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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肝腫瘍

2017年09月08日 | Weblog

 消化器科の若い先生から相談された。70歳代前半の男性が右季肋部痛(重苦感)で受診した。昨年初めに早期胃癌の内視鏡治療を受けていた。施行した先生は体調不良で休んでいるので、他の病院から手伝いに来ている若い先生の診療の相談にのっていた。

 M癌だが、組織はporだった。その後経過をみていたが、再発はなかったようだ。腹部造影CTを行うと、肝右葉(S5/6)に早期に濃染される腫瘤があり、別の部位(S7)にも小腫瘤があった。ウイルス肝炎はB・C陰性。

 CTで見る限りだが、明らかな大腸癌はない。膵癌もない。胆嚢内に腫瘍はなさそうだが、胆嚢癌が肝床部へ浸潤していった可能性はある。胃癌の転移の可能性も否定はできない。あとは肝内胆管癌か。AFPは正常域で、CEAが軽度に上昇して、CA19-9は正常域だった。

 とりあえず今すぐ治療の緊急性はない、来週癌の専門病院に紹介することにした。

 他院の肝臓外来に通院している肝硬変の患者さんが、大腿骨頸部骨折で当院の整形外科に入院した。手術に耐えられるかどうか検討して手術に踏み切った。麻酔科医の話では全身麻酔は避けて、硬膜外麻酔などで行ったそうだ。術後に胸水・腹水貯留が出現して、意識レベルも低下した。

 昨日内科にコンサルトされて、病棟に診に行った。CTで確かに明らかに萎縮した硬変肝で腹水が貯留していた。両側肺に胸水があり、部分的な無気肺か肺炎像が鑑別しがたい。血清アンモニアの上昇していたので、アミノレバン点滴静注、利尿薬静注、抗菌薬点滴静注の指示を追加した(まだ抜糸前)。せっかく手術したので、ここはなんとか乗り切りたい。

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