アメリカの次期大統領が、「温暖化問題は中国のでっち上げだ」と勇ましく批判していたが、不勉強の謗りを受けないためにも、すぐに路線転換するだろう。
そして、エメリカに雇用を持ってくると「大統領選挙」で公約していたのだから、新規事業となる「太陽光発電パネルの製造工場」を大量に誘致する。
また、風力発電の最適な地域には、日本製の風力発電工場を建設促進して、大量に雇用を創出するだろう。
なにしろ、自動車産業や家電産業に匹敵する「雇用規模になる次世代産業」は、そうは見当たらないので「このチャンスを見逃すはずはない」。
石炭産業の将来的な雇用創出などは、今更、論じる必要もないくらいに乏しい。
一方の日本の安倍首相は、政権交代の総選挙では、「再生可能エネルギーの最大限の普及促進」を図ると公約していたが、その後の打ち出した政策は皆無である。
それよりも、政権公約にはしなかった、「原発の再稼動に力を入れる」電力目標を、政権の中枢に据えてしまった。
原子力発電への依存度を20%以上にも高めて、火力発電では【石炭火力発電の新規建設】にも、20%以上も目標に入れてしまった。
これらの電源は、需要の変動に対して、【発電量の調整がきかない融通性のない発電設備】であるから、気象に応じて変動する「太陽光や風力との相性」が悪い。
つまり、「最大限に再生可能電力を導入する」との、政権公約を反故にする路線だ。
安倍政権が次世代産業を育成して「成長戦略を推し進める」としても、有力な次世代産業を冷遇しているようでは、民間企業の積極的な投資は期待できない。
原発産業や石炭産業が、将来的に伸びる可能性は全くないのに、政権公約を無視してでも優遇するのは、成長戦略の中身が全く不透明で曖昧だからだ。
「地方創生戦略」は大変に重要だが、中期的、長期的に取り組むことの必要な課題である。
4年間や8年間で目に見える再生は無理な目標である。
観光立国も最重要であるが、これは、地道なノウハウの積み重ねが必要で、政府が権力を使って促進する取り組みでは失敗する。
アベノミクスの再加速を号令をかけていても、中身が曖昧だから、民間機魚の投資も迷うだけで【様子見をするしか経営判断ができない状況だ。】
一方のアメリカ経済の再生にとって必要なのは、「雇用機会を国内に増やす」ことにつきるから、トランプ氏が製造業を取り戻すという路線は明確だ。
さらに、疲弊したインフラの重点的な再構築は、建設、土木、などの公共事業の大増発であると、投資が向かう路線は明確に見える。
従って、世界に有り余っている投資資金はアメリカ国内に向かい、日本での投資機会が少ないと見るから、円安に移行するのだ。
円安になって潤うのは、一部の輸出関連企業だけである。
優柔不断の安倍政権では、成長戦略が見えないから、経済は停滞に向かって行く。