花好き・旅好き80代の北国女性の日記(ブログ開設18年目)

趣味はガーデニングと家庭菜園、外国旅行だったが、新型コロナ禍と膝の不調、円安が重なり外国は見合わせている。

拝啓 地震学者・山下文男様

2011年04月03日 | 社会・事件・ニュース
拝 啓 山下文男様

 突然、お便りを差し上げる失礼をお許し下さい。
私は、あなたが書かれた本「津波の恐怖ー三陸津波伝承録ー」を十日前に読み、地震や津波について大変勉強させられた者です。
著者であります山下様のご出身地が大船渡市綾里だと書いてありましたので、今回の東日本大震災の被災地なのでご無事かどうかをずっと案じておりましたところ、今朝の朝日新聞であなたのご無事を知り、この文を書こうと思い立ちました。
先ずは被災された事に対するお見舞いを申し上げますとともに、ご無事でおられたことを心よりお喜び申し上げます。
その本には、「津波が予想される地震が起きたら、一刻を争って少しでも高い場所へ避難をするべきだ。」と繰り返し書いてありましたので、よもやあなたが津波に遭うとは思わなかったのですが、仮に高地が見当たらない場所にいたとしたら、あるいは被災したかも知れないと心配していました。

あなたは、著作や講演で多くの人に三陸津波の恐怖を喚起して来ましたね。
その本にも、津波の被害に遭わないためにはまず高台に居住すること、そして低地にいる時に津波予報があったら、直ぐにできるだけ高地に逃げる事、そのためには平素から津波の避難場所になる高地を確かめながら行動することを説いていましたから、その著者が無事でいらしたことは本当に安心致しました。

新聞によると、当時あなたは海岸から1km離れた所の岩手県立高田病院の4階に入院されていたとか。
強い地震の後、津波の恐れがあるので避難するようにという院内放送があり、同室の3人は逃げたのに、あなたはよもやここまで津波は来ないだろうし、研究者として津波を見極めたいと思って高見の見物をしようとした所に津波が押し寄せて来て、4階の窓ガラスが割れ、ベッドから飛ばされ、かろうじてカーテンにしがみ付いて助かったそうですね。
あなたが助からなかったら、この本の説得力は弱まりますから、本当に良かったと心から思っています。


今後は今回の経験と復興への助言、さらに今回初めて国内で露見した地震、津波による原子力発電所の恐怖について、新たに起稿して欲しいと思っています。
昨日の新聞では、菅総理も被災地の復興のための都市計画は、低地に公園や職場を作り、住宅は高地につくる。漁業者は高地の住宅から浜辺へ通勤するという構想を抱いている事が報じられていました。
まさにあなたが指摘して来た理想が、今回の復興に当たって実現することを私も期待しています。

山下文男様、どうぞお体を大切に、いつまでもお元気でさらなるご活躍をお祈り致します。  
                                               敬 具
  (今回私が図書館から借りて読んだ2冊の本)  
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする