65歳男性が日曜日に肺炎で入院していた。こともと肺気腫があり、呼吸器科外来(大学病院からの応援医師担当)に通院しているが、喫煙は続けていた。昨年肺炎で入院していて、喀痰培養からインフルエンザ桿菌が検出されていた。セフトリアキソンで軽快退院していた。
受診2日前の金曜日から高熱があり、土曜日にも受診しているが、胸部単純X線で明らかな浸潤影はなかった(ように見えた)。再受診した時は日直医師が胸部CTも撮影して左上葉の浸潤影を認めた。今回はどうしても喀痰が出なかったので、起炎菌はわからない。尿中肺炎球菌抗原は陰性(肺炎球菌ワクチンは受けていなかった)。
入院してまたセフトリアキソンで治療を開始した。入院後1日目2日目は解熱してたが、3日目からまた発熱が出現した。セフトリアキソンは1日2回に分けて投与していたが、昨日の朝までで中止して経過をみた。朝は解熱していた。血液検査は入院時の検査結果と比較して悪化はしていない。軽度の肝機能障害と好酸球増加があり、皮疹はないが、セフトリアキソンの副作用が疑われた。
抗菌薬を何に変更するかと思ったが、結核の経過ではないと思われたので、レボフロキサシン点滴静注にした。抗菌薬は何を選ぶのが正解だったのだろうか。それにしても最初から吸入させるなどして、もっと喀痰培養にこだわるべきだった。
「魁!!診断塾」医学書院を読んでいる。複数の先生方による対話形式で楽しく読めるが、とても診断できそうもない症例(一生会わなさそうな症例?)が続く。