東矢憲二の「気づきの経営」

経営コンサルタントとしての長年の経験を活かして、様々な気づきをご紹介します。
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職人さんに教わった人づくりのコツ⑤

2011-07-27 | 経営の気づき
私が教わった、最後の締めくくりの教えが、「弟子は簡単だが、親方はもっと難しい。親方自身も自分の技術力を磨かなければならず、レベルアップし続けることは至難の業だ」と。

弟子は次々入れ替わるが、親方は代わらない。弟子は、親方と寝食を共にするが、その弟子も「弟子抜け」をすると、一人で住むようになる。しかし、親方はいつも弟子を抱えているから、生活だけ見ても、一人でゆっくり出来るときが無い。

「弟子抜け」した人は、年に一回正月に集まるが、そのときは、どこからか講師を招いて、ためになる話しをしてもらい、そのあと皆で一緒に食事をする。そのフォローのことまで、見なければならない。だから、今は、親方でい続けられる人が、年々減っている。弟子以上に、親方であり続けることは難しい。

これまで5回にわたって、職人世界の人づくりのコツを紹介したが、この話は、ビジネスの世界でも見習うべきと感じた。先ずは、根性を試す、次に、気配を学ばせる、その次にやっと、本格的な教えに入る。この最初のステップを飛ばすと、人づくりはものにならない。