庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

新産業の芽は本流からは生まれない。

2012-10-19 | 経済問題
技術革新は現在主流の部門からは、今までの概念を破ることは起こらない。
これは、すぐ判ることだが、中央政府の官僚には理解が出来ない様だ。
イヤ解っていても、主流になっている事業や技術について行った方が、失敗のリスクが少ないので、安全、確実な方向にしか、関心を向けない様な習性が身についてしまっている。
だから、政治家が「新技術を創りだし、新産業を育成して経済成長の成果をだすの!」と掛け声を懸けても、官僚が選ぶ案件は、ほとんど変わり映えのしない、改良程度の技術や事業を手掛けるだけに留まる。

その様な習性が心底、身に突いた官僚が作る経済成長戦略を、ホチキスで閉じた様にして、成長政策を打ち出した内閣は、1年程度で交代しては、また、官僚に成長政策を出す様に指示を繰り返してきた。
そして、失敗は少ないかも知れないが、『将来に向けて夢の持てる様な新技術や事業』は、中央の政策からほとんど産まれずに、20年以上を低成長に停滞したままの状態になった。
横並び状態で、リスクの少なく、成果も少ない新規開発を続けることが、通常の状態に落ち込んだので、どこも成果を上げなくても、クビになる心配はない。

民間企業ならば、20年間も成果を生まない状態が続いたら、競争相手が多数いて追い越していくので、たちまち転落して最悪は倒産である。
ところが、中央官庁は競争相手がいないから、成果を上げなくても負い抜かれることはない。
海外諸国の中で、日本の成長を追い越す勢いの国もあるが、これは、発展途上にあるから、日本とは状況が違うとして、言い訳はどうにでもついてしまう。
縦割り権限の中で、官庁同士の競合はあるが、ほとんどの分野では棲み分けをしているので、競争はおきない。

この経済成長促進の責任を、地方の地域自治体連合【州政府】に、新産業育成の役割と権限、予算を移管して、【州政府】の総意と努力を促して、成果を競う様に改革するのが、「地域主権」の考え方である。
中央政府で出来なかったことが、それよりも経済規模の小さい【州政府】に任せて、出来るわけがない、と思い込んでいる識者が多い。

しかし、最近の革新的技術や新産業の芽は、中央の主流組織からは産まれないで、傍流の独創的な動きから産まれているのだ。{続}