10月18日の夕方、入院していた心不全・高血圧症の90歳男性が頻拍発作となり、治療を開始した。その日は当直だったので、何度か病棟に行って治療に対する反応を確認していた。
その日の日中に耳鼻咽喉科で急性喉頭蓋炎の59歳男性を入院させていた。ステロイドと抗菌薬(セフトリアキソン)を開始して、アドレナリン(ボスミン)入りの吸入もしていた。
患者さんが痰の絡みがとれないと訴えた。入院していた病室(4人部屋)からナースステーションに隣接した集中治療用の病室に移動させて、吸入をしているところだった。
耳鼻咽喉科のカルテ記載を確認した。10月16日から咽頭痛がひどくなり、18日に市内の耳鼻咽喉科クリニックを受診して、扁桃周囲炎として当院に紹介になっていた。
喉頭鏡の所見では、右口蓋扁桃の腫脹もあるが、喉頭蓋が肥厚して発赤している。気道狭窄はあるだろうがすぐに閉塞するほどではないように見える(喉頭蓋の評価は自信がないが)。いきなり窒息まではないかと、若干安心した。
翌19日に診療開始時に、耳鼻咽喉科医は再度喉頭鏡で喉頭蓋を観察した。前日より若干の腫脹の進行を見て、気道確保処置の可能性もあるとして、地域の基幹病院耳鼻咽喉科に転院搬送とした。(翌日の金曜日は耳鼻咽喉科医が毎週不在という事情もある)