9月27日(金)の午前中に救急をみていた外科医(大学病院)から連絡がきた。当方が入院が必要な患者さんを担当する当番だった。
患者さんは90歳男性で、前日に市内の内科クリニックから呼吸器外来(大学病院の非常勤医)に紹介になっていた。酸素飽和度が85%(室内気)だった。
クリニックで間質性肺炎・肺気腫の経過をみていた。今年の6月にの画像撮影の依頼があり、胸部CTを行っていた。(画像だけの依頼で放射線科の読影レポートのみ)間質性肺炎の変化は軽度だった。
今回は胸部X線・CTで両側肺野に間質性陰影(すりガラス陰影+網状影)を認めた。発熱もあり、白血球10300・CRP11.8と炎症反応上昇とLDHの上昇(465)を呈している。
外来で診た先生は、急遽在宅酸素療法(HOT、2L/分)を導入して、帰宅としていた。戻されたクリニックの先生も驚いたのではないか。
その日は呼吸困難ではなく、家族が朝に意識がぼんやりしている、とケアマネ―ジャーを呼んでいた。呼ばれたケアマネが新鮮血下血に気づいて、救急要請したという経緯だった。家族の話では1週間前からあったらしい。
搬入時は意識清明で普通に会話ができる。年齢の割に体格が良く、話しぶりもしっかりしている。ふだんはADL自立で認知症はない。動きも良かった。
外科医が肛門鏡で診て、内痔核を認めた。ただ観察時に出血がなく、そこからの出血(痔出血)で間違いないとはいえないため、大腸内視鏡はいずれ必要ということだった。腹痛はない。
酸素2L/分で酸素飽和度は91~92%だったが、体動時は下がってしまう。酸素吸入は増量をする。
90歳で治療の適応なしと判断したのかもしれないが、認知症・寝たきりではない。治療効果があるかという問題もあるが、治療の適応はあると判断される。
地域の基幹病院呼吸器内科に連絡すると、やはり90歳ですかとはいわれたが、引き受けてくれた。治療しても反応に乏しい時や入院継続が必要な時は当院に戻してもらうことも伝えた。