夕方まで町を歩いた。
有馬温泉・温泉寺(薬師堂)
関西の奥座敷と呼ばれる有馬温泉は神戸市六甲山の北にある。
神代の時代に、傷ついた三羽のカラスが水浴びをするのが目撃され、
しばらくたつと傷が癒えていたところから温泉が発見されたそうだ。
日本書紀にも有間温湯宮の記述があるという。
奈良時代になって、行基が薬師如来を刻み温泉寺を建立した。
秀吉夫人・北政所がこのあたりに別邸を置き、火災で失われていた温泉寺を再建した。
明治時代の廃仏毀釈で廃寺となり、いまは薬師堂だけが残っている。
ねね橋
豊臣秀吉は天下統一の地固めをしたころ初めて有馬を訪れて以来この地を愛した。
たびたび湯治に来るばかりでなく、泉源を改修したり御殿を建てるなどもした。
駅の近くに豊太閤像、太閤橋、ねね橋などがあった。
駅から太閤通りを経て左方向に温泉の街並みがある。
細い坂道に古い家並みが続き、人形筆や有馬かご(竹細工)の店も見られた。
NP日本郵便のプレートが現役であることを示す赤い丸ポストがあった。
この角を曲がると有馬天神社がある。
その神社の境内にある天神泉源は98度ぐらいだそうで、白い湯気を噴出している。
有馬温泉には空気に触れて茶色くなる金泉(含鉄強食塩泉)と
透明な銀泉(炭酸、ラジウム泉)がある。
金泉は天神泉源、有明泉源、極楽泉源、妬(うわなり)泉源、それにこの御所泉源があり、
どれも90度以上の高温だ。
銀泉は低温で、この炭酸泉源に加えて太閤泉がある。
むかし有馬温泉のお土産に炭酸せんべいをもらったことがある。
太閤泉は飲用で40年ほど前に枯れていたのが震災で復活したそうだ。
御所泉源の近くにこんな石仏があった。
1500年代に花崗岩の自然石に刻まれた仏像で、
右側に不動尊立像、左に地蔵菩薩、それに南無阿弥陀仏などの文字も見える。
と言っても大火などで剥離して不鮮明で分かりにくい。
トリミングしてみると腕や腰にふくらみが辛うじて見える。
瑞宝寺公園や六甲へのロープウエー駅は坂を上った上のほうにあるので、
このループバスが街並みの外周を走っている。
1回100円で住民生活にも利用されているようだ。
瑞宝寺公園のことは次回につづく。