現代の大きな問題の根幹には、主権を持っているとされる国民に、真実の状態が知らされていない、という現実である。
政府は都合の悪いことを隠したり、曖昧にして問題がない状態に装う。
それの真実を追求しようとする「ジャーナリズム」は、あらゆる方法を使って公にならないように、情報が操作されてしまう。
アメリカは特に、ジャーナリズムやテレビは特定の利益集団に買収されて、報道を管理されている状態が続いている。
トランプ氏は、アメリカの不法移民の問題を取り上げて、あえて、買収されたジャーナリズムに挑戦状を叩きつけたようである。
なぜ、今までもメキシコ国境を不法に越境して、アメリカ社会に潜り込んできた不法ものを、取り締まることがルーズであったのか。
それには、不法移民が大量に発生することで、利益を得る集団がいるからである。
「国境の南側に住む人たちの生きる権利を認めてあげるのが人道的であり、税金を多大に投入して、取り締まりを厳重にするのは非人道的だ。」言い出す。
そして、大量の不法移民がいることで、低賃金で働く人を募集することは容易になるので、合法的な移民の給料も引き下げることができる。
低賃金労働者を大量に雇入れることで、人権費の節約で利益を増加させることが出来る民間企業が、不法移民の発生を密かに歓迎しているのである。
トランプ氏は、「不法移民を気の毒に思う気持ちは他の人と同様だが、それでも、国境を守れない国家は、国家ではない。」と断言する。
「不法移民は、合法的な移民として何年も審査の順番を待っている人々にとっても非常にアンフェアである。」
「国境を越えて入り込んでく不法移民は危険な存在で、どんな人間が入り込んでくるかわかったものではない。」
「メキシコ政府はアメリカに不法入国する方法を説明したパンフレットをつくり、【国内で悪事を働く厄介者を追い払う】には絶好の手段なのだ。」
このように、アンフェアを否定し、外国政府(メキシコ)の厄介払いの身勝手さを公然と批判する姿勢は、既得権に浸っている職業政治家には爆弾のようである。
だが、メディアの方も、今までは荒立てることを避けて、低賃金労働のメリットを享受する、「民間企業のお先棒を担ぐ」ことに安住していたかった。
しかし、大統領候補にまで突き進んできたのは、このように荒立てる問題を「本当の解決策を既存の枠組みから解放」して、事実を選挙民の前に晒すことだろう。
アメリカ国民は、既得権に支配されている現実に気がつきはじめている。
体制側のメディアの報道には、もはや信用を置いていない現実が起きている。
日本も既得権益に染まって、波風を立てない風潮がはびこっていたが、東京都の「豊洲市場移転問題」で、呆れた事実の発覚に晒されて、大波が起きている。(続)