10月24日(木)は皮膚科の先生が当直で、内科当番は当方だった。午後10時過ぎに連絡がきた。
90歳代の男性が自宅で転倒して、前額部の切創と鼻出血で救急搬入されていた。軽度の外傷と思って受けたそうだ。
搬入されると発熱と酸素飽和度の低下があり、胸部CTで両側肺炎があった。酸素吸入4L/分で酸素飽和度は94~95%になっているが、抗菌薬はスルバシリン(ABPC/SBT)でいいでしょうかという。点滴と抗菌薬の入力をお願いして、内科で入院にしてもらった。
翌日に出勤して病棟に診に行った。酸素吸入3L/分で酸素飽和度は96~98%になっていた。開眼していて簡単な会話はできるようだ。同じく90歳代の妻と2人暮らしで、室内は何とか歩行器(シルバーカー)を使ってトイレまで行けるくらいのADLだった。
聴覚言語療法士(ST)に嚥下評価をお願いしたが、少しむせるようで、来週また評価します、となった。(朝食が全粥刻み食で出されて、むせったのでやめたていた)
介護保険申請はしていたが、要支援2ということだった。それだと認知症がなくて、ADLほとんど自立になるが、別居の家族は再申請をしようとしていたらしい。
転倒して外傷として救急搬入される高齢者が最近目立つ。救急隊は軽度の外傷として搬入依頼してくるが、来て見ると発熱・酸素飽和度低下があって、転倒は感染症による体調不良の結果だったというパターンだ。
救急隊としては軽度外傷は搬入依頼をしやすいかもしれない。救急車収容時には外傷が結果であることには気づいているのだろう。
発熱・酸素飽和度低下といわれとる、皮膚科医は受けないこともある。翌朝の通常業務開始に近い時間帯だと(午前7時~8時半)、検査しているうちに内科が出勤して来るので受けているようだ。