庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

アベノミクス経済とは中身が一向に見えないスローガンだけ。

2016-09-09 | 経済問題

安倍政権の経済成長目標に、「2020日年代はじめにGDP目標600兆円」と掲げた政策達成目標がある。

数値目標も政策手段もないままに、ただ「経済活性化対策には税金を投入します」と言われるよりマシだが、それにしても、その中身をまともな説明で、国民の支持を得ようとする努力が、全く欠如している。

例えば、経済成長戦略の中に、「TPP締結による経済効果」を掲げているが、肝心のアメリカは、11月の大統領選によって、現在の交渉妥結案は、批准しないと明言する候補者同士の対決である。

日本国民には、どのような説明で、国会での批准を得ようとするのか意味が無い。

 

エネルギー源の転換政策には、電力以外の分野では、一向に国民への説明ができるような、産業政策は見えていない。

例えば、石油商品の将来をどのような転換政策で、自動車や航空機、船舶のへの適用をしていくのか、全く迷走している状態である。

その迷走状態をぼやかそうとして、2030年代以降でなければ、実用の領域に達しないような、「燃料電池自動車」の水素エネルギー社会の到来と宣伝する。

自動車に広く利用するには、経済性の面も安全性も「大幅に技術進化」をしなければ、2020年代は経済への貢献は無理な課題である。

それを、あえて前面に出しているのは、他に、国民に提示できる「経済成長戦略」が描けない弱みを見破られないための、【目くらましのような幻想】である。

 

石油商品の将来課題で言えば、石油系のプラスチックを『バイオマス系プラスチック』に転換する戦略のほうが、はるかに実現性が高い。

この技術は、日本では広報が大変に遅れているが、今年の5月になってやっと、日本政府の国策として「閣議決定された段階」である。

技術開発のレベルは量産性の問題はなく、これからが大規模投資による世界的な市場競争時代に入るが、日本の石油系プラスチックの出足は大きく遅れた。

アメリカ系や欧州系の動きからは、2周も3周も遅れて、政府がやっと本格的に取り組み体制を作り始める。

この動きを加速すれば、2020年代は、大きな転換の動きにつながる筈である。

 

このように「2020年代の新産業の育成」にむけて、政府が主導してやるべき課題は、玉石混交状態であり、これらに【総花的に税金をばらまいては効果が薄い。】

日本型の将来立国の基本方針が曖昧だから、目につく課題が流行的、世間の人気の左右される予算配分は、世界から脱落する運命にさらされる。

2050年代を展望した上で、重要な基本方針が定めることで、重点的に投資を配分する分野の、『集中的・戦略的な経済成長戦略』を定めるのが急務である。

それを、単に「アベノミクスのエンジンをさらにふかす」など、稚拙なスローガンで、国の借金を増やすようでは、数年で失速する運命にある。