花好き・旅好き80代の北国女性の日記(ブログ開設18年目)

趣味はガーデニングと家庭菜園、外国旅行だったが、新型コロナ禍と膝の不調、円安が重なり外国は見合わせている。

英国周遊(9)

2012年06月24日 | 海外旅行「西ヨーロッパⅠ」ポルトガル・英国

《コッツウオルズの小さな村》
アフターヌーンティーの後はバスでコッツウオルズ地方に向かった。
雨が降り、風もあったが、先ず廃墟と化した『スードリー城』の庭園に行った。
ここはイングランド王室史上最高のインテリだったというヘンリー8世王の6人の妻たちが暮らした古城だが、市民革命時に破壊されてしまったという。残っていた建物部分が博物館になっていて、6人の妻を表した人形などが展示されていた。

 1人目 キャサリン・オブ・アルゴン (スペイン出身、最初はヘンリー8世の兄と結婚したが、兄の死去後、持参金を持ち去られたくないためという理由もあって1509年王が結婚。生まれた2人の男児は直ぐに死亡した。最後にメアリー一世を生んだが、男児を望む王は1533年離婚した。やがてメアリーはエドワード6世の死後、イングランド初の女王に即位した。在位1553年7月~1558年11月)

 2人目 アン・ブーリン (1人目の侍女でスペイン出身。王は結婚を認めなかったローマカトリック教会から離脱し、イギリス国教会を設立して1533年結婚した。後のエリザベス1世を生むが、男児でなかったのを理由に王は離婚したかった。しかし応じないので1536年にロンドン塔で処刑された)

 3人目 ジェイン・シーモア (1536年、王はアン・ブーリンの侍女だった彼女と結婚。後のエドワード6世を生むが、1537年病死した)

 4人目 アン・オブ・クレーヴズ (オランダ人。1540年結婚したが、結婚前に見た美しい肖像画と大違いだったので、6ヵ月後に離婚された)

 5人目 キャサリン・ハワード (1540年結婚したが、恋人がいたため1542年処刑された)

 6人目 キャサリン・パー (1543年結婚。学識が豊かだった彼女は自身も4回目の再婚となる王との結婚をしぶしぶした。1547年王が死去すると、恋人と結婚した)

写真左は、「ヘンリー8世王」と「エリザベス」 右は、6人の妻の人形。右端は1人目の「キャサリン・オブ・アルゴン」。2人目の「アン・ブーリン」は確か後ろに居て手前と重なり、写真に撮れなかった筈だ。

  

広大な庭には城の残骸部分が残っていて、「華麗な王女たちの夢の跡」を感じた。同時に絶対権力を持つ王は、どんな屁理屈もつけられるし、堂々と妻の殺害もできたのだと再確認した。
私は子どもの頃、もし生まれ変わることがあったら、高貴な身分の家柄に生まれたいと思ったことがあったが、その後、高貴な家柄だった故に不幸になった女性も多かったのだと知ることになる。王にとってこの数人の妻たちは、人間ではなく、単に跡継ぎを生むための道具に過ぎなかったのだろう。
庭の奥に、刈り込まれた樹木で囲われた「秘密の花園」と名づけた庭園があった。つる薔薇が植えてありベンチもあった。恐らく彼女たちにとってこの庭を散策する時間は、唯一心が癒される時間だったに違いない。

  

次にコッツウオルズの小さな村2つに行き、散策しながら静かな田園風景を味わった。

  

      



 

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6 コメント

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Unknown (サマンサどら猫)
2012-06-24 21:23:03
ヘンリ8世、絶対君主にして暴君ですね。アンは、映画「1000日のアン」でも有名ですね。英国国教会も、結局ローマ教皇にケンカを売って出来たようなものですから。まあ、当時の日本は戦国時代ですから、似たような時代ですね、笑い。
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Unknown (あばた)
2012-06-25 17:10:01
sonataさん、こんにちは♪
人柄が下賤な人が権力を持つと怖い怖い。
でも綺麗な衣装に豪華な食事、ハンサムな王子様には憧れます。ディズニーの世界ですね。
現実は「ホントは怖いグリム童話」以上に怖い?
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Unknown (Pione)
2012-06-26 08:17:37
興味ある?内容に驚き。何かドロドロ感がありますが、どこの国でも同じようなことがあったと思います。当時の世界へちょっとだけタイムスリップしてみたいですね。
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Unknown (ソナタ)
2012-06-26 11:18:09
サマンサどら猫さん、こんにちは♪
「1000日のアン」を観たのですか。私は当時は田舎暮らしでこの映画は知らなかったですが、ネットで調べました。結構史実に忠実に作られた映画の様ですね。
サマンサどら猫さんは大変な読書家だから、きっと多くの知識を持っていることと思います。私は今まで世界の王室については大した関心を持っていなかったのですが、今回、丁度、女王在位60周年の英国に行ったので、少し興味が出て来ました。


あばたさん、こんにちは♪
子どもの頃は「白馬に乗った王子様がお姫様の前に現れて、二人は幸せになりましたとさ」の童話で夢を見させられましたね。
この王様は、群を抜いてとんでもない王様です。ロンドン塔の庭に処刑された場所が保管展示されていますが、余りのおぞましさにぞっとしました。


Pioneさん、こんにちは♪
どの時代でもどの国でも、権力を持った者は、その権力を自分の利益のために振り続けるんですね。
誰かが言っていましたが、「支配者は、自らもまた幸せではあり得ない」そうですが。



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Unknown (伊豆の花)
2012-06-26 19:33:49
「コッツウオルズ」は、以前、NHKの「趣味の園芸」で、放送されて、素敵な村だなぁと思っておりました。
イギリス式庭園が、村全体で統一されているとか・・・実際の風景は如何でしたか?

我家の庭は、基本的には日本庭園ですが、雰囲気としては、イギリス式を目論んでいます・・・実際は、単に、自然の為すままなだけですけれど。
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Unknown (ソナタ)
2012-06-27 07:52:19
伊豆の花さん、お早うございます♪
私の目に映ったコッツウォルズは、石造りの古民家が並んでいたり一軒だったりして、その家の前に宿根草や薔薇が植えてあるんです。だから田舎の自然な風景という感じでしたね。
あまり手入れはされていませんが、最高気温が低い(21~22℃)ので、日本の様に雑草がどんどん伸びるということも無いようでしたよ。だから素敵に見えるのだと。

ただ日本は高温多湿なので、イギリス式庭園を模倣するには少し無理があるかなと思っています。
我が家の場合は1/3が野菜畑なので、フランス式の『ポタジェ』を目指しています。(#^.^#)

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