なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

副腎不全

2015年02月21日 | Weblog

 一昨日の夕方に搬入された59歳女性はこれまで副腎不全で年に1回の割で入院していた。もともとは軽度の精神遅滞(身の回りのことはできる)があり、肥満の糖尿病患者として地元の病院に通院していた。何かのきっかけで副腎腫瘍が発見されて、大学病院で手術を受けた。その後、副腎ホルモンの補充療法(コートリル内服)を受けていた。当地の精神障害者施設に入所したことで、当地で治療を受けている(クリニックから処方)。

 施設に入所しているので、薬の管理はきちんとしていて飲み忘れなどはないが、年に1回の割で急性副腎不全で入院していた。症状は低体温になり、動けなくなるというものだった。原因は明らかな感染症もなく、よくわからなかった。ソルコーテウの点滴静注を4~5日するとすっかり元気になり、漸減中止して通常の内服だけでも問題ない状態になって退院した。

 何度目かの入院時に、ホルモン補充で他の症状は軽快したのに洞性徐脈(40/分未満)が続いた。横臥していると元気だが、起き上がるとめまいがした。洞不全症候群だった。循環器科で心臓ペースメーカー植え込み術を受けた。通常のリードではうまくペーシングできず、心筋に埋め込むようなリードを要したと後で聞いた。

 救急外来で最初に診たのは、現在麻酔科で研修中の内科医だった。32℃の低体温で動けなくなったという症状で搬入されたが、初めてなので面喰ったらしい。「副腎不全で入退院を繰り返しているですよ」と教えると納得していた。そういう事情が分からなければ診断がつくかどうかわからないと言っていた。確かにその通りだ。昨年はめずらしく入院していなかった。今回も悪化の原因はわからない。入院してソルコーテフの点滴数回行うと、翌日には体温も36℃台に上がって、食事を完食していた・

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