庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

海洋国家の日本は洋上風力発電を最大限に建設すべき。

2012-10-23 | 海洋産業問題
日本は周囲を海に囲まれた海洋国家であることは、今さら言うまでもない。
海上は風力発電に最適な環境で、風をさえぎるモノは何もなく、風力発電で懸念される騒音の被害も、沖合ならば、全く問題にならない。
長年の研究課題であった、「洋上風力発電」の本格的施設が、千葉県銚子市の沖合3㌔の地点に完成し、来年の1月から発電開始を目指している。
経産省の独立行政法人NEDOと、東京電力が設置し、将来に風力発電大国への道に先鞭をつけた。

欧州のデンマークは、国土面積が小さいので、かなり早期に『洋上風力発電』の開発に力を入れて、今は、「風力発電の比率」は欧州一である。
日本も遅ればせながら、風力発電の将来性を認めて、今回の「着床式洋上風力発電」(土台を海底に固定させる)で大型の2400KWが実現した。
今後は、海底に固定しないで海上に浮いている【浮体式風力発電】の技術開発が、活発に進んで行く計画である。
2020年頃までには、日本の海上には多くの風力発電が設置されて、電力供給の一翼を担うことになる。

と思いきや、日本の電力会社6社(北海道、東北、北陸、中国、四国、九州)は、風力発電の買取りを制限している、という。
日本の国民の大多数の願いである、原子力発電への依存を極力減らして、早期にゼロにしたい方向に全く逆行している。
その理由が【自社の原発をフル稼働】したいために、風力発電は買取り義務を制限する必要がある、という、全くの自社の利益だけを考えた判断である。
電力業界の先頭の東京電力は、その傲慢な社内空気で、福島原発の大事故を引き起こしてしまった。

今度は、その同類項の電力会社は、利益優先の【地域の殿さま企業体質】をモロに押し出している、「風力発電購入拒否」の姿勢である。
日本が「再生可能エネルギー電力」の技術面においては、世界一流であったのに、設備の設置普及量では、大幅に遅れてしまっている。
中でも、風力発電の普及では世界13番より下位に落ち込んでいる現状は、政府の責任が大きいが、それ以上に電力会社の傲慢な「自社企業グループだけの権益」を優先し、地域社会や国全体のことなどは、放り投げている体質が原因している。

この様な体質の電力会社は、経営陣を総交代させるしかない。(続)