国連総会決議にイスラエルの庇護者である米国が反対するのは当然ですが、日本も反対という露骨な追随はしませんでしたが、棄権票を投じ、総会決議に背を向けた格好になりました。

カナダが提出したハマス非難の色彩が濃い決議案が賛成多数とはいえ成立に必要な賛成数を集められなかったことを見ると、とにかく即時停戦、というのが国際社会の意思と言えるわけで、日本のスタンスというものの底が見えた格好です。

決議された方の議案はアラブ諸国が起案して代表としてヨルダンが提案した格好ですが、これもなんだかな、という話で、現地事情が悪化した際の邦人退避用に自衛隊機を派遣していますが、それが待機しているのがヨルダンなんですよね。
自国民避難のための便宜は求めておきながら、提案した決議案は棄権ですか、というネガティブな感情が起きても不思議ではありません。

日本が中近東外交における独自のプレゼンスを保持していた頃であれば、それこそイライラ戦争の邦人退避に自国機を飛ばして尽力したトルコのような協力も期待できたわけですが、米国には栄えないとはいえ、明らかにイスラエルに忖度した格好の対応は従来に増して中近東におけるプレゼンスの低下を招くでしょう。東日本大震災と原発事故で化石燃料の大量確保が必要になった時に、確かにカタールなど輸出に協力してくれましたが、コマーシャルベースですからね。化石燃料の炊き増しに兆円単位の負担を10年以上継続している現状に麻痺して気が付かないのでしょうが。

どっちに肩入れするという話でもなく、人道面での即時停戦、というのは説明が付きやすいわけで、だからこそフランスなどEU諸国の一部も賛成したわけです。自衛権ガー、と今回の決議を批判する向きがありますが、じゃあ自衛権の名の下に攻め滅ぼすことが可能なのか。正当防衛ではなく過剰防衛の域でしょう。まあ大量破壊兵器ガー、と言って主権国家を潰した前科がある人たちとそれの賛同者ですからさもありなんですが。

ちなみに今回ハマスの人質になったのは実はその半数近くがタイ人(タイ国籍保有者)です。さらにタイ人は30人以上が殺害されています。東南アジアにありがちな各種出稼ぎが裏目に出た格好ですが、タイは軍事的には西側と目されているものの、あからさまに親米ではなく、それどころか足元は中国の影響が否定できません。ですから人質の多くがタイ人というのはハマスにとっても人質の実効性という意味では疑問符なわけで、自国民が多く犠牲になり、かつ人質というタイ政府がいい面の皮、という結果になっています。

ところがそのタイは今回の決議に賛成したわけです。ハマス名指しのカナダ案には棄権と、まあハマスのご機嫌を損ねたくはない、という意図が透けて見えますが、切羽詰まっている事情があるとはいえ、即時停戦という大義を取ったわけです。
自国民保護という政府としての最大の使命はありますが、じゃあ誘拐犯に従うのか、というジレンマがあるなかで、賛成したわけです。これもハマスへ配慮という面が否定できないですが、即時停戦という大義を理由にできるわけです。

今回の両案に対する対応としては、賛否棄権で同じスタンスを取るか、あるいは即時停戦という絶対善を取らない限り、どちらかの勢力に与している、肩入れしているという批判は免れません。その意味でも即時停戦という大義に寄り添った方が国際社会へのアピールになりますし、よしんば米国の不興を買ったとしても一定の理屈は立ちます。

ところが日本は米国に与したわけですが、逆にアラブ諸国やインドネシアといったイスラム教国はカナダ案に反対し、ヨルダン案に賛成しました。これはある意味分かりやすいスタンスですが、日本の場合はこれも「分かりやすいスタンス」とはいえ、即時停戦を否定するという目的を否定する(乗り越える)理由に乏しいわけで、国際社会へのアピールという意味では同じく絶対善を押し立てた核兵器禁止条約の時と同様、ネガティブに働くことでしょう。同盟国というか事実上の宗主国の顔色をうかがうだけではやっていけない時代ですから。