野党第一党の民進党は、経済再生に対する積極的な姿勢が欠けていることが、世論の支持を得難い状況になっている。
安部政権の経済再生は既に破綻しているのだが、次々に「新しいキャッチフレーズ」を作り出して、とにかく取り組んでいる姿勢をアピールしている。
民主党政権時代には、『人への投資を重視する』とうちだして、国民は期待をしていたが、肝心の経済活性化の政策は、何に重点を置いているか分からない。
野党にはなったので、政権公約の具体化策と熟成する時間が無いとは言えない。
「『未来につながる成長戦略』を実行し、時代の要請に合った産業を育成します。」と衆院選政公約に書いたが、それから2年以上たっているのに、何も出ていない。
「有言実行」ができない政党に落ち込んでしまってからは、国民に信頼できる政党とは思われなくなってしまった。
いったん解党して、全員が「一致団結して政権を担う気概」を新たにしたい、というだけでは国民に支援されるわけが無い。
安倍政権の迷走ぶりを批判して、優越感に浸る余裕など、全くないはずである。
「一億総活躍プラン」が5月に提示される前に、民進党は「有言実行で政権公約を進化」させるべきであろう。
特に重要課題の「グリーン産業」を、どのように成長産業に育成していくのか。
自民党政権も、最近は「グリーン産業=環境問題対応産業」を重視する、と政権公約には盛り込んでいる。
しかし、実態は「相変わらずの旧時代産業の保護」が重点で、そのおまけ程度に環境対応産業に予算を回して、様子を見ている状況である。
その証拠としては、民主党政権時代に「温暖化対策税の導入」を検討して、政権交代前にやっと試験的に導入が始まった。
これは、実態は炭素税であり、温暖化ガスの[CO2]排出量に応じた課税をして、石炭、石油、天然ガス輸入事業者から徴収している。
これが3年がかりで、やっと欧州各国のレベルの10分の一程度に課税された。
安倍政権は、この3年間は追加の政策は何も追加の課税を講じなかったのである。
民主党政権時代には、地球温暖化対策の本命を「原子力発電の大増設」に依存する政権公約を掲げていたので、「炭素税=温暖化対策」は様子見の段階であった。
しかし、2011年3月以降は、原子力発電に依存するのは放棄したはずであるから、
民主党は、『炭素税の本格導入を図る』のが、脱化石燃料の方針になる。
自民党政権は、旧時代産業保護が本流だから、民主党政権時代に成立した「温暖化対策税」を本格的に課税する気はさらさら無い。
それに引きずられて、民主党は対立する政策提案は何もできない状況が、3年も続いてしまった。
民進党は、新産業育成の戦略は何を出すのか、思考停止状態から抜け出せ。(続)