日本の政治や行政は、伝統的に組織を強化してきた「霞が関の中央官庁」によって、支配をされている。
保守党政権の場合は特に顕著だが、政権交代した野党の政治には、政策立案能力が低く、合意形成が不得意で、すぐに分裂してしまう。
長期的な観点が不足しているので、細部で対立すると、妥協策を生み出せる合意形成能力がないから、対立したママ停滞する。
停滞した状態を世論が許さない段階になると、無理矢理に対立を押し切って、一方を切り捨てるから、すぐに分裂した政権運営になる。
それに呆れて次の選挙では、安定政権を望んで保守党に戻ってしまい、世襲制によって、地盤を引き継いだ政治家が返り咲きをする。
こうして、保守政権が長く続くようになると、政策に対して不勉強のままに、当選回数を重ねることになる。
政治信条は、「揉めないこと」と、「分裂しないで、何ごとも無理な挑戦をしない」で、時が来るのを待つ。
その間は、中央官庁の方針に沿って、無難に対応するのが、長続きするコツだから、表向きだけを繕うことが政治活動になるのだ。
世襲で高い地位に就いた政治家は、ほとんど全部がこのタイプなのだ。
変動の激しい世界の流れには、周回遅れになるのが常態であるから、日本の経済も存在感も低下していく一方になる。
このままでは、日本は世襲制による封建国家の状態に落ち込むだろう。