goo blog サービス終了のお知らせ 

なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

貧血~大腸癌

2017年05月29日 | Weblog

 昨年夏に、80歳代後半の男性が倦怠感で内科クリニックから紹介された。血液検査では貧血があった。腹部CTで盲腸の腫瘍が左側に進展してS状結腸に浸潤していた(逆の可能性もあるが)。

 診断を確定しようと、大腸内視鏡を勧めたが、拒否された。当院での治療も、かんセンターへの紹介も拒否した。息子さんと相談したが、本人がそう言うならそれでいいという。幸いに慢性的な腫瘍からの出血による鉄欠乏性貧血は鉄剤投与で少しずつ改善している。外来で経過をみることにした。

 その後鉄剤を継続して、Hb8g/dlくらいで経過していた。外来は1か月おきに来ていた。変わりがないので2か月おきにして、調子が悪い時は随時受診としていた。

 先月に外来を受診しなかったが。こちらも忙しく、呼び出しまではしていなかった。まあ連れてくる息子さんの都合が悪かったので、別の日に来るだろうと思った。

 1か月以上鉄剤内服が中断されて、食欲不振・倦怠感が出現して、先週受診した。息子さんの話では、前回は息子さんの都合が悪く、ひとりで受診するように伝えていたそうだ。受診したものと思っていたそうで、薬も本人の管理なので中断しているのをは知らなかったという。Hb3.6g/dlと低下して、顔色は蒼白ではなくて薄い黄白色だった(黄疸はない)。

 そのまま入院して、濃厚赤血球4単位を輸血して、Hb5g/dlになった。さらに4単位を追加してHb8g/dlになった。倦怠感は消失して元気になった。鉄剤だけで貧血が進行しないか、少し経過をみてから退院を決めたいというと、もう帰るという。そういう人なので、2週間後に外来でみることにした。前回のCTでは肺転移がパラパラと見られたが、あとどのくらいもつだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする