木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

アメリカでも日本でも起きている「中心の崩壊」。

2010年12月12日 | Weblog

菅首相「武器輸出解禁見送り」を決定、社民との連携に配慮。
また「労働者派遣改正法」と、国民新党が推進する「郵政改革法案」を通常国会で成立させる方針を決定という記事が。
菅総理もやや正気を取り戻したのかと一瞬思ったけど、1日でも長く総理でいたいというためだけの決断か。
何しろ、大連立を組みたい自民党が、政権を奪い返したいばかりに、なりふり構わず民主党を攻め立てている現状では、大連立は当面組めそうもない。

ウィキリークス創設者のジュリアン・アサンジ氏が、わけのわからない罪に問われ、国際手配までされて逮捕された。
権力に都合の悪い事実を明らかにしようとすると、必ずこうした報復が権力側からある。
しかしこうした報復は今まで何回も見せられているので、これによって国家の犯してきた罪(この場合アメリカだが)が消えることも減ることもない。
ウィキリークスが公開した情報は、基本的に内部の人間によって情報提供されたものである。
いわゆるハッカー行為によって内部情報を盗んだというものではない。
ということは、内部の人間に「これはひどい。何とかしなくては」という意志があっての行動ということになる。
アサンジ氏は、アメリカ政府の外交文書の次には、アメリカの多国籍企業の犯罪を証明する文書を公開すると予告していたが、それはこれからどうなるか。
ウィキリークスといわば両輪の役割を果たしているように思うアメリカの独立系メディア「デモクラシー・NOW」。ここでもアメリカ政府、そして資本家の、それは罰せられて当然の所業が報道されている。
マサチューセッツ工科大教授で言語学者の反体制活動家ノーム・チョムスキー氏は、現在のアメリカの現状を「中心の崩壊」と表現した。
それは、政府の責任者がモラル・ハザードを起こしていることを指す。圧倒的多数の貧困・中間層である勤労者の生活をかえりみない政策を遂行して何らの痛みも感じないでいるのだ。
『アメリカの大強盗』という著書をあらわしたロバート・シーア氏は、クリントン大統領時代の財務長官サマーズを「毒入り金融商品」を作った張本人としている。
そのサマーズがオバマのために選挙中、800万ドルの資金を集めたという。オバマはウォール街の言いなりにならざるを得ない。
シーア氏は言う。「凡人の常識に戻ろう。頭のいい、最高の教育を受けた人達の失敗はそのことを私達に教えている」。
ロスアンゼルスタイムの元記者も「頭脳明晰と言われる人々は、実は知っているふりをしているだけ」と評している。
オバマは「黒人も白人もヒスパニックも、アメリカ国民は一つになろう」と呼びかけた。
だがそれはまやかしで、大泥棒の罪を免罪することだった。
マネーゲームの火遊びの大失敗を税金で救われた銀行に、中間層の人々は住宅を奪われた。
この20年間、アメリカの大銀行の不道徳な行為に対しては軽い罰金で済んでいる。だから何度も同じことを繰り返す。
その上、マネーゲームの狩人達は穀物市場を投機の対象にして、小麦やとうもろこしが高騰し、そのために世界で数百万の人々を飢えさせた。
実需を忘れている金融資本主義は、資本主義の末期症状だ。

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