東京都知事をはじめとして都議会議員の大半は、「豊洲新市場の土壌汚染対策」には、殆ど関心がなかった。
その証拠に、土壌汚染対策の成果が確認される「地下水の汚染レベル」を、最終チェックの2017年1月を待たずして、11月7日に「豊洲新市場への移転」を開始することを決定して、関係者に通知してしまった。
もし、【最終チェックで汚染物質が検出された場合】に、どのように、「市場関係者に説明」をするつもりであったのか、お粗末な感覚である。
すでに最終チェックの前に、今までの検査では検出されなかった汚染物質がみつかり、豊洲新市場の抱える「不安定な土壌のりスク」が顕在化している。
現在の段階では、【豊洲移転するには15ヶ月以上の延期】が必須になっている。
安易に移転期日を決定した、「前東京都知事と都議会議員」には、延期に関しての損失や賠償の責任があると自覚すべきである。
そして、東京都の市場関係の決定に権限のある幹部には、汚染物質対策が大きな方針変更された事実を【隠したり、知らなかったふりをした責任】がある。
豊洲新市場に移転した後で、【土壌汚染対策が説明とは大きく違っていた】ならば、市場関係者と消費者が、どう反発するかも予測できなかったのか。
その時期には、自分は他の部署に移っているから、【責任者としての批判を浴びる懸念はない】と、甘い想定をしていたのであろう。
前東京都知事は、すでに別の不信任行動で辞職を迫られて、罷免された。
現在の東京都議会議員は、来年の都議会選挙で、都民からの審判を受ける。
市場関係に権限のあった【幹部職員の職務怠慢の行政処分】は、事実を可能な限りあきらかにして、厳正な処分を実行するだろう。
こうして、不適切な行政を進めてしまった権力者は、主権在民の意味で「東京都民の審判によって処分される」仕組みになっている。
それが実行されるのは、ブラックボックス化している「馴れ合い権力行政」を、オープンにすることが、チェック機能を生かす上での最大のルールーであろう。
国防や治安維持に必要な「公開しない情報を最小」にすることで、ブラックボックス化を防ぐことである。
しかし、このように「オープンな情報公開の上に、決定プロセスを遵守」していくと、行政経費は大きく膨らむ可能性がある。
今までは、このようなルールを守ることが、経費の増加を招くから、【限られた関係者だけで決めて、後は形式的な後承認】をするのが、政治手法とされてきた。
東京都民も、それで良しとしてきた節があるから、今回の「豊洲市場に絡んだ損失や賠償費」は、東京都民の税金で負担することになるだろう。
情報公開と民主的プロセスの遵守には、必要な税金負担が不可欠なのであるが、それを節約すると、密室行政によって「あとで大きな税金負担」のツケが回る。(続)