
これは、すぐ判ることだが、中央政府の官僚には理解が出来ない様だ。
イヤ解っていても、主流になっている事業や技術について行った方が、失敗のリスクが少ないので、安全、確実な方向にしか、関心を向けない様な習性が身についてしまっている。
だから、政治家が「新技術を創りだし、新産業を育成して経済成長の成果をだすの!」と掛け声を懸けても、官僚が選ぶ案件は、ほとんど変わり映えのしない、改良程度の技術や事業を手掛けるだけに留まる。

そして、失敗は少ないかも知れないが、『将来に向けて夢の持てる様な新技術や事業』は、中央の政策からほとんど産まれずに、20年以上を低成長に停滞したままの状態になった。
横並び状態で、リスクの少なく、成果も少ない新規開発を続けることが、通常の状態に落ち込んだので、どこも成果を上げなくても、クビになる心配はない。

ところが、中央官庁は競争相手がいないから、成果を上げなくても負い抜かれることはない。
海外諸国の中で、日本の成長を追い越す勢いの国もあるが、これは、発展途上にあるから、日本とは状況が違うとして、言い訳はどうにでもついてしまう。
縦割り権限の中で、官庁同士の競合はあるが、ほとんどの分野では棲み分けをしているので、競争はおきない。

中央政府で出来なかったことが、それよりも経済規模の小さい【州政府】に任せて、出来るわけがない、と思い込んでいる識者が多い。
しかし、最近の革新的技術や新産業の芽は、中央の主流組織からは産まれないで、傍流の独創的な動きから産まれているのだ。{続}
