庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

迷走が始まる自民党政権と実行力の貧困な野党の何方を選ぶか。

2016-04-20 | 経済問題

安倍政権の方針が金融緩和だよりから、『人への投資を優先』する政策に重点がうつることになり、従来の民主党が政権交代した時期に逆戻りした。

なんの事はない、6年間も停滞と逆走をした挙句に、2010年の「コンクリートから人への投資」に転換しそうである。

いや、そうは言っても、自民党政権のやる事は、全て選挙で勝つ事を優先するので、またすぐに【公共工事のバラマキ】に舞い戻る懸念は大きい。

コンクリートに依存して、防災を強化しなければならない地域や施設は、日本中のいたるところに残っているのが現状だからである。

 

だが「日本列島改造論」が国民的な支持を得ていた時代からは、必要なインフラや防災施設は整ってきたので、政策の優先度は『人への投資を重視』であろう。

阪神淡路大震災や東日本大震災の被害に対して、国を挙げての復興支援は必要だが、期間や地域が限定的で、その期間だけの増税で対応が可能であろう。

今回の熊本大地震の被害も莫大な規模になる予想だが、国を挙げての復興支援が必要であり、国民の総意で災害からの立ち直りを祈りたい。

阪神淡路大震災の場合と違った地域の将来像を描きながらの復興事業としたい。

東日本大震災の場合は、大津波の災害にたいする備えも大規模な高台移転の必要になるので、国民的な支援と忍耐力が基本になっていく。

 

復興と将来の地域社会作りは「人の熱意が基本」であり、「地域の自律的な共同社会意識が育つ事」を最優先で考えるべきだろう。

この地域社会作りは、災害復興地域の課題であるが、日本が高度経済成長とバブル経済に踊った後の後遺症で、地域社会が破壊されてしまったケースが多い。

21世紀になってからの課題で優先すべきは、地域社会が健全性を取り戻して、地元の持続的な経済的自立が図れる「地方創生」の再構築である。

安倍政権の政策の骨太の方針に掲げているが、未だに「成功事例も少なく」、中央官僚主導の政治から抜け出せない。

それは「地方分権」やら、「地域主権」とか、とにかく「地方の主体的な意志と合意形成を土台」にしなければ進まない課題である。

 

しかし、明治維新以来の中央統制に慣れすぎた国民性が、何かと「お上尊重の姿勢」が強く、【日本の制度的欠陥の縦割り行政の弊害】が大きな障害になる。

自民党政権では、中央官僚に依存する政治手法なので、地方に権限を移譲する事に「中央官庁の抵抗」が大きすぎて、【看板倒れの地方分権】に終わっている。

政権交代の看板政策であった「民主党の地域主権」公約は、『地域のことは、地域が決める、活気に満ちた地域社会』を作る、と高邁な理想を掲げていた。

しかし、地域社会が未成熟であっただけでなく、民主党の政治家自体が、【合意形成の意識が薄くて、野党体質の批判ばかり】の体たらくであった。

「民進党の体質」で、果たして実行力を伴う合意形成ができるか、問題だ。(続)