台風19号の襲来で、地方の小さな河川が堤防決壊したり、氾濫危険水位を超えて越水して、住宅の多くが洪水被害を受けてしまった。
堤防が決壊した河川の約9割が県の管理であったが、各県管理の中小河川では、水害への備えが手薄になってしまった。
流域面積がひろく、氾濫などで大きな被害が出るおそれのある河川については、「浸水想定区域図」つくるように義務付けされている。
中小河川には義務付けがないケースが多く、被害を拡大してしまった。
今回に決壊した71河川のうちの36河川には、「浸水想定区域図」がなく、洪水に対する備えは欠落していたのである。
本来は治水の原則では、気候変動によって想定すべき降水量の最大値を見積もりする必要がある。
国土交通省の治水関係部門では、水防法を2015年に改正した折に、【数10年に一度の雨量】から、「千年に一度」の規模に拡大したという。
しかし、「浸水想定区域図」が作り直されたのは、都道府県管理の1627河川の54%でしかなく、他の河川は放置されている。
国内には3万5千以上の河川があり、重要河川で堤防整備計画を立てている区間が1万3400キロあるが、7割しか完成していない。
他の河川の流域地域では、「浸水想定区域図」が作成されずに、堤防整備計画にも着手できない状態のままだ。
つまり、国も、県も、降雨量の急増には、無防備の状態なのだ。(続)