なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

総胆管結石

2023年10月23日 | 消化器疾患

 10月19日(木)の午後に、糖尿病・高血圧症・高脂血症で通院している90歳女性が心窩部痛で外来を受診した。

 

 今年の2月14日に心窩部痛で内科新患を受診した。腹部CTで総胆管結石と診断されていた。胆嚢にも数個の結石があるが、胆嚢炎の所見はなかった。肝機能障害と炎症反応上昇を認めた。

 地域の基幹病院に連絡したが受け入れ困難だった。県庁所在地にある消化器病センターのある専門病院に搬送となった。そこの消化器内科の先生が以前から当院に診療応援に来ている。

 内視鏡的に総胆管結石が摘出されて、無事に戻ってきた。変形性股関節症で歩行器を使用しているが、認知症もなく、元気な方だった。

 

 今回は、本人と家族がそれの再発ではないかと思っての受診だった。その日の午前6時ごろに心窩部痛で目が覚めた。痛みは2時間くらいで治まったそうで、受診時には痛くないという。ただ食欲がなく、朝から水分だけとっていた。

 さっそく腹部CTと点滴・血液検査を行った。その日は月1回の感染管理のラウンドとICT会議があり、その後にコロナ対応についての会議も続けて予定されていた。

 検査室から肝機能障害がかなりあります、と連絡がきた。会議を退席してCTを確認すると、総胆管末端に結石があり、嵌頓しているようだ。嵌頓して結石が動かないと腹痛が治まることがある。

 白血球15900・CRP1.5と炎症反応は発症早期の像で、AST 978・ALT 414・ALP 372・GTP 425・総ビリルビン3.3と著明な肝機能障害を認めた。

 以前の治療があるので、消化器病センターのある病院に連絡を入れた。その日はベットがなく受け入れできないが、翌日に受診してもらえば、対処してくれるという。それでお願いした。

 患者さんに一晩当院に入院して翌日の搬送を勧めたが、腹痛が消失していることから帰宅を希望した。入院の準備をしてから行きたいという。夫と息子さんが付き添っていたが、本人の希望が強く、翌朝に車で連れて行くことになった。

 夜間や翌朝に状態が悪ければ、救急要請して当院にいったん来てもらって、搬送を交渉することにした。点滴500mlと抗菌薬1回を入れて、疼痛時のカロナール500mgを持たせて帰宅とした。

 翌朝まで当院に連絡はなく、家族の車で向かったようだ。乳頭切開は前回しているので、専門医としては処置は楽なのかもしれない。処置の経過観察で入院継続が必要な時は当院で引き取ることにする。

 

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