なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

扁桃周囲膿瘍

2017年09月25日 | Weblog

 昨日の救急外来に77歳女性が前日からの高熱と咽頭痛・嚥下痛で受診した。日直の先生(大学病院からの応援医師)が診て、肺炎・胸膜炎と判断していたらしい。過去に結核性胸膜炎の既往があり、陳旧性の陰影があった。

 入院依頼の連絡があり、院内で待機していたので、外来に診に行った。白血球数16500、CRP25.8と上昇していた。肺は陳旧性の変化と思われたので、むしろ尿路感染症(腎盂腎炎)かと思った。

 ベットサイドに行くと、施設職員が付いていて、もともと精神遅滞がある方だった。それでも普通に問診がとれて、症状は「喉が痛い」だった。唾液が口腔内にたまっていて、飲み込むと痛いという。口を開けてもらうと、うまく見えないが右の扁桃が腫れているようだ。右前頸部にも圧痛がある。

 いわゆるkiller sore throatが疑われた。朝も流動食を少しだけ食べていて、水分も痛みはあるが飲めたという。今々窒息するほどではないようだ。胸部CTが施行されていて、その一番上の画像に扁桃が腫大しているところが少し写っていた。

 念のため座位で頸部X線を見て、喉頭蓋炎はなかった。顔面~頸部CTを撮影すると、右の扁桃が腫脹していた。咽頭後壁にも及んでいるかもしれない。これは耳鼻咽喉科救急。

 日曜日の夜間だと、診てくれるのは大学病院しかない。大学病院に連絡して、耳鼻咽喉科の先生の繋いでもらった。幸いに受けてもらうことができて、救急搬送になった。患者さんに病状と大学病院に向かう旨を説明すると、「お世話なります。ありがとう。」と言われた(もごもごしていたが)。

 とにかく搬送を急いだので、単純CTだけにして、腫脹していることだけ確認した。頭頸部の画像は十分読影できないので、今日放射線科の先生に画像を診てもらいに行った(読影依頼にしてないかった)。すると、すでに大学病院耳鼻咽喉科の先生から、地域医療連携室を通じて連絡が来て、当院放射線科に画像読影の依頼が来ていたそうだ。画像はCTに入れて紹介状をいっしょに送っていたが、大学病院の放射線科で診てもらえないのだろうか。

 すみませんが、造影CTで精査をお願いします。

コメント
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