今日日曜日は日直で病院に出ている。ケアハウスに入所中の84歳男性が右半身麻痺と意識障害(搬入時は昏睡)で救急搬入された。病院の近くにあるので5分もしないうちに救急車が着いた。頭部CTで出血はなく、梗塞巣は指摘できなかった。頭部MRIの拡散強調画像で左中大脳動脈領域に梗塞巣を認めた。心房細動があるが、MRAで見ると。、アテローム硬化性脳梗塞のように思われた。病棟に上がるころには開眼していた。発語がなく、失語症の可能性がある。
続いて、吐血の67歳男性が救急搬入された。うがいをしている時に鮮血を少量吐いたそうだ。ALSで当院神経内科外来に通院している。昨年嚥下障害で胃瘻造設を行ったが、まだ嚥下はできるようで胃瘻は使用していない。ちょうど早朝に来た吐血患者さんの検査で消化器科医が来ていたので、検査を依頼した。昨年神経内科入院中に出血性胃潰瘍でその先生が内視鏡検査をしていた。PPI(タケプロン15mg)を内服していて、潰瘍再発は考えにくいと言っていた。バイタルに異常がなく、患者さん自身にも重症感がなかった。鼻血を飲み込んだんじゃないでしょうね、と言われた。
その後、内視鏡室から輸血(濃厚赤血球)6単位をオーダーして下さいと連絡が来た。内視鏡室に行ってみると、胃瘻造設した部位の近傍に過形成性ポリープが2個あって、そのうち1個の頂上から鮮血が出ていた。基部にHSE(高張食塩水エピネフリン液)を注入して、ポリペクトミーが行われた。切除断端に凝固処置をしてクリップをかけていた。
その前に行った内視鏡検査でも、出血性胃潰瘍で太い露出血管が出ていたそうだ。朝に会った時は、貧血の程度から週明けの検査でもいいかと言っていたが、結果は今日見てよかった、だった。
昨日も出血性胃潰瘍で緊急内視鏡を行っていて、2日で3件の上部消化管出血というのは、当院としては珍しい。お疲れ様でした。