花好き・旅好き80代北国女性の日記(ブログ開設18年目)

趣味はガーデニングと家庭菜園、外国旅行だが、新型コロナ禍と膝の不調、円安が重なり、今は外国行きは見合わせている。

いわき市で被災した友人への手紙

2011年04月07日 | 社会・事件・ニュース
昨日、福島県いわき市に住み、原発からは30km圏内に位置する自宅で一人で自宅内待機をしている70代の友人に、和紙の折り鶴と見舞金を同封して手紙を送った。

『A子さん、こんにちは。
 陽春の候となり、北海道の我が家の庭の残雪も明日あたりはやっと消えそうです。早く雪が溶けた場所では、チューリップや水仙が芽を出し、今月末当たりには咲いてくれそうです。昨日は穏やかな晴天でしたので、思い切って薔薇やつつじなどの庭木の消毒をしました。また室内ではプランターに野菜や花の種を蒔いて育てているところです。北国の春は全ての草や木の花が一気に咲くので、これからは清々しい季節を楽しめそうです。

 さて、この度A子さんには、東日本大震災に遭われたばかりでなく、東電の原発事故にも被災されて本当に大変でしたね。心からお見舞い申し上げます。
 先日は電話でお元気な声を聞く事ができ、少し安心しました。また今回は、綺麗な絵手紙を頂いて、立場が逆ではないだろうかと恐縮しました。 
 私も十一日以来、テレビにくぎ付けになり、新聞も隅々まで読んでいますが、市街地が丸ごと破壊され、全てを流し去った津波の破壊力を怖い程に見せつけられ、被災したA子さんたちの絶望や苦難はいか程かと想像しています。
 それにしてもA子さんのお宅が、浸水だけで済んだと伺って、居住場所を良い所に選択したことはさすがだと感心しています。
 三陸海岸は昔から幾度となく大津波に見舞われ、そのたびに多くの人命や家屋が失われて来た歴史があるんですね。地震学者の山下文男氏の本などを読むと、津波の第一の対策は高台に住むことだと書いていますから。(でも昨夜のニュースでは、地盤が緩んで高台で土砂崩れが起きているらしいですね。それも恐怖ですが)

 福島原発の事故については、何とも慰めの言葉が見つかりません。
今回のことを通して原発の「安全神話」は完全に崩れ去った訳で、今まで原発の建設に賛成し、莫大な交付金を受け取り続けて来た地元自治体と住民も、人間の命よりも経済効率、利益を優先して来た国と電力会社の本質をはっきりと思い知ったのではないだろうかと思います。
私は、電気を売って儲けて来た企業が、必死で節電のキャンペーンをする姿に腹立たしささえ覚えます。
 それにしても、放射性物質の垂れ流しが止まる目途は立たず、農家、漁民の生活権が奪われ、住民の安全に住む権利が踏みにじられた状況を思う時、日本人はどうして静かに黙ってただ耐えているのだろうかと不思議に思います。多分外国なら、大騒動になると思いますが。
 最後になりますが、A子さんには子供さんの助けを得ながら、この困難を何とか乗り越え、一日も早く元気な生活を取り戻して欲しいと願うばかりです。

 同封した絵葉書は、昨年十一月にネパールに行った時に求めたものです。私はA子さんの様な素敵な絵を描けないので、世界最高峰エベレストが夕日に輝く姿の絵葉書を代わりに入れます。(ネパールでは、小型飛行機で一時間弱、エベレスト連峰の上空を遊覧飛行しました)
 また失礼かと思いますが、私のお見舞いの気持ちも同封します。もう少し落ち着いたら、子供さん達とご一緒に美味しいものでも食べに行く際の費用の足しにでもして下されば嬉しいです。
では、どうぞお元気でね!    二〇一一.四、六』
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